バイクをズバっと“言い”斬り!/スモール&ビッグ・アドベンチャー、8車種をひと言インプレ!!

掲載日:2018年07月26日 トピックス    

まとめ/宮崎正行 写真/柴田直行、関野温、富樫秀明、徳永 茂、野岸“ねぎ”泰之、長谷川徹、渕本智信、真弓悟史、山家健一 記事提供/BikeBros.2018編集部
※この記事は『BikeBros.平成三十年上期編』に掲載された内容を再編集したものです。

バイクをズバっと“言い”斬り!/スモール&ビッグ・アドベンチャー、8車種をひと言インプレ!!の画像

※個々に記された車両スペックは、ベースグレード(最低価格)のもので表記統一しております(車重についてもメーカー表記に準じます)。生産終了車につきまして市中の新車在庫が確認できたものに関しては掲載しております。また、掲載されている車種は一部に旧年式モデルを含みます。
テストライダー:青木タカオ/小川浩康/小松男/佐川健太郎/櫻井伸樹/鈴木大五郎/田宮徹/中村友彦/成田恒一/野岸“ねぎ”泰之/堀田修/松井勉/宮崎正行/吉友寿夫/和歌山利宏/渡辺学

スモール&ビッグ・アドベンチャーの
ニューモデルを一気にひと言インプレ

ニューモデルラッシュが続きにわかに活況を呈してきた2018年の国内モーターシーン。インプレをまとめて読んで、次の新車購入の参考にしたい!」そんな読者の声に直球で応え、国内外のニューモデルを取り揃えて「気になるアイツはこんなヤツ!」と言い切る試乗インプレ記事をズラリ掲載!

ヨーロッパでの定番人気に反して、ここ日本では長らく不遇の時代が続いたアドベンチャーモデル。しかしひとたび火が着けば ご覧の通りの人気カテゴリーに成長し、排気量もバリエーションもがぜん増えた次第。あなたのモーターサイクルライフにピッタリなモデルはメガクラス? ミドルクラス? 250クラス? それとも……。

HONDA AFRICATWIN
見事な復活を遂げた新世代ホンダの冒険マシン

バイクをズバっと“言い”斬り!/スモール&ビッグ・アドベンチャー、8車種をひと言インプレ!!の画像

「やっぱり大きいなあ」で始まった試乗だが、馴染みのあるオフロードバイクの乗り心地でイメージが一新された。身長170cmのテスターは両足ともにしっかり地面に着き、足を前後に動かすことも支障がなくスムーズだ。ハンドルポジションは、大型バイクにありがちな高さや遠さを感じることもなく、サイドスタンドも跨ったままで出し入れが容易になっている。

林道ではトラコンをオフにすることなく、強さを3段階で切り替えることで、滑らせないステディな走りから程よく滑らせるアクティブな走りまで楽しむことができた。ライポジはもちろんメーターやスイッチ類まで、人間工学を駆使して考え尽くされた設計にホンダの魅力を感じてしまう。

SPEC/998cc 253kg 165万9,960円

SUZUKI V-STROM1000XT ABS
高速を走り、峠を抜け、林道を走破する!

バイクをズバっと“言い”斬り!/スモール&ビッグ・アドベンチャー、8車種をひと言インプレ!!の画像

怒涛のパワーで加速感はこれまで乗ってきたバイクで一番。タンクまわりが太く車種もあるが、フロントタイヤの接地感があってフレームもパワーを受け止めてくれるので、ダートでのマシンコントロールもニュートラルにできる。アクセルを開けたぶんだけワイヤースポークホイールもシビアに働いてくれるので、トラクション性はかなりいいだろう。

地図に載っているようなフラットな林道ならだいたい走破できると思う。エンジンパワーを存分に体感できるのは高速道路とワインディングロード。コーナー立ち上がりの加速は痛快で、ロードスポーツ並みのコーナリングを決めることができる。アドベンチャーモデル“らしい”走りが身上だ。

SPEC/1,036cc 233kg 144万7,200円

SUZUKI V-STROM650XT ABS
全面刷新でアドベンチャーモデルらしい走破力を獲得

バイクをズバっと“言い”斬り!/スモール&ビッグ・アドベンチャー、8車種をひと言インプレ!!の画像

ヨーロッパでの人気が先行するVストロームがモデルチェンジし、スタイリングとエンジンなどに変更を受けた。

ロードモデルSV650のVツインをベースに、スズキ独自のめっきシリンダーやレジンコートが施されたピストンなど60点以上の箇所を改良。フューエルインジェクションの制御も緻密化され、出力も3psほどアップした。

3モードのトラコンも新たに装備し、舗装路とダートの両方での走破性を高めている。ワインディングでは積極的に車体が寝かし込みやすく、切り返しもヒラヒラとコーナリングが存外に楽しい。またダートでのトラコンの介入が絶妙で、低回転からの豊かなトルクもあって予想以上のグリップ力を発揮してくれるのだ。

SPEC/645cc 215kg 95万400円

HONDA 400X
ジャストなサイズ感とナチュラルな柔軟性

バイクをズバっと“言い”斬り!/スモール&ビッグ・アドベンチャー、8車種をひと言インプレ!!の画像

見た目はリッタークラスのアドベンチャーに負けないくらい立派だが、ひとたび跨れば車体は意外にコンパクトに感じるクロスオーバーモデルの400X。ワインディングロードでは低中速のパルス感よりも、じつは高回転域の方がおいしいようだ。

1万回転からレッドゾーンに入るが、9,000回転あたりまでの加速感と排気音はまるで4気筒のような滑らかなフィーリングになり、じつに気持ちがいい。400ccという中間排気量と日本人にジャストサイズな車格で、オフもそこそこ行ける性能を持っている。

アドベンチャーモデルとは似てはいるが、その絶妙なバランス感こそがホンダ独自のクロスオーバーコンセプトなのかもしれない。「足るを知る」モデルである。

SPEC/124cc 107kg 43万2,000円

HONDA X-ADV
ホンダが提唱するアドベンチャーの新しいカタチ

バイクをズバっと“言い”斬り!/スモール&ビッグ・アドベンチャー、8車種をひと言インプレ!!の画像

X-ADVはNC750S/Xを基本にスクータータイプとしたインテグラを、アドベンチャースタイルに仕立て上げたモデルだ。

足着きはビッグスクーターとしては並みの水準で、ワイドに開いたハンドルグリップに手を伸ばすと、普通のスクーターでは得られないアグレッシブなポジションになるので、走り出してもタイトに向きを変えることをスポーツとして楽しめる。

54psを発揮するエンジンはあらゆる場面で力強くレスポンスしてくれるし、DCTの進化も強く感じられた。コーナーの旋回でも操る面白さがあるので、不意に未舗装路が現れたときに普通のスクーターだったら悪戦苦闘しかねないところでも、このX-ADVなら慌てることはないだろう。

SPEC/745cc 238kg 123万6,600円

KAWASAKI VERSYS-X 250
パラレルツインエンジン搭載の快速アドベンチャー

バイクをズバっと“言い”斬り!/スモール&ビッグ・アドベンチャー、8車種をひと言インプレ!!の画像

KLX125以来7年ぶりのニューモデル、ヴェルシスXのエンジンはニンジャ250のものがベースとなっているものの、ダートでの扱いやすさと高速巡航性能の両立を狙って低中速トルクを増強しつつ、高回転までスムーズな特性へとチューニングされている。

250トレールとしては稀なパラレルツインを搭載していることもあって、車格はミドルクラスに迫るほどの大柄に。しかしシート高は815mmとヤマハ・セロー250よりも低く抑えられているから、足着きは良好だ。

ライディングポジションも自然にアップライトに決まるディメンションになっているので、乗っては見た目ほど大きさを感じないだろう。冒険心に応えてくれるアドベンチャーモデルだ。

SPEC/248cc 175kg 62万9,640円

HONDA CRF250RALLY
より遠くへ、より快適に移動できるダカール・レプリカ

バイクをズバっと“言い”斬り!/スモール&ビッグ・アドベンチャー、8車種をひと言インプレ!!の画像

24psの水冷単気筒エンジンは高速巡航で物足りなさを感じる瞬間もあるけれど、高回転までスムーズに回り、オフロードバイクとしては特筆すべき振動の少なさとなっている。

ワークスマシンの設計ノウハウを活かしたカウル形状は、オフロードバイクらしいアップライトでリラックスできるライディングポジションをとっていても、抜群の防風効果を発揮する。新開発の前後サスペンションは、初期の作動性を向上しつつ、高剛性化で適度に引き締まったフラットな乗り心地を実現。

オフモデルながら、高速道路でオンロードツアラー並みの快適性を保持している。オフロード走破性と高速巡航性能の両立、ラリーを戦うために欠かせない要素だ。

SPEC/249cc 155kg 64万8,000円

SUZUKI V-STROM250 ABS
どこへでも行ける等身大アドベンチャーモデル

バイクをズバっと“言い”斬り!/スモール&ビッグ・アドベンチャー、8車種をひと言インプレ!!の画像

跨ってみるとまず抜群の足着きを体感できる。シート高800mmはセロー250よりも30mm低く、容量17.を確保したビッグタンクはニーグリップ部分がえぐられた形状となっているので、リラックスしたポジションがスッと決まる。スリムな車体幅は車体をコンパクトに感じさせるのだ。

エンジンは低中速トルクを重点的に増強しており、アイドリングからの2速発進も余裕でできてしまうので、ゴー&ストップの多い市街地ではなんとも心強い。高速道路では優れたウインドプロテクションと、フラットな乗り心地でいつまでも走り続けられそうだ。ワインディングでは軽快そのもの、ダートも難なくこなしてしまう全方位なアドベンチャーモデルである。

SPEC/248cc 188kg 57万240円

こちらの記事もおすすめです

この記事に関連するキーワード

新着記事

タグで検索