『デュオサイクル』は広島市の中心部、じぞう通り沿いという、ハーレーダビッドソンの専門ショップとしては、ユニークな立地にある。よくある郊外の幹線道路沿いや工業地帯ではなく、大都市の中心部に定めたのには理由があった。

「これからハーレーに乗りたいと思っている人や、乗り始めたばかりの方にも、入りやすい雰囲気の敷居の低いお店にしたかったんです。敢えて町中に位置しているのは、目につきやすいところにあるので発見してもらえるし、平日でも気軽に買い物に来たついでに寄ってもらったり。それに町の人たちに、ハーレーを身近に感じてもらいたかったんです」

と語る代表の水野さん。開業時に建物を全面ガラス張りでポップな雰囲気に改装し、明るく爽やかなショールームを設けるなど、初心者でも入りやすい店舗に仕上げている。

そして『デュオサイクル』が開店当初から続けているのが、ショップ主催による定期的なイベントの開催だ。店長が主催する日帰りのツーリングを毎月1回、毎年7月には創立記念イベント、夏にはキャンプツーリングも行っている。ツーリングはビギナーがメインで、集団での走り方や注意などをレクチャーしながら安全第一で走る。ベテランがグループのサポートにまわるなど、ショップとカスタマー、そしてカスタマー同士が仲良くなって、より一層楽しく魅力あるイベントになっている。参加者の評判も上々で、毎回20?50台が集まる。それもあり同店には若いお客様が多く、他の店とは雰囲気が違うとよく言われるほど。

「これからハーレーに乗りたいと思う人のためのショップでありたいです」

ハーレーダビッドソンのあるライフスタイルを、高い技術力と厚いサービスでサポートする『デュオサイクル』。楽しいハーレーワールドの入り口に立つ人々の、背中を優しく押してくれる。

ガラス張りで外光が差し込む明るいショールームには、ハーレーダビッドソンの中古車が展示販売されている。『デュオサイクル』では販売するモデルを、エボリューションエンジンのビッグツインとスポーツスター、ツインカムエンジン搭載車を中心に幅広く在庫している。古いモデルに比べてメンテナンスフリーに近い高年式車両を揃えているので、ハーレーや大型バイクが初めてでも気楽に安心して乗ることができる。

ショールームの奥には談笑スペースもあり、ショップが街中にあることもあって気楽に立ち寄るお客さんも多い。時に入りづらいイメージのハーレーショップもあるが、『デュオサイクル』はポップで爽やかだ。

ショップでは2009年からドラッグレースに参戦しており、表彰台の常連。しかしハーレーの後輪に多い16インチホイール用で、ドラッグレースとストリートで使えるタイヤが無いことを嘆いていた。それまでは17か18インチ用の、レースとストリートで併用できるタイヤを使うためにホイールサイズを変更しなくてはならなかった。

ホイールを変更せずに使えるタイヤがあれば、ドラッグレースにも貢献できるだろうと、『シンコータイヤ』に16インチ用のドラッグレースタイヤの開発を依頼。出来上がったSHINKO STEALTH-D（150/80ZR16）タイヤ（右写真上から2枚目）は、スリックタイヤと違ってドラッグレースだけでなく、ストリートでも使えるのが大きなポイントだ。

ショールームから徒歩圏内に位置しているファクトリー。認証工場を取得しており、ツールや工作機械、パーツなどが整理整頓されたきれいなスペースだ。工場長をはじめ、専属メカニックの3人が点検、整備、修理、カスタムに、その技術力を日々発揮している。特に納車前の点検と整備はユーザーの安全と安心を考え、徹底的に行われる。ショップではユーザーと一緒にドラッグレースにも参戦しており、そのためのカスタムやレーサーの製作も行う。

また、街中にあるため、作業をするときには騒音が出ないように気をつけているという。広くて明るい清潔な作業スペースでは、順番待ちの車両が1台1台、順に仕上げられ、オーナーへ届けられていく。