集合写真でアピールするのはなぜ?

集合写真でアピールするのはなぜ?

掲載日:2009年07月21日 ライダー考現学    

読者からの質問

いつもグループでツーリングに行くのですが、集合写真でのはじけ方が激し過ぎます。 いい大人が全員でジャンプなど、どうしてこんな行動をとってしまうのでしょうか。

長崎県 夏スライダーさん(ドゥカティ モンスターS2R所有)

 

集合写真でアピールするのはなぜ?

 

いい年をした大人たちが全員笑顔でバンザイ・ジャンプをする、バイクにまたがってスロットルをひねる様子を表した“ぶぉ~ん”ポーズで写真に写るなどといったアクションカットは、ライダーたちの集合写真で良く見る光景だ。30代以上のライダーなら、バイク雑誌でその手の写真を募集するコーナーを見たことがある人も多いだろう。稀に組体操で写ってしまう「アンタちょっと飛ばしすぎ」な方もいるが、そんな陽気なポージングをした朗らかなカットの裏には、彼らだからこそ分かる感傷が込められている。

 

バイクというのはクルマなどに比べて孤独な乗り物だ。タンデムができるといってもリラックスした会話を常時楽しめるわけでもなく、マスツーリングも所詮は個が集まっているだけで、「バイクで走る」という行動について、誰かが補佐してくれるわけではない。その孤独を乗り越えるからこそ、旅先でバイクを降りたときの出会いに感動し、現地での思い出がより鮮やかに刻みつけられるのだ。そして、彼らのカタルシスが絶頂に達するのが、仲間達との集合写真。無事にたどり着いた喜びと、ツーリングという濃密な時間を共有する感動が爆発するのだから、撮影用に人間ピラミッドを組み上げたり、大胆なダブルピースを炸裂させてしまっても仕方がないだろう。「子供じゃないんだから…」と眉をひそめられることが分かっていても、輝ける思い出ショットを阻むことはできないのだ。しかし、残念なことに感動と興奮のあまりうっかり「脱いでしまう」イリーガルなライダーが存在することも、少数ながら確認されている。もし誰かが“ポーズ”から“アピール”へとシフトしようとしたら全力を持って阻止し、制裁を加えておくべきだろう。それもまた共有する思い出として、旅の記憶に一葉加えておきたい。

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