バイクをズバっと“言い”斬り!/KTM 7車種をひと言インプレ!!

掲載日:2018年08月16日 トピックス    

まとめ/宮崎正行 写真/柴田直行、関野 温、富樫秀明、徳永 茂、野岸“ねぎ”泰之、長谷川徹、渕本智信、真弓悟史、山家健一
記事提供/BikeBros.2018編集部
※この記事は『BikeBros.平成三十年上期編』に掲載された内容を再編集したものです。

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※個々に記された車両スペックは、ベースグレード(最低価格)のもので表記統一しております(車重についてもメーカー表記に準じます)。生産終了車につきまして市中の新車在庫が確認できたものに関しては掲載しております。また、掲載されている車種は一部に旧年式モデルを含みます。
テストライダー:青木タカオ/小川浩康/小松男/佐川健太郎/櫻井伸樹/鈴木大五郎/田宮 徹/中村友彦/成田恒一/野岸“ねぎ”泰之/堀田 修/松井 勉/宮崎正行/吉友寿夫/和歌山利宏/渡辺学

これからの動向が注目されているKTMの
ニューモデルを一気にひと言インプレ

ニューモデルラッシュが続きにわかに活況を呈してきた2018年の国内モーターシーン。インプレをまとめて読んで、次の新車購入の参考にしたい!」そんな読者の声に直球で応え、国内外のニューモデルを取り揃えて「気になるアイツはこんなヤツ!」と言い切る試乗インプレ記事をズラリ掲載!

今回はKTMをひと言インプレ。全面刷新された790デュークをはじめ、意欲的なバリエーション展開で次々とニューモデルを投入するオーストリアのKTM社。「READY TO RACE」を社是にすることでスポーツモデルをマシンコンセプトの中心に据えてきた。ここ日本での知名度も年を追うごとに高まってきており、これからの動向が常に注目されている成長株のメーカーである。

KTM 1290 SUPER DUKE R
車体の高いフレキシビリティと抜群のスポーツライドに驚かされた

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市街地ではライダーのスロットル操作に素直にスムーズに応えてくれるし、WP製の前後サスはギャップをきれいに吸収し乗り心地が良い。先代よりやや低く幅が広くなったハンドルバー、シート、ステップが作るポジションも絶妙だ。毎日でも乗りたくなるとっつきやすさは、ツーリングでも素晴らしい相棒になることだろう。

まずスロットルを絞り開けると、強烈な加速が始まる。前輪は地面を離れるが、その様子はまるで大型機の離陸のようにスムーズで、アンチウイリー制御も加速をぶつ切りにせず、スムーズな介入でやる気に水を注さない。旋回時の安定感、脱出加速の盛り上がりは、ストリートでもサーキットでも病みつきになってしまうホットなクロスオーバーモデルだ。

SPEC/1,301cc 195kg 199万9,000円

KTM 790DUKE
KTM初の並列ツインエンジン搭載、ここから始まるNEW KTM WORLD

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新しいデュークは従来のトレリスフレームではなく、ブリッジタイプのフレームを採用し、外観パーツとして機能するアルミダイキャスト製サブフレームを使う設計となった。そこに新設計の並列2気筒エンジンを、前輪分担荷重のおいしいところに配置。兄貴たちVツインのようなリアシリンダーや排気系がないから、エンジンとスイングアームの間に大きな排気チャンバーをうまくレイアウトできている。

エンジン音は1290に似た乾いた音色だ。上半身はコンパクトにバイクとフィットし、後退したステップとともに加速も高速走行もこなしやすいポジション。これは遊べる「100馬力」である。腕前を問わず、“刺激”以上、“過激”未満を探しているなら、ぜひオススメの1台だろう。

SPEC/799cc 169kg 112万9,000円

KTM 1290 SUPER ADVENTURE R
ダートフィールドで心に炎を灯す最高峰アドベンチャー

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1290 スーパーアドベンチャー Rは前後220mmのストロークを持つサスペンションと、フロント21インチ、リア18インチというオフロード向けの足まわりが一番の特徴だ。

その他にも電子制御によるコーナリングABSやライディングモード、トラクションコントロールを装備する。ガソリン満タンで240kg弱の車重ながら、動き出しからライダーとのフィット感が良好。スペックから想像するよりはるかに扱いやすいエンジンは、微細なスロットル開度からスムーズにパワーを提供し、路面をかっぽじるような野蛮さは微塵もない。

オフロードモデルに精通したKTMらしさは、このビッグアドベンチャーであっても何も変わらない。オフロードクラス・ナンバー1、これが1290アドベンチャーRの正体である。

SPEC/1,301cc 217kg 210万円

KTM 1090 ADVENTURE
ボディサイズが日本人と日本の道にジャストフィット!

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1290スーパーアドベンチャーRに比べると、圧倒的な軽さを感じる。前後タイヤはロード寄りで、フロントタイヤも19インチとダートでの走破性は期待していなかったものの、予想よりもずっと快適なものだった。ブロックタイヤを履かせればもっと楽しくなるはず。

トラクションコントロールやABSが助けてくれるので、ビギナーでも林道を通過するだけなら問題ないだろう。ただし泥が多い道だと苦労しそうだけど……。そういう場所では無理せず、ゆっくり行きたい。高速やワインディングロードでは、軽快さとパワフルさのバランスが良好なので、とても楽しく移動ができると思う。日本人の小柄な体格にもこちらが合っているような気がする。

SPEC/1,050cc 205kg 147万9,000円

KTM 390DUKE
尖ったルックスに秘めた“バイクの理想”を前進

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125から3倍、200からは2倍の排気量のエンジンを、先の2台と同じシャシーに搭載する390DUKEへの「かなりやんちゃなのでは?」という事前イメージは覆された。危なっかしさは皆無で、バランスのよくとれた痛快なマシンに仕上がっていたのだ。

エアボックス容量がアップしたことでトルクが増している44psのパワフルなエンジンを堪能しつつ、街の流れを一歩も二歩もリードするこができるのは愉快だし、ワインディングではシフトを操りながらいいペースを守ることがだって難なくできる。

回しきれるエンジンの感覚が新鮮で楽しい390DUKE、一見じゃじゃ馬、内容はきっちりバランス。バイク本来の楽しさが詰まっている1台だ。

SPEC/373.2cc 149kg 62万円

KTM 250DUKE
軽量コンパクトな車体から生み出される鋭く快活な走り

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新型250デュークは、ストリートユースをメインとしながら時々ツーリングに出かけ、ワインディングも楽しむという、どのシチュエーションもカバーできる特性がある。排気音はシングルらしい歯切れの良い音だ。このたびマネジメントを進化させており、どの回転域からでもしっかりと右手のスロットル操作に合わせてパワーを引き出してくれるようになった。

コーナリングでは、高い速度から一気に減速するような場面でも、フロントタイヤがしっかり路面に食いつくため安心感が高いのがうれしい。荷物を満載してロングツーリングに行くもよし、スポーツライディングに目覚めたらワンメイクレースに出てみるのもいいだろう。使い方は無限だ。

SPEC/248.8cc 147kg 57万円

KTM 125DUKE
クラスレスを地で行くハイパフォーマンス小型モデル

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2017年モデルで一層のクオリティアップを図った125デュークのコンセプトは「野獣の卵」。フルカラーTFT液晶ディスプレイは視認性に優れ、ヘッドライトやウインカーなどはLEDを採用、さらにABSも標準装着されているという徹底ぶりだ。小型二輪という枠組みを超えた充実の装備は、きっとオーナーの所有欲を満たしてくれるだろう。

ユーロ4に合わせてサイレンサーも大幅にデザイン変更された。走らせてみると、オーバースペックともいえるシャシーや足まわりによって、高速コーナーからヘアピンまで好きなラインを走らせられる。単なる道具ではなくて、趣味性の高いモーターサイクルとして、さらなる一歩を踏み出すことができる新モデルだ。

SPEC/124.7cc 137kg 51万円

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