林道ツーリングに役立つ実践テクニック

【Vol.11】路面が荒れている時ほどスタンディングが有効!

掲載日:2009年12月22日 オフロードライテク講座林道ツーリング実践テクニック    

軽いトレールバイク(オフ車)でも、凸凹や傾斜のきつい林道では扱いが困難になることも多々ある。ツーリング先で足下をすくわれないために、ユウタロウ流の実践的な障害物越えをイメージトレーニングしておこう。的確な状況判断と操作のキホンが出来ていれば、体格は関係ない。それが身長165cmのユウタロウ流『チビテク』なのだ。

ゴツゴツと振動の多いロックセクションは疲れる

「シックスデイズ(ISDE)でも、1日目と2日目が同じコースなのに、2日目はみんなが走った後だから土が掘りかえされて石が出てくるほど荒れて、スタンディングじゃないと走れないぐらいでした。シッティングだと石を乗り越える時の振動を吸収しきれなくて、お尻が突き上げられて痛い。ショック自体がライダーに伝わり易いので、それに耐えようと無意識のうちに筋肉が張るから疲れます。今回のシックスデイズでは積極的にスタンディングをしたので、6日目になってもお尻が擦れて痛いということもありませんでした。エンデューロだと、長時間走るのでなるべく疲れない走り方が重要です。そのためモトクロスのようにコーナーは座ってなるべく速く走るというよりは、スタンディングによって疲労の少ない方が結果的に速いんです」とはユウタロウ講師。

これはエンデューロレースに限らず、ツーリング先での林道走行でも同じことが言える。日帰りツーリングで往復200kmを走るのなら、そのうちのダートでなるべく疲れない方が帰路も楽なはずだ。

走りにくい、走ると疲れるオフロードの代表格といえるのがロックセクションだ。ガレ場はもちろん、河川敷の丸石など、ゴツゴツと体を突き上げてくる振動は疲労の原因となる。ロックセクションこそスタンディングの練習にピッタリのシチュエーションとも言える。

走りにくい、走ると疲れるオフロードの代表格といえるのがロックセクションだ。ガレ場はもちろん、河川敷の丸石など、ゴツゴツと体を突き上げてくる振動は疲労の原因となる。ロックセクションこそスタンディングの練習にピッタリのシチュエーションとも言える。

「座ったり、立ったりという繰り返しは疲れます。だから荒れた路面を走るときは、ずっとスタンディングで行く、と決めてしまった方がいいですね」

スタンディングのほうが速く走り易いというのはもちろん、オフロードでは疲れないためのテクニックでもあるのだ。

普段、あまりスタンディングをしないライダーにとって、ニーグリップが出来ないスタンディングは逆に不安定な状態に感じるかもしれない。

「スタンディングの時は、両足のくるぶしでバイクを挟み込みます。シッティング時のニーグリップと一緒で、こうすることでバイクとの一体感が増してライダー、マシンともに安定します」と言うユウタロウ講師。

バランスを崩しやすいオフロードでは、シッティング、スタンディングともこのマシンとの一体感が重要と言える。では、すべてにおいてスタンディングほうが良いかというと、場合によってはそうでもない。

「モトクロスコースのバンクだったり、エンデューロでもレース後半になって深いバンクが出来ていたらシッティングのほうがラクな場合があります。あとはタイトコーナーですね。バイクを思いっきり寝かせてクイックに曲がりたい時には、やはりモトクロスライダーのようなコーナリングが有効です。でも、それ以外はスタンディングのほうが有利と言えます。まずは積極的にスタンディングをすることで、その姿勢や立った状態でのバランスの取り方などに慣れてください。くるぶしグリップさえしていればずっと楽に、しかも速く走れるようになりますよ」

スタンディングは体力温存のために

同じコーナーをスタンディングとシッティングで回った場合、実は速さ自体はそれほど変わらない。しかしシッティングだと石を乗り越えたときの振動を抑えてバイクを安定させなければならないため、非常に疲れる。対してスタンディングは力を使わないで走ることが出来るため疲労も少ない。スタンディングは高い走破性と疲労低減というふたつのメリットがあるのだ。

同じコーナーをスタンディングとシッティングで回った場合、実は速さ自体はそれほど変わらない。しかしシッティングだと石を乗り越えたときの振動を抑えてバイクを安定させなければならないため、非常に疲れる。対してスタンディングは力を使わないで走ることが出来るため疲労も少ない。スタンディングは高い走破性と疲労低減というふたつのメリットがあるのだ。

同じコーナーをスタンディングとシッティングで回った場合、実は速さ自体はそれほど変わらない。しかしシッティングだと石を乗り越えたときの振動を抑えてバイクを安定させなければならないため、非常に疲れる。対してスタンディングは力を使わないで走ることが出来るため疲労も少ない。スタンディングは高い走破性と疲労低減というふたつのメリットがあるのだ。

シッティングからの移行立ち方にもコツがある

シッティングからスタンディングに移行する際に重要なのが立ち方だ。真上に立つのではなく、前へ向かって立ったほうがいい。と言うのも、走行中は常に後ろへ体が置いていかれる力が働いているので、それを見越して体勢を整える必要があるのだ。

シッティングからスタンディングに移行する際に重要なのが立ち方だ。真上に立つのではなく、前へ向かって立ったほうがいい。と言うのも、走行中は常に後ろへ体が置いていかれる力が働いているので、それを見越して体勢を整える必要があるのだ。

シッティングからスタンディングに移行する際に重要なのが立ち方だ。真上に立つのではなく、前へ向かって立ったほうがいい。と言うのも、走行中は常に後ろへ体が置いていかれる力が働いているので、それを見越して体勢を整える必要があるのだ。

なるべくバイクを寝かさないで曲がる

【左】スタンディングにもリーンアウトがある。ライダーはバイクよりも外側に立つことでバランスを取る。おもに外側の足でくるぶしグリップをする。【中】少しずつハンドルを切りながら曲がっていく。滑りやすい路面の時はリアタイヤを少しドリフトさせることで向きを変えていく。上手いライダーほど、ドリフトを活用している。【右】ヒジ、ヒザとも少し曲げておくことで路面からの振動を吸収して、視線がブレないようにする(頭の位置を安定させる)。出口に視線を移してバイクが完全にまっすぐになったら加速する。

スタンディングにもリーンアウトがある。ライダーはバイクよりも外側に立つことでバランスを取る。おもに外側の足でくるぶしグリップをする。

少しずつハンドルを切りながら曲がっていく。滑りやすい路面の時はリアタイヤを少しドリフトさせることで向きを変えていく。上手いライダーほど、ドリフトを活用している。

ヒジ、ヒザとも少し曲げておくことで路面からの振動を吸収して、視線がブレないようにする(頭の位置を安定させる)。出口に視線を移してバイクが完全にまっすぐになったら加速する。

【左】石が多いコースでは、座っていると振動で疲れてしまう。コーナー進入はスタンディングとシッティングでスピードにそれほど差はない。【中】しかしシッティングだと「疲れやすい」「バランスを取りにくい」「足を着いた時に石でケガをし易い」など、スタンディングよりも不利な要素が多い。【右】シッティングだと前輪が滑ったときにリカバリーしにくい。スタンディングの方が結果的には速くて安全と言えるだろう。長時間を確実に走りきる必要があるエンデューロやツーリングでは、スタンディングがいかに重要なのかがわかるはずだ。

石が多いコースでは、座っていると振動で疲れてしまう。コーナー進入はスタンディングとシッティングでスピードにそれほど差はない。

しかしシッティングだと「疲れやすい」「バランスを取りにくい」「足を着いた時に石でケガをし易い」など、スタンディングよりも不利な要素が多い。

シッティングだと前輪が滑ったときにリカバリーしにくい。スタンディングの方が結果的には速くて安全と言えるだろう。長時間を確実に走りきる必要があるエンデューロやツーリングでは、スタンディングがいかに重要なのかがわかるはずだ。

スタンディング時はくるぶしグリップ

スタンディング時の基本と言えるのがくるぶしグリップだ。これはバイクを両足のくるぶしで挟み込むようにすることで、人車一体となるテクニック。とくに荒れた路面で振動の多い時には、バイクから振り落とされそうになってバランスを崩すことを防げる。

スタンディング時の基本と言えるのがくるぶしグリップだ。これはバイクを両足のくるぶしで挟み込むようにすることで、人車一体となるテクニック。とくに荒れた路面で振動の多い時には、バイクから振り落とされそうになってバランスを崩すことを防げる。

インストラクター

1978年12月、静岡県生まれ。7歳のときに父親の影響でバイクに乗りはじめ、15歳でエンデューロレースに初出場。以後、大きなレースに参戦を重ねて、02年には西日本WONETシリーズを制した。また04年には東日本シリーズSERIES初代シリーズチャンピオンに輝く。ISDEチリ大会のトロフィーチーム(日本代表)に選ばれ日本チームは12位。個人ではクラス34位という成績を残した。

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