神奈川県横浜市にある『HVファクトリー』は、ホンダのジャイロシリーズを専門に扱うカスタムショップ。ジャイロは“スリーター”の愛称を持つホンダの3輪スクーターで、積載時の安定性と安全性の高さから、生活、ビジネス、趣味など、さまざまなシーンで活躍している。その魅力に惹かれ、カスタムの製作するようになったというのがショップオーナーの岡村亮司さんだ。
「バイクに乗りはじめたのは高校生ぐらいの時。仕事に就く頃には乗らなくなってしまっていたんですが…。その後、クルマの板金塗装の仕事をするようになって、お客さんのところへ訪問した時にジャイロがあったんです。はじめて見た時に“こんなバイクがあったんだ!”と驚きました。ミニカー登録ができるのを知って、コレはおもしろいなー、と。それで自分でも作りたくなって、ジャイロを購入したんです」
ミニカーとは、原動機付きで3輪以上の自動車のこと。総排気量が20cc~50cc以下、輪距が0.5mを超えることなどの諸条件を満たすとミニカーとして登録できる。税金は多少上がってしまうが、2段階右折やヘルメット着用の義務はなく、法定速度は60km/hとなる。格段に使い勝手がよくなるため、自分用にカスタマイズを施してショップの前に停めていたところ、問い合わせがくるようになったという。
「店の前に置いていたら“これなんですか?”と聞かれるようになって、あれやあれやというウチに売れてしまいました(笑)」
やがて次々にオーダーが舞い込むようになり、3年後には仕事のほとんどがジャイロ関係になってしまったとか。現在は専門店となり、店内にはジャイロキャノピー、ジャイロX、ジャイロUPなど、ジャイロシリーズの在庫がズラリ。ホイールをはじめ、エアロパーツなどアクセサリーパーツのブランド『REBEL STREET(レベルストリート)』も展開している。ファクトリー内にペイントブースを設けており、オールペイントも可能だ。
「ビジネスで使われているユーザーさんが多いので、仕事上の必要に応じて、カスタムのオーダーもさまざまですね」
使いやすくて生活や仕事が楽しくなる車両をつくる。しかし、日常で使用するのにも耐える信頼性と安全性はスポイルしない。それがカスタムのモットーだ。
「オーナーさんが安全に安心して乗れることが第一条件です。実は以前、お客さんの依頼で、子どもを幼稚園に送迎するための車両を製作したことがあるんです。ボアアップして側車付軽二輪、いわゆるトライクとして登録すれば2人乗りができるし、クルマの免許でも乗れます。やっぱり子どもが乗るから、安心して乗れるようにこだわりましたね」
楽しく乗れるのはもちろんのこと。大切な人が乗るからこそ、乗り手の使い勝手だけではなく信頼性も高めたい…。そんなユーザー目線でのきめ細かい配慮がカスタムにも反映している。
「先日、女性がジャイロに木箱をくっつけてワンちゃんを載せている人を見かけたんですが…それがかわいかった! ジャイロユーザーの、D.I.Y.カスタムのアイディアには感心します。でも、自分が作るなら量産したいし、安全性も大切。まずは希望を聞いて、相談しながら実現できれるようにしていきたいですね」
それをなんとかカタチにしてあげたい、どうにか実現できないかと、試行錯誤する毎日だという。
「やってみたいのは移動販売とかのケータリング。タープをつけたりテーブルを置いたり、カフェっぽくするのもおもしろい。あと、キャンピングカーみたいな、アウトドアで遊べるバイクもつくってみたいですね」
働くバイクに遊ぶバイク、さまざまなシーンに似合う1台を提案したい…。それが新たな創作へのモチベーションになっている。
『HVファクトリー』はジャイロキャノピー、ジャイロUP、ジャイロXなどジャイロシリーズの車両販売をはじめ、整備、点検、フルカスタムも手がけている。ホイールやエアロパーツ、カスタムアクセサリーのブランド『レベルストリート』も展開中だ。また、ファクトリー内に大規模な塗装ブースを完備しており、オールペイントも可能。ホイールの塗装やシートの張り替えなど、細部のディテールのつくりこみにも対応してくれる。
店内にはカスタム車両はもちろん、ノーマルのベース車両を多数展示。ペイントとシート張り替えのセットプランなど、お得なカスタムメニューもあるので現車を見ながらカスタムの相談ができる。ケータリングサービスや移動販売業のビジネスサポートも行なっており、オリジナル仕様のジャイロキャノピーのプランニングをしてくれるので、仕事に導入を考えている人は相談してみよう。
HVファクトリー
住所/神奈川県横浜市鶴見区駒岡2‐10‐8
TEL/045-211-9339
FAX/045-211-9338
営業/10:00-20:00
定休/水曜日
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