ライダーがB級グルメを好むのはなぜ?

ライダーがB級グルメを好むのはなぜ?

掲載日:2010年01月25日 ライダー考現学    

読者からの質問

仲間とツーリングに行くと、なぜか土地の名物ではなくB級グルメばかりを味わうことになります。素直に美味しい名産品を食べればいいのに、何故そこまで避けるのでしょうか。

千葉県 アルレッキーノさん(ドゥカティ/ムルティストラーダ620所有)

 

ライダーがB級グルメを好むのはなぜ?

 

四季折々の味覚が豊かに日本を旅するなら、各地の名産を味わいたくなるのが人情というものだ。海辺を走れば海鮮を味わい、山の稜線を辿れば郷土料理に舌鼓を打つのが一般的な味巡りかもしれないが、ライダー同士だと非常に危険な確率で「B級グルメめぐり」に変わってしまうというのだから恐ろしい。ご当地カレー、創作ドンブリ、有名ラーメンなどをまるでデータベースのように網羅する猛者は多く、そういった店舗の中にはライダーの聖地になってしまった店さえ存在する。確かにB級グルメには美味しいものも多いが、なぜ素直に美味とされる名産を求めないのか。不思議に思う方もおられるかもしれないが、ライダーの性質を考えれば実は当然の行動なのだ。

 

バイクを愛するライダーは、何かと“チャレンジ”を求める生き物。バイクに乗ることそのものが日常から非日常への挑戦であり、ツーリングも「新たな場所を走る」という、ある種そういった挑戦者的行動と通ずる部分がある。普通であれば面倒なことは避ける場合が多いはずだが、困難が多いほど燃えてしまう彼らならではのドMな精神構造にとって、未知かつ予想がつかない事態はご褒美でしかない。そう考えれば、旅先で「味の分かっている/予想がつく名物」をわざわざ選ぶことは挑戦を放棄していることに他ならず、名称や料理カテゴリからは想像つかない美味を発見する可能性を夢見て、B級グルメに突撃する彼らの心情も理解できるだろう。平日という日常を打破し、週末に新たな世界を求める彼らにとって、ありきたりの美食では未知を求める冒険心が満たされない。ただ、それもあまりに行き過ぎると、バイクを楽しむという最も大切なこと忘れてしまう可能性も生まれてくる。昼がB級グルメなら夜は名物と、バランスのよい食生活をツーリングの中へ織り込んでいくべきだろう。

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