(有)バイクショップ ハラグチ
埼玉県/ホンダ、ヤマハ、スズキ取扱店

取材協力/バイクショップ ハラグチ  取材・撮影/伊勢 悟  取材・文/金田 大二郎
掲載日/2015年3月31日
埼玉県鴻巣市にある『バイクショップ ハラグチ』は、元国際A級ライダーでもある原口さんの真心込もった接客と確かな技術が魅力。現役時代に培った技術と経験をフルに活かした対応で、“安心安全”なバイクライフを提案してくれると評判のショップだ。

INTERVIEW

バイク乗りのプロだからこそ提供できる
“豊富な知識と高い技術”が魅力

埼玉県鴻巣市にある『バイクショップ ハラグチ』は1985年に創業。以来、ずっと変わらない真心の込もった接客と確かな技術力が評判のショップだ。車両のラインナップは国内メーカーのバイクをメインに、原付やオフロード、ロードスポーツまでオールマイティーに展開。通勤・通学などのタウンユースから、アドベンチャーフィールドまで幅広くカバーしている。

 

「中学生のころからバイクに乗りたくて、高校に入学してすぐに免許を取りに行きました。当時は同世代でバイクに乗っている人も多かったので、とにかく楽しかったですね」

 

そう語るのは代表の原口衛(まもる)さん。16歳でモトクロスを始め、1979年に開催された全日本モトクロス選手権、エキスパートジュニア250ccクラスでチャンピオンに輝き、その翌年にモトクロス国際A級ライダーのライセンスを取得した。

 

「あの時は本当にうれしかったです。バイクに乗っていてよかったと心底感じた瞬間でしたね。おかげでレースは何歳になってもやめられません(笑)」

 

現役を退いた今でもマスターズやビンテージオフロードのレースへ積極的に参加。ライダーとしては今も現役だ。

 

1970年代後半から80年代にかけて、日本では空前のバイクブームが巻き起こった。バイクに乗るのが当たり前の時代で、モトクロスレースへの参加者も多かったそうだ。そうした環境の中で頂点に登り詰めることは容易ではなかったという。

 

「当時は悔しい思いをするたびに、“次はどうすれば勝てるのか”と自分でバイクをメンテナンスしていました」

 

勝つために試行錯誤を繰り返していたと語る原口さん。現在のショップには、その時に培った技術や経験が活かされている。

 

「例えば走りに違和感を覚える時、どの個所に原因があるのか分からない人がいると思います。そのような相談を受けた際、可能であればその車両に一度乗ってみるようにしていますね。長年バイクに乗ってきたからこそ、乗るだけで問題に気づけることもあるんです」

 

乗り手が危険にさらされる状況を未然に防ぐことも、ショップとしての大きな務めだという。数々のレースを経験し、バイクの楽しさだけではなく危険性も熟知している原口さんだからこそ、訪れるユーザーは安心して自分の愛車を預けていくのだ。

 

創業から約30年間、多くのユーザーに安心安全とバイクの楽しさを届けてきた。そして現在、新たに息子さんである原口秀斗(しゅうと)さんがスタッフに加わった。秀斗さんは約3年間滞在したアイルランドでの語学留学から帰国したばかり。それ以前はモトクロスのライダーとして活動。バイクのメンテナンスやリペア、チューニングの魅力に取り憑かれてメカニックに転身し、修行を積んだという優秀な人材だ。

 

「当時、僕はメカニックとして基本的に車両の修理、メインテナンスのみを担当していました。ですが、父は整備や修理、接客はもちろん仕入れまで、経営に関することはすべて一人でしているんです。とても尊敬しています」

 

大変そうなようすひとつ見せず、真剣にバイクと向き合う父親の姿に感化されてか、秀斗さんも自分にできることを模索しているという。

 

「今後は留学して身につけた英語力を活かして、今まで難しかった海外のメーカーへアプローチをしていきたいです。それに若いバイク好きの人たちとの交流も、もっと深めていきたいと思っています。でもまずは一日でも早く父に追いつけるように頑張ることですかね(笑)」

 

父と子、時には上司と部下…そして、ライダーとしての仲間でもある。お互いがライダーであるからこそできるサービスを提供し、ユーザーのバイクライフを末永くサポートしていくという二人のチャレンジは、まだスタートしたばかりだ。

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モトクロスレーシングチーム「チェッカーズ」、オフロードツーリングクラブ 「見聞走」(けんぶんそう)を主宰する同店。オフロードのイメージが強いが、ユーザーのニーズに合わせて豊富な車種を取りそろえている。その中でも代表の原口さんが好んで扱っているのが、“ホンダの技術の結晶”と呼ばれるロードスポーツCB系のモデルだ。自らもオンロード走行の際にはCBに乗っているという。

 

「このバイクは不思議だと乗るたびに思います。ビギナーにも扱いやすく、乗る楽しさを教えてくれるバイクですが、ベテランが乗るとまた違う奥深さがあるんです」

 

CBはライダーの要求に素直に応え、そっと寄り添うようなバイクだと語る。国産ならではのメンテナンスのしやすさも大きな魅力の一つだ。そのほか、原付スクーターから、大型ロードスポーツまでさまざまなモデルがそろう。また他にも、オンロードツーリングクラブ「風人」(はやと)も主宰し、ユーザーの生活に合ったバイクと楽しさを提供している。そして、店頭にない車両やパーツを取り寄せることも可能。アフターフォローも万全なので、購入後のバイクライフも心配無用だ。

 

ショップには多彩なオフロードモデルがズラリと並ぶ。ほかにもロードモデルやアメリカンバイクなど、バラエティ豊かな車両もストックされている。中古車は程度がよくピカピカ、どれもキレイに整備されている。

原口さんがオンロード走行をする際に乗っているというホンダのCB1100F。1100ccの空冷4ストローク並列4気筒エンジンを搭載。ゴールドのアルマイト加工を施したホイールが特徴だ。メンテナンスが隅々まで行き届いており、バイクに対する愛情が伝わってくる。

店内の一角に展示されていたホンダCR250は、原口さんが所有する一台。現在、この愛機を駆ってA.C.T.S.(Air Cooled Twin Shocks)主催のビンテージオフロードレースへ参戦している。

ショールームに隣接する広々としたファクトリースペース。スペアパーツやタイヤは天井のスペースを有効活用して収納。工具は作業しやすいように整理整頓が行き届いている。プロフェッショナルだからこその気配り。

ファクトリースペースにて作業をする原口さん。バイクを触れるのもライダーの楽しみの一つととらえているという。ユーザーからの要望があれば作業工程を一つひとつレクチャーすることも可能なのだそう。

ショップ内の壁に展示されたモトクロスジャージは、原口さんが現役時代に着用していたもの。無限MXレーシングのチームジャージをはじめ、レアなジャージが並ぶ。80年代のレトロなデザインがビンテージ感を盛り上げている。

ショップに設けられたリビングスペースの一角には、さりげなくトロフィーや盾、メダルが並んでいる。現役時代から今まで獲得した賞は数知れず、飾りきれないほどあるという。ショップには比較的近年の物をディスプレイ。

店内にあるアルバムを開くと、そこには数々のレースで表彰台に立った原口さんの姿が。写真は1979年、エキスパートジュニア250ccクラスでチャンピオンに輝いた時のものであり、このレースで優勝した原口さんは念願であった国際A級ライダーのライセンスを取得した。

原口さんが中学校3年生の夏休みに製作した、スズキRH250の模型。ボディはアルミ板、タイヤは石膏で作られており、細かいディテールも忠実に再現されている。若いころから抱いていたバイクに対する愛情と熱意を感じることのできる作品だ。

10受付カウンターの隣に設けられた店内の休憩スペース。本棚には、今はもう貴重になった一昔前のバイク雑誌やビデオが並び、訪れる人の多くがここでバイク談義に花を咲かせていくという。こういった楽しみ方ができるのも、歴史ある『バイクショップ ハラグチ』の魅力だ。


SHOP INFORMATION

(有)バイクショップ ハラグチ

住所/埼玉県鴻巣市滝馬室946-7
TEL/048-543-2303
FAX/048-543-2303
営業/10:00-20:00
定休/水曜日・第2火曜日
URL/公式ウェブサイトはこちら

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