働くバイクはいろいろ! トンネル内の緊急事態に現場へ急行/首都高パトロール バイク隊 黄バイ 前編

掲載日:2018年07月19日 トピックス    

取材協力:首都高パトロール株式会社、首都高速道路株式会社
文/池田大二郎 写真/長谷川徹
記事提供/バイクブロス編集部
※この記事は『BikeBros.平成三十年上期編』に掲載された内容を再編集したものです。

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このバイクをご存知だろうか? パトランプや装備など、一見すると警視庁の白バイ関連のモデルと思うライダーも多いのでは。今回紹介する「働くバイク」は通称「黄バイ」と呼ばれる一台。首都高パトロールのバイク隊の活躍を紹介しよう。

民間企業として日本で初
緊急指定を受けた「黄バイ」

首都高パトロール株式会社は、首都高速道路株式会社のグループ会社のひとつ。主な業務は首都高速の安全を「より安全に」「より的確に」「より迅速に」を掛け声に、日々首都高速の安全走行を守る為に活動している。

そしてここに大きく掲載されている一台も、首都高パトロール株式会社 西東京事業本部に所属する「バイク隊」のマシン。民間企業として日本で初めて緊急指定を受けた二輪車だ。今回は首都高速の安全を守る通称「黄バイ」の車両、装備、勤務内容をお届けする。

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首都高パトロールの基本業務をまずは紹介する。首都高速管内3箇所にある交通管制室においてお客様に最新情報を提供する「交通管制業務」。定期的に全線を巡回監視し交通事故、故障車、落下物等異常事態の発生に対応する「巡回業務」。特殊な車両を使用して交通事故で大きく破損した車両や、故障車両の緊急排除を行う「特殊車両運用業務」。警察、消防等と連携して道路法違反車両に対する取締り、重量違反車両に対する指導・警告を実施する「取締業務」などが主な業務だ。

そして今回紹介する黄バイ。首都高速の中央環状山手トンネルという限られた区域を専用とし、トンネル内の緊急事態発生時の迅速な安全活動を行う業務が「バイク隊」だ。

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バイク隊の拠点は3ヶ所、活動区域はC2トンネルとなっている。

長大トンネルにおける緊急時や渋滞の中でも、機動性が高くお客様の安全の確保に迅速に対応するため、性能と機動性のバランスを考えCB400SB・400㏄の自動二輪車を採用。民間企業として日本で初めて緊急指定を受けた二輪車となった。

黄バイの連絡・出動拠点は
大橋ジャンクションの中に

「バイク隊」の説明をする。平成19年「山手トンネル」開通と同時に登場。現在では全長18.2㎞の安全を24時間365日、隊員数52人(49ライダー/3名事務員)で守っている。27~53才の年齢で構成され平均年齢は37才。基本業務経験となる4輪の巡回業務3年以上を基本としバイク隊へ志願により、黄バイ・ライダーとなる。

社内制度として2輪免許取得支援があるのも興味深いところだ。基本勤務パターンは5交代制。10名が5ペアとなり3ペアがバイク、2ペアが車に。黄バイは、山手トンネルの入り口となる志村基地(埼玉方面)と大井基地(神奈川方面)というトンネル両端に待機所を構えて、その中間にある大橋ジャンクションの中にバイク隊がある。

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大橋ジャンクション内に「首都高パトロール 西東京事業本部 バイク隊」が出動に備え待機している。1階の黄バイへ降りるエレベーターの設定は、常に待機階フロアに戻るようになっており出動から現場到着までのロスを抑えている。

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大橋ジャンクション内部。奥が3号渋谷線への出入口。左側が黄バイ待機場所でセンターライン付近の四角いコマが停車、乗車、発進位置というルールになっている。他、ガレージ内では跨らないなどのルールが。

そうあのグルグル回る大橋ジャンクションには、首都高パトロールバイク隊の運営&出動拠点にもなっていて、先ほど述べたバイク隊の3ペアは、志村基地、大橋ジャンクション、大井基地の3か所で緊急事態に備えて待機しているのだ。

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待機中の車両は常に充電をしている。普通のバイクに比べ消費電力が高く、緊急出動では時間的状況は未知数だからだ。奥の緑カゴには、車両ごとに分けられた通信機器が分配されており、すぐに出動できる体制が整っている。

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首都高パトロール株式会社のバイク隊があるのは「大橋ジャンクション」の中心部。じつはあのグルグルした分岐の中心に拠点があるのだ。このジャンクションはバイク隊の業務区間である山手トンネルの中間地点にあり、対応拠点として機能している。「大橋ジャンクション」を外から見てみると、巨大コンクリートの圧巻的スケール。場所は東急田園都市線「池尻大橋駅」より徒歩5分。目黒区立の公園も敷設。巨大建造物が好きなオジサンにお勧めだ。

首都高速で最も長いトンネル区間、休日の渋滞など、どこで何が発生するか21パターンで緊急時を想定し3カ所の出動拠点からの出動、対応に備えている。いち早く現場に到着し、交通整理を行うと共に、お客様を安全な場所に避難誘導、初期消火などに対応する為だ。平常時でも、交通事故、故障車などの事象が発生した際には、現場に急行し、二次事故を防止するため交通誘導と情報収集を行い管制室へ報告を行うなどの活動をしている。

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