ヤマハ・コミュニケーションプラザ 歴史車輌デモ走行見学会2016

掲載日:2016年11月16日 トピックス    

取材・写真・文/木村 圭吾  取材協力/ヤマハコミュニケーションプラザ

展示スペースには、多くの見学者の方々の姿が。左手に見えるのが、テストコースのストレート部分。

美しい秋晴れの元で輝く
ヤマハの歴代名車たち

2016年11月5日に「ヤマハ・コミュニケーションプラザ 歴史車両デモ走行見学会2016」が静岡県袋井市のヤマハ袋井テストコースで開催されました。その名のとおり、ヒストリックモデルを中心としたヤマハの収蔵車両の走っている姿が見られる催しです。本来は「動態保存」と言い、収蔵車両が走行可能なコンディションかどうかの確認作業のために行なわれていましたが、一般の方から見学希望の声が高まったために、イベントとして行われるようになりました。

前回は2008年に実施され、約1,400人の来場者が集まりました。ヤマハの名車たちが走る姿を間近に見られることに加え、レーシングマシンから市販車まで、数々のヤマハのバイクの生まれ故郷でもある「袋井テストコース」に入れることも、多くのファンを惹き付けた要因だと思います。

8年ぶりの開催となった今回は、絶好の秋晴れに恵まれ、約3,000人ものファンが訪れました。予想以上の来場者数となったため、当初は1度だけだった走行披露が2度開催されたほどでした。青空の元に並んだ収蔵車両は、まるで時間が止まったのかと感じるほどに、当時の美しい状態が保たれていて、懐かしんだり初めて見る実車に驚きの声を上げたりと、幅広い世代の人が楽しんでいました。

さらに、走行披露ではマフラーから奏でられるエキゾーストノートや、2サイクルモデルの吐き出す白煙とオイルが燃える匂いなど、視覚以外の感覚でも名車を堪能することができるのがこのイベントの魅力です。車両が目の前を駆け抜けるたびに、多くのシャッター音と感嘆の声を上がっていたのが印象的でした。

「動く姿を見て貰い、バイク文化を後世に伝えていく」。このイベントには、そんなヤマハの想いが込められているのかもしれません。夕暮れの陽が当たって輝くHT-1のタンクを見ながら、そんなことを考えたイベントでした。

フォトTOPICS(写真点数/17枚)

01左から、ポップギャル(1982年)、ベルーガ(81年)、パッソル(77年)。パッソルは当初は跨がらないで乗れるスタイルで、後にスクーターの範疇に。ポップギャルは女性向けのアメリカンスタイルの原付で、タコメーターっぽい部分は小物入れで、蓋の裏側は鏡になっていました。

02XT500(1976年)。当時発売されていた中では国産では最大の排気量を持った4サイクル単気筒。これをベースにして作られたのがSR500で、弟分のSR400はインジェクション化されて現行モデルになっています。

03「レジャーバイク」というカテゴリーを形成したのが左のチャッピー(1973年)、ジッピー(同)。従来のバイクとは少々異なるスタイルに、オフロード走行を意識した太めのタイヤが特色。ジッピーの右隣にあるのはGT50(72年)で、「バイクらしい」姿を持ち「ミニトレ」の愛称で親しまれ、ロングセラーにもなりました。

04SC-1(1960年)。マジェスティの御先祖様的なモデル(排気量は175cc)。国内では昭和30年代にスクーターがブームになっており、富士重工のラビットや三菱重工のシルバーピジョンなどが著名。

05YDS-1 Asama Spec(1959年)。市販スポーツモデルYDS-1をベースに、大型の燃料タンクなどのキットパーツを装着したクラブマンレーサーの浅間火山レース仕様。

06左がR1-Z(1990年)、右がSDR(87年)。SDRはトラスフレームにDT200R用のエンジンをチューンして搭載したライトウエイトスポーツ。

07右のRZ250(1980年)頃からバイクブームが始まり、1983年頃からのレーサーレプリカブームでバイク熱が一気に加熱していった時代のマシンたち。中央はFZ400R(84年)で400ccの本格的なレーサーレプリカ。左はRZV500R(84年)で、2ストローク4気筒500ccエンジンを搭載しています。

08開場時間は予定よりも30分ほど早められ、続々と来場者の車両(バイクはテストコース内に駐車可能)がやってきました。

09来場者には今回のイベントを記念したステッカーがプレゼントされました。初の市販車となったYA-1が描かれており、基調となっているカラーも、その車体色をイメージしています。

10オン、オフの歴代のレーシングマシンも展示されており、さまざまな角度から見られる絶好のチャンス。ということで、その姿をカメラに収める方々の姿も多数見受けられました。

11ヤマハ初となる予定だった市販四輪車OX99-11(1992年)のエンジンも間近で見られました。F1用のV型12気筒3,500ccだそうで、ボディにはカーボン素材も多用されています。

12ライダーを務めた方々のツナギの右腕には、ステッカーと同デザインのワッペンが。このツナギが当日の休日出勤手当(現物支給)というウワサも……。

13記者の目の前を走り抜けたOX99-11。エキゾーストノートと共に受けた迫力で、チビるかと思いました。

14快晴の袋井テストコースをヒストリックモデル達が走行を披露。気分的にはパイロンで折り返さずに、そのまま走り抜けたいのでしょうね。

15たいぶ陽が西の空に傾きかけた頃、急遽行われることになった第2セッションのため、一部の車両のエンジンに再び火が入れられました。あたりに漂う白煙とオイルが燃える匂いと、見守るライダー役の方々。

16全員ではありませんが、ライダー及びドライバーの方々の集合写真。市販車両をライドされた揃いのツナギの方々はヤマハの社員で自ら応募したボランティア。中には今年入社の社員も参加して、バイクの方が年上だったケースも少なくなかったようです。

17夕暮れに染まるタンクが美しかった。来年以降の開催は未定とのことですが、またこういう機会を作っていただけることを熱望します。

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