バイクをズバっと“言い”斬り!/スポーツネイキッド & スポーツツアラー、15車種をひと言インプレ!! 前編

掲載日:2018年07月10日 トピックス    

まとめ/宮崎正行 写真/柴田直行、関野温、富樫秀明、徳永 茂、野岸“ねぎ”泰之、長谷川徹、渕本智信、真弓悟史、山家健一 記事提供/BikeBros.2018編集部
※この記事は『BikeBros.平成三十年上期編』に掲載された内容を再編集したものです。

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※個々に記された車両スペックは、ベースグレード(最低価格)のもので表記統一しております(車重についてもメーカー表記に準じます)。生産終了車につきまして市中の新車在庫が確認できたものに関しては掲載しております。また、掲載されている車種は一部に旧年式モデルを含みます。
テストライダー:青木タカオ/小川浩康/小松男/佐川健太郎/櫻井伸樹/鈴木大五郎/田宮徹/中村友彦/成田恒一/野岸“ねぎ”泰之/堀田修/松井勉/宮崎正行/吉友寿夫/和歌山利宏/渡辺学

スポーツネイキッド&スポーツツアラーの
ニューモデルを一気にひと言インプレ

ニューモデルラッシュが続きにわかに活況を呈してきた2018年の国内モーターシーン。インプレをまとめて読んで、次の新車購入の参考にしたい!」そんな読者の声に直球で応える今回の特集は、国内外のニューモデルを取り揃えて「気になるアイツはこんなヤツ!」と言い切る試乗インプレ記事をズラリ掲載!

第一弾となるこの記事では、スポーツネイキッド & スポーツツアラー、15車種を前後編にわけてお届け。

HONDA CB1000R
必要以上と思えるほど濃厚なリアからのトラクション!

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最初に感心させられたのは、乗り手を脅かす気配がないことだった。その一番の理由は車格感だ。近年のリッタースポーツネイキッドは、どのモデルもコンパクトにまとまっているけれど、CB1000Rの小柄さは圧倒的で、印象はCB400SF+αと思えるレベル。CB1100や1300SFのような重量感はまったくない。これならどんな体格のライダーでも、気軽に走り出せるだろう。

シャシーは基本的に安定性重視で、危うさ微塵もなし。アンチスクワット率を高めて、スイングアームピボット部の剛性をあえて低くした効果なのだろう、リアから伝わるトラクションは必要以上と思えるほどに濃厚で、コーナーの立ち上がりでスロットルを開けると旋回力が増していくかのような印象が得られる。

SPEC/998cc 212kg 163万6,200円

KAWASAKI Z900RS
ネオレトロの外観に今日的な走りを作り込んだ新たなロードスター

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エンジンレスポンスは小気味よくキビキビと走れ、スロットルワークでマシンをコントロール下に置けるこの感覚はいかにもカワサキらしいと言える。走りのペースを上げてもハンドリングは自分の意志に忠実で、過敏さもダルさもない。

ブレーキングでもフロントフォークの踏ん張りが効いていて、懐古スタイリングよりもあえてパフォーマンスを優先させた倒立フォークの採用に意義を感じるに違いない。さらにトラスフレームの剛性バランスも好ましく、ピボット前方付近からのしなりが情報として有効に伝わってくるのもいい。

普遍的なバイクの姿を今日的に追求した結果、それに相応しいスタイリングとして、カワサキの伝統を物語るZ1が選ばれた、という経緯ではないだろうか。

SPEC/948cc 215kg 129万6,000円

SUZUKI SV650X
運動性能に磨きをかけたVツイン“爽快”カフェレーサー

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セパレートハンドルとタックロールシートを採用し、前後ショックの設定を刷新したものの、基本設計はスタンダードのSVと同じだからハズレのわけがない。ただしライディングポジションはスパルタンになっているので、人によってはとっつき辛さを感じる部分だろう。

イージーさではスタンダードに分があるが、XにはXで別の魅力がある。SVが本来持っているシャープな舵角の美点、そのポイントをさらに磨きをかけてきているのだ。乗り手の上半身が前傾し前輪荷重が増えたおかげで、スタンダード以上に舵角がハッキリ伝わってくるし、その挙動を上手く活かせば、コーナー初期の一次旋回でクルリッとよく曲がる。このフィーリング、並列2気筒車では絶対に味わえない。

SPEC/645cc 197kg 78万1,920円

YAMAHA MT-09 SP ABS
スペシャルな前後サスでコーナリングの安定感アップ

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低速からアクセルひとつでドーンと出ていく力強いトルク感、俊敏なスロットルレスポンスは相変わらずだ。最高出力は116psと驚くほどではないが、3気筒クロスプレーン独特の俊敏でダイレクトなパワーと192kgの軽量な車重を生かして、スペック以上の瞬発力を見せつけてくれる。

特別仕様を表す「SP」は、フロントフォークがKYB(カヤバ)製のフルスペックタイプで、リアはプリロードを素手で調整できるリモートアジャスター装備のオーリンズ。これらのおかげでSPの走りには俊敏さの中にもしっとりした安定感が出てきた。ギャップの通過でも吸収性が良く安定しているため、いつもと同じ道路なのに路面が滑らかになったような乗り心地なのだ。

SPEC/845cc 193kg 111万2,400円

YAMAHA XSR700 ABS
MT-07の美点を継承しつつ似て非なる乗り味を構築!

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レトロデザインではなくオーセンティックデザイン、とヤマハが言い切るXSR700は、ベースとなったMT-07を基準にすると車格感が大きく、ライダーの目線が高く、操作に対する反応が俊敏かつ軽快になっている。その主要因は、座面が30mm高いシートとワイドなアップハンドル。

開放感と男っぽさを身に着けたXSR700には、ちょっとだけスクランブラー的な雰囲気が感じられるかもしれない。スポーツツーリングが楽しめること、日本の道路に適した特性であることは2車に共通しているものの、親しみやすさと安定感ではMT-07、軽快感と開放感ならXSR700に軍配が上がる。体格が大柄な人やオーセンティックな外観が好きな人にはXSR700の方が向いているだろう。

SPEC/688cc 186kg 89万9,640円

SUZUKI GSX-S750 ABS
ストリートでは兄貴よりもナナハンなのだ!

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最初に力説したいのは、質感の向上である。先代のGSRはコストの制約が厳しかったのだろうかと思わせる箇所があったが、こちらに関してそういった気配はほぼ皆無。なかでも新作のスイングアームとホイールはスタイリッシュに作り込まれている。

乗り心地の向上と接地感の増大もすばらしい。ディメンションの調整や前後ショックの見直しなどが施された足まわりの動きは、明らかに1ランク上を行っている。

ABSとトラコンもじつに自然だ。エンジンは6psのパワーアップともに扱いやすさも向上、パワーデリバリーもスムーズになり、高回転域での振動が大幅に低減されている。熟成極まったGSX-S750はいつだってストリート最優先だ。

SPEC/749cc 212kg 96万9,840円

KAWASAKI NINJA1000
素性はキープしつつ守備範囲を大幅に拡大

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2017年に大幅刷新を受けたニンジャ1000は、ZX-10R/RRで実績を積んだIMU=慣性測定装置を導入し、トラコンとABSの高性能化を図った。従来型のアグレッシブさや軽快さ、スポーツ性はそのままに、最新の電子制御によって安全性を高めてきたのだ。

従来型より雨天や悪路走行は楽になり、よりレベルの高いスポーツライディングが楽しめる。座面幅や厚みを見直したシート、握りやすくなったグラブバー、LED化したヘッドライト、視認性がアップしたメーターなどは見事に正常進化している。

安易なキャラクター変更を良しとせず、独自の乗り味を大切にするカワサキ技術陣のニンジャ1000への思い入れを感じられたことがなにより喜ばしい。

SPEC/1,043cc 235kg 127万4,400円

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