バイクでコケそうになったときに出る力とは?

バイクでコケそうになったときに出る力とは?

掲載日:2007年03月22日 ライダー考現学    

読者からの質問

バイクでコケそうになったとき、信じられない力で踏ん張り、転倒を免れたこと…。今まで、こういったことが何度かありました。私はあまり力の強いほうではありません。その私が300kg以上の車両を支えられたことに後から驚いてしまいます。愛車を救いたい一心なのはわかりますが、これは単純に”火事場のクソ力”と認識してしまってよいのでしょうか?

岐阜県/3番目の引出 さん (HARLEY-DAVIDSON FLSTC所有)

 

バイクでコケそうになったときに出る力とは?

 

元来、日本人は殊のほか”モノ”を大切にする人種である。チリ紙一枚といえども勿体無いと思い、そこに神が宿っているかのごとく振舞う。これこそ日本の美であり、世界に誇る日本人らしさであろう。こんなことであるから、自分の分身とさえ言えるバイクを大切にする行為たるや尋常ではない。日々磨き、話しかけ、時には名前さえ付けるほどである。となると、そのバイクの危機が迫れば信じがたい力が出るのもまったく不思議ではない。断言するが「コケたら、修理代うん万円」といった”ヨコシマ”な考えから出る力ではない。あくまでモノに対する敬意であり、礼節なのである。この友情パワーとでもいうべき力は、走り、磨き、飽きては乗るといった営みから育まれるもので、その力はライダーとバイクの歴史に比例する。これがこの「怪力」のメカニズムである。

 

それでも激しくコケそうな場合など、支えられない場合もあろう。そんな時も下半身の力でソフトランディングさせ、ダメージを減らすのは当然だ。万一、激しく倒れても動揺を押さえ、迅速に友を救ってやりたい。「タンクがヘコんでる!」などの視診は後回しだ。これは周囲の迷惑、二次災害の危険を考慮してのこと。それに裏返ったまま放置されるバイクもハズかしいだろう。これは肝に銘じてほしい。

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