掲載日:2015年09月11日 トピックス
写真・文/田中 宏亮
生まれも育ちも沖縄というYUMIさん、一時期はブームの影響もあってビッグスクーターに乗っていた時期もあったが、働くようになってからはクルマがある生活へとシフトしていった。
「昔からビンテージなものが好きで、それでクルマはクラシックミニなんです。今も大切に乗っていますよ」
そんなYUMIさんに新たなバイクライフを吹き込んだのは、運命の出会いから。愛車のミニにピンストライプを描いてもらおうと訪れた沖縄のピンストライパーとの付き合いがはじまり、その彼がハーレーダビッドソン 1977 ショベルに乗っていたことがキッカケとなったのである。
久々に触れたバイクは、YUMIさんが愛してやまないビンテージな世界観を色濃く持ち合わせたものだった。とはいえ、そのまま彼と同じハーレーでは面白くない。以前のバイクライフとは異なる世界で、自分に合った一台を探す日々がはじまった。そんな折り、彼が尊敬してやまない東京のカスタムショップ『ブラットスタイル』の名が飛び出したのだ。
「ブラットスタイルが手がけたバイクを見て、"これだ!"って思ったんです。もう、ひとめ惚れでしたね。ビルダー高嶺剛さんが沖縄出身と聞いて、"ここに頼むしかない"って決心したんです」
2014年12月のヨコハマ・ホットロッドカスタムショー訪問に先駆けてブラットスタイルを訪れ、ちょうどアメリカから一時帰国していた高嶺さんに会えたYUMIさん。その場では詳細を詰めずオファーのみにとどめ、そこから沖縄~東京間でやり取りをしながらプランを立てていった。当初は比較的ライトなメニューでまとめる予定だったが、「せっかくブラットスタイルに作ってもらうのだから、やれるところまでやりきろう」と、思いつくメニューをすべて投入。YUMIさんが思い描く独自のエッセンスが吹き込まれた、ブラットスタイルらしいSR500が完成したのである。
「途中経過の写真を見せてもらっていましたが、実物を前にすると、"本当にこれが私のバイク?"って思うほど驚きでいっぱいでした。私が思い描いていた以上の質感、完成度で、もう言うことはありません!」
沖縄を走り回るのが待ちきれないというYUMIさん。新たな相棒を手に入れ、次はさらなるカスタム、そして沖縄を囲む海を越えた遥か先へと走りに行きたいという。情熱的な新しいオーナーのもとへとやってきたSR500は、これから未知なる世界へと走り出していく。