ホンダ・CB-Fヒストリー1979年編/新時代の世界旗艦として思想を一新し作製

掲載日:2018年09月20日 トピックス    

写真・文/ロードライダー編集部  記事提供/ロードライダー編集部
※この記事は「ロードライダー vol.414」に掲載された内容を再編集したものです。

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日米欧に展開したホンダCB-Fシリーズの歴史
1979年型の900Fと750Fが発売された経緯とは

1960~1970年代当時から世界最大のバイク市場だった北米市場。ここに1960年代末に投入された4気筒736ccのCB750Four(K)の成功によって、日本製並列4気筒大排気量スポーツというジャンルが確立する。以来10年、ホンダはシェアが伸び悩んでいたヨーロッパ市場をターゲットとして、欧州戦略車両開発計画「ノルマンディ上陸作戦」を企画する。

CB750Fourをさらに上回る6気筒1,047ccのCBX(1000)とともにその中核となったのが、1979年型CB900FZ(SC01。64.5×69mm、901.8cc)に始まるCB-Fシリーズだった。同年6月には当時自主規制で750ccが上限となっていた日本でも、CB750FZ(RC04。62×62mm、748.7cc)が先陣として発売される。

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CB750Fz(日本)■ホイール 2.15-19/2.15-18:コムスター ■フロントフォーク φ35mm 正立/フォークオフセット45mm ■キャスター 27度30分/トレール 117mm ■初の空冷DOHC4バルブヘッドエンジン ※以下変遷は日本仕様750Fを主に記した

CB-Fは車名としてはCB750F、CB900F、CB1100Fだが、当時は年度ごとに多くの改良も行われていた。一方で年式識別のため1979年型を“Z”とするメーカーの市販コードがあり、CB-FのZコードということで1979年型CB900/750Fを“FZ”と呼ぶのが通例化している。以下1980年型はFA、1981年型はFB、1982年型はFC、1984年型(900/1100のみ)はFDとなる。そのためこの項の車名見出しはFzのようにコードを小書きした。

CB750Fのエンジン自体は1969~1977CB750Four(K1~K7)を1978年12月にフルチェンジしDOHC化/4バルブ化を行った1978CB750K(RC01)で先行お目見えしていて、これを900FZのスタイルに組み合わせたモデルとも言える。

車体はダブルクレードルフレームにφ35mmフォーク/FVQリアサス(日本仕様は初期荷重と伸/圧減衰調整可能)、2.15-19/2.15-18インチの新作コムスターホイールを組み合わせる。CB750FZはこの日本仕様と、ハンドルがバーで手前に引かれ、リアサス初期荷重のみ調整可能な北米仕様を展開した。

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1979 CB900Fz(欧州)/ノルマンディ上陸作戦に沿って、欧州で好まれるような美術品や調度品の意匠を採り入れたデザインスケッチが先行。そのうち、排気系以外をそのデザインにほぼ沿わせたデザインで、1979CB900FZは登場した。排気量、またシリンダーサイズ(幅は同じだが900Fは750Fより7mm厚く、フィンも1枚多い8枚。排気量は750Fのφ62×62mmに対しφ64.5×69mm)が異なる。4軸配置やA2017アルミ材鍛造セパレートハンドル(900Fは位置調整機能あり)や2.15-19/2.15-18アルミコムスターホイール、。Fφ276mmディスク+片押し1ピストンキャリパー等は同じ。

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10年展開してきた偉大な先代、CB750Four(K)をどう変えるか。2~3気筒でOHVが主だった頃に4気筒736ccでSOHCヘッド、67psで作られた1969CB750Four。大人気となったこの先代CBをいかに超えるか、変えるか。欧州の美術品や伝統ブランド品、調度品を多く見て、シャープで流れるようなデザインに昇華させていった。

CB-F/Rの年式コード
FZ=1979
FA=1980
FB/RB=1981
FC/RC=1982
FD/RD=1983

当時のホンダの年式コード、Z/A/B/C/Dと年度の対応は左表の通り。一方で当時、ホンダは社内で排気量区分とモデルで型式を付けるようになったが、その型式はCB750FがRC04、CB900FがSC01、CB900F2BがSC09。CB1100RBがSC05、同RC/RDがSC08でCB1100FがSC11だ。

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