愛車撮影術

基本的な構図を学ぼう

掲載日:2007年04月07日 愛車撮影術    

迷ったときには
三分割法を思い出そう

今回は、「構図」についてお話いたしましょう。

いい風景で撮影したのに、なんかあのときのイメージとは違う…ということはありませんか? それは構図で失敗していることが多いのです。そこで今回は「三分割法」と「三角構図」をご紹介しましょう。もちろん、この他にも構図はいろいろとあります。しかしいろんな構図を一気に覚えるよりも、比較的バイクと相性の良いこれらの構図をマスターしておきましょう。

三分割法を意識して
構図の初歩をマスターせよ

三分割法デジタルカメラの場合、オートフォーカスで自動的に画面の中心にピントを合わせてくれます。露出(※)も真ん中を重点的に図っていますから、撮影者はどうしても被写体を真ん中にしてしまうのですね。ただ、このように被写体を真ん中にすると、つまらない写真になりがち。そこで意識していただきたいのが、「三分割法」です。三分割法とは(右図参照)画面を3分割して9つのエリアを作り撮影する手法。地平線や煙突のような線となるものを分割線上におき、被写体を図の中にある赤い点に置くやり方です。右の写真は、三分割法を意識して、左下のポイントに被写体となるバイクを、下の分割線には背景の水平線を入れています。バイクだけではなく、どんな場所で撮影したか、また壮大な景色であることも伝わる奥行きのある写真とすることに成功しています。ちなみに、被写体を真ん中に置いた写真は、センスのない写真を揶揄して「日の丸写真」と呼ばれているんですよ。

 

詳細情報なぜ三分割法を意識した写真は印象的なのでしょうか。それは、水平線や地平線を上下いずれかに配することで安定感が生むことが理由の一つです。また、被写体を左右にずらして撮影するため、状況や背景を見るものに推測させることができます。つまり、被写体だけを見せるのではなく、写真撮影時の状況を想像させる写真になるからですね。いつも写真の真ん中にバイクだけがドーン!と写っていたら、どの写真も代わり映えしない同じような写真に見えてしまうとは思いませんか? これでは見せられる方も、うんざりしてしまいますよね。写真は文字に比べて1枚で無数の情報を伝えられます。それだけにバイクだけしか伝わらない…というのではもったいないですよ。

 

 

イメージでは、三分割法の撮影方法をお話しましょう。まず、シャッターを半押しするとオートフォーカスでピントが調整されます。そのままピントを合わせた状態で、カメラをずらして三分割法に倣い撮影するだけ。前回のピント合わせとやり方はほとんど同じですから、簡単ですよね。シャッターを切る前のちょっとした注意で大きく出来が異なります。もちろん常に三分割法で撮影する必要はありません。

 

もう一つの基本的な撮影方法である『三角構図』をご紹介いたしましょう。世の中にある図形の中で最も安定していると言われているのが△、三角形ということはご存知の方も多いでしょう。写真でもこれを利用することで安定感を生み、印象的な写真撮影を行うことができます。

 

イメージ現に、写真意外でも絵画や生け花、広告などでもこの手法は多々見られます。カメラを構えて構図を定めるときに、被写体の近くに目印となるものがないかを意識してみてください。右の写真例では、右サイドに国旗を配することで写真に三角形を構築しています。また、被写体を画面いっぱいに撮影するときにも三角構図は役立ちます。右の例では、バイクが今にも飛び出してきそうなインパクトを与える写真を狙っています。

 

今回、ご紹介した構図で共通していることは、写真は被写体だけを写すものではないということ。撮影するとき、あなたは状況を含めて「写真を撮ろう」と思っているはず。なら被写体だけを撮影せずに、背景にも気を配ることが大切です。その背景を効果的に撮影する方法の1つが今回ご紹介した構図なのです。写真撮影を行うときは、このことを心に留めて撮影してください。では、今回はこのあたりで。

露出とは?

露出はフィルム(フィルム使用のカメラの場合。デジタルカメラは撮像素子や撮像センサーと呼ばれる)に当たる光量を調節して、光を当てることを言います。この光の量は「露光量(露出量)」といわれます。ちなみに、適正であることを「適正露出」といい、被写体が暗すぎることを「露出アンダー」といいます。逆に明るすぎることは「露出オーバー」といいます。ただ、何をもって適正露出とするかは撮影状況や個人の好みにも影響されます。撮影したものを確認して、違和感のある場合はマニュアル操作で露出を変えてみるのもいいでしょう。

写真のポイントは
日頃見ることのない構図にあり

今回は構図についてお話しましたが、三分割法以外にも意識してほしいポイントがあります。写真撮影でもう一つ大切なのは「日頃、目にしない構図を意識」することにあります。例えばバイクを真横からばかり撮るのではなく、しゃがんで撮影してみる。これだけでも、迫力のある写真になったり、見る人に「おっ」と思わせる写真となります。またバイクに近寄ったアップの写真を撮影してみる、敢えてカメラを傾けてみる…などなど普段自分が目にしない構図を意識して撮影してみるのも楽しいものです。写真は時間を切り取るだけではなく、日常を非日常に変えてしまう道具。そこに魅力と面白さがあるんですね。ぜひ、皆さんも試してみてください。

浪折 明良
講師
浪折 明良

カメラマン。続々と登場するカメラの新機種に財布の中身がついていかない750ライダーでもある。現在の愛車は10年もののGSF750。油冷エンジン最高! といいつつも、新型水冷エンジンが気になる今日この頃…

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