日本全国モトクロス攻略ガイド

【Vol.04】オフロードヴィレッジを攻略する 4

掲載日:2009年03月27日 オフロードライテク講座日本全国モトクロス攻略ガイド    

オフロード走行に味を占め、積極的に攻め込みたいと思うライダーも少なくないだろう。クローズドコースでは同じ場所で反復練習することができ、自分のライディングをじっくり探ることが出来る。少しでも速く走りたい、よりコンペティティブなスキルアップを目指したい方のための実践マニュアル、それが『step up モトクロス』だ。

左コーナーではギアを落としすぎないこと

オフロードヴィレッジの1コーナーは幅の広い左コーナーで、ラインに悩むライダーも多いのではないだろうか。多くのライダーが走っていてタイヤ痕が残っているラインはインベタのライン。惰性で走っているとここを使うことになるだろう。

今回紹介したいのは、1コーナーのバンクまで長く加速するために、最終コーナーのジャンプでアウトに振って、バンクに当てて角度を変え、立ち上がりでは再びインを狙って直線的に走るライン。これは昨年の全日本モトクロス選手権関東大会で優勝した新井宏彰選手が好んで使っていた。加速区間が長いのでスピードに乗せやすく、1コーナー立ち上がり後のビッグジャンプを飛びきるのがラクになる。国際B級以上のライダーなら、かなり有効なライン取りといえる。

逆に初中級者なら、幅の広いコーナーであるため、インベタのラインで最短距離を狙おう。このときでも最終のジャンプはアウトに振って、ストレートで加速すればタイムアップに繋がる。

コーナーはRが緩く速度アベレージが高いセクション。ここで注意すべきなのは、左コーナーでイン側の足を出しているとシフトアップがしづらいので、ブレーキング時にシフトを落としすぎないこと。シフトアップしづらいからといって低いギアで高回転まで引っ張るのではなく、最初から高めのギアを使ったほうがトラクションさせやすいし、スピードにのせやすい。

コース

レベルに応じたライン選び

アウトライン

コーナーリング中の距離よりも、立ち上がりの加速を重視するアウトライン。国際B級以上のレベルで、立ち上がり後のビッグジャンプの飛距離で勝負するライダーなら、このラインは有利。バンクに進入する直前までブレーキングを我慢して、バンクに当てて一気にマシンの向きを変え、ジャンプに向かって直線的に加速していく。

インライン

コーナーの幅が広いので、走行距離を短くするためのインライン。ストレートから進入するラインはアウトと同じだが、インのクリッピングポイントを通過するために、早めのブレーキングとなる。立ち上がりのラインもインベタを意識する。コースに跡が残っているインとアウトの中間を走るラインではなく、さらにインを狙うこと。

ストレートはアウトから

最終のテーブルトップで、あえてマシンをアウトに振ることで、その後のストレートを1コーナーのバンクまで直線的に走れる。前にライダーがいるときも別のラインを走れるのでパッシングポイントになる。また、ストレートをインベタで走っていくライダーが多いので、ブレーキングギャップを避けることが出来る。

バンクで一気に向きを変える

アウトラインを使うメリットは、進入・立ち上がり後のラインを直線的に使えること。そこでバンクに乗って走るのではなくて、バンクに当てて一気に向きを変え、直線的に加速出来るというメリットを最大限に生かそう。

ブレーキングは体でギャップを吸収

ブレーキングギャップは、サスペンションだけではすべての衝撃を吸収できないので、体を柔らかくしてサスにする。サスペンションセッティングは初期をソフトにしないとマシンが跳ねとばされてしまう。ただし、高速でのジャンプもあるので、奥も踏ん張ってくれないと怖い思いをする。

オフヴィレのフープスは高めのギアで

硬質路面では高めのギアを使ったほうがトラクションさせやすいし、エンジン回転が低いのでマシンの挙動も安定する。これはフープスでも同様。T.E.SPORTの辻健二郎選手は、オフロードヴィレッジのフープスを5速で走っている。また、J・マクグラスが神宮スーパークロスに来たときに、日本人ライダーが2~3速で走っていたフープスを4速で走っていたと言っていた。もちろん高いギアで走るためには、それなりのスピードが必要で、フープス進入でいかに高いスピードを維持できるかがポイントになる。

立ち上がりは腰で加重する

コーナーの立ち上がりでは、リアタイヤを最大限にトラクションさせるために、腰をシートに押しつけて加重する。いくらエンジンのパワーがあっても、それを路面に伝えることが出来なければマシンは前に進まない。滑りやすい路面でいかにトラクションさせることが出来るかで、加速力は変わってくる。コーナーリング中には前傾で腰は浮いているぐらいだが、立ち上がりではしっかりシートに押しつけている。加重によりリアサスペンションが沈み、リアタイヤがつぶれているのがわかる。

1回滑ると0.5秒のタイムロス

大胆にカウンターをあて、リアタイヤで派手に土煙を巻き上げるスライド走行は一見速そうに見えるが、毎回同じように走れるわけではなくロスも多い。硬質路面に慣れている人はマシンをスライドさせていくが、ラップタイムの計測では1回滑ると0.5秒落ちる。滑らないようにじわじわとアクセルを開け、リアタイヤをトラクションさせて前に進む、グリップ走行を心がけよう。

オフロードヴィレッジ

オフロードヴィレッジ

数多くのモトクロスチーム、モトクロスショップがある川越市のオフロードヴィレッジ。広大な敷地に、スーパークロスコースのようなセクションが連続するAコース。全日本モトクロス、エンデューロが開催されるBコース、初心者コース、キッズコースが設定されている。平日でも練習可能で、休日でレースが開催されていても、それ以外のコースは走ることができる。レンタルバイク・ウエアも豊富に用意されているので、手ぶらでモトクロスを楽しむこともできる。

東福寺保雄
インストラクター
東福寺保雄

全日本モトクロス選手権で前人未到のV9を達成した経歴を持つ。現在はモトクロスチーム「T.E.SPORT」の監督として全日本に参戦。選手としてもライディングスクール講師としても、豊富なキャリアを持つモトクロスのエキスパート。

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