全日本モトクロス選手権 第9戦第54回MFJグランプリモトクロス大会

掲載日:2016年11月02日 フォトTOPICS    

取材・写真・文/田宮 徹
取材協力/MFJ  レーシングリザルト

長年にわたり日本のモトクロスをけん引してきた、レジェンドライダーのひとりである熱田孝高選手が、今季限りで現役を退くことを表明。39歳を迎えながら、IA-1の年間ランキングは4位。惜しまれつつの引退となりました。

IA-1は成田亮が11度目のシリーズタイトル獲得!
IA-2は能塚智寛選手が自身初のIAチャンピオン

全9戦で競われた全日本モトクロス選手権の今季最終戦は、10月22日(土)~23日(日)に宮城県のスポーツランドSUGOインターナショナルモトクロスコースで開催されました。

今季第4戦の舞台にもなったコースは、ふたつの丘にまたがるようにレイアウトされ、自然の地形を生かしたアップダウンが豊富でダイナミックな仕様となっています。天候は、土曜日が曇りで、日曜日は雲がやや多めながらも晴れ。このため路面は、レースウィークを通してドライコンディションが保たれ、SUGOならではの入念な整備によって、ベストな状態が続きました。

第54回MFJグランプリモトクロス大会として開催されたこの大会は、これまでの最終戦と同様に国際格式を採用していて、海外競技ライセンスでもエントリーが可能。これを受けてホンダは、最高峰クラスのIA-1に、米国AMAでファクトリーライダーとして活躍するコール・シーリー選手(#114)と、この3年間はモトクロス世界選手権にフル参戦している山本鯨選手(#400)を、ファクトリーチームからスポット参戦させました。

そのIA-1では、ポイントリーダーとして今大会を迎えた成田亮選手(#982)が、ヒート1で通算11度目となる全日本最高峰クラスのシリーズタイトル獲得を決定。また、スズキファクトリーチームの熱田孝高選手(#2)、カワサキファクトリーチームの田中教世選手(#8)、KTMを駆る北居良樹選手(#100)が、いずれも最終戦前に今季限りでの現役引退を表明して、引退セレモニーなどが実施されました。

IA-2では、ランキングトップの能塚智寛選手(#28)が、今季最後の全日本で両ヒート制覇を達成。これにより、IAで自身初となるチャンピオンに輝きました。

2スト85ccと4スト150ccが混走するレディースクラスでは、ランキングトップの中野洋子選手(#3)と2番手の竹内優菜選手(#2)が、13ポイント差でこの最終戦に。レースは竹内選手が勝利し、3位に入った中野選手が2013年以来のシリーズタイトル獲得を果たしました。

フォトTOPICS(写真点数/17枚)

01IA-1では、カワサキファクトリーチームの田中教世選手(#8)とKTMを駆る北居良樹選手(#100)も、今季限りでの引退を発表。決勝ヒート1の終盤ではふたりで順位を競い、両者にたくさんの声援が送られていました。

02写真左から、スズキファクトリーチームの熱田孝高選手(#2)、KTMを駆る北居良樹選手(#100)、カワサキファクトリーチームの田中教世選手(#8)。決勝日の朝には、3名の引退レースを前にセレモニーが行われました。

03IA-1にスポット参戦した、米国AMAでホンダファクトリーライダーを務めるコール・シーリー選手。初めて走り、しかも予選日の練習走行まで下見すらしなかったコースで、圧倒的な速さを披露。両ヒートで優勝しました。

04モトクロス世界選手権ライダーの山本鯨が、ホンダファクトリーチームからIA-1にスポット参戦。乗り慣れないファクトリーマシンのセッティングに苦戦して、ヒート1が4位、ヒート2はミスもあり9位でした。

05IA-1のチャンピオン争いは、成田亮選手が35点リードでこの最終戦に。その成田選手は、ヒート1でコール・シーリー選手(#114)と山本鯨選手(#400)に真っ向勝負を挑むも転倒。8位ゴールでタイトル獲得を決めました。

06IA-1の決勝ヒート1で、通算11度目の全日本最高峰クラスチャンピオンに輝いた、ホンダファクトリーチームの成田亮選手(#982)。ゴール直後、仲間たちが成田選手を出迎えて、シャンパンシャワーで祝福しました。

07IA-1の決勝レースで、日本人最高位となったのは、ヒート1を3位、ヒート2を2位でゴールしたヤマハファクトリーチームの平田優選手。シーズン途中のペナルティによる欠場が響き、年間ランキングは5位でした。

08IA-1の決勝レースで、ヒート1を2位、ヒート2を3位でゴールして、総合トップの平田優選手(#99)と同ポイントを獲得した小島庸平選手(#1)。シーズン中盤に手をケガしながら、年間ランキングは3位でした。

09IA-1決勝ヒート2の表彰台。写真中央が、力の差を見せつけて両ヒートで勝利を収めたコール・シーリー選手(#114)。同左が、ヒート2の2位で総合2位となった平田優選手(#99)。同右が3位の小島庸平選手(#44)です。

10IA-2の決勝ヒート1で、渡辺祐介選手(#32)と序盤からトップ争いを繰り広げ、レース終盤にこれを突き放して勝利した能塚智寛選手。岡野聖選手(#31)が9位に終わり、このレースでシリーズタイトル獲得を決めました。

11IA-2の決勝レースで、両ヒート2位となった渡辺祐介選手。両ヒートとも、能塚智寛選手(#32)とのバトル。ヒート1は中盤に逆転され、ヒート2もトップを走りながら最終ラップに競り負ける、悔しい大会となりました。

12IA-2の決勝レースで、ヒート1は3位で表彰台に登壇し、ヒート2は4位となった古賀太基選手。IA昇格2年目となった今季は、随所に光る速さを見せましたが、初優勝には届かず。来年への課題を残したシーズンでした。

13IA-2決勝ヒート2で3位表彰台に登壇したのは、地元大会に燃えていた横澤拓夢選手。今季は、開幕から好調なイメージながら、それをリザルトにつなげられず、今季最終レースでようやく今季初表彰台となりました。

14IA-2のシリーズタイトル獲得を、両ヒート優勝で決めたホンダファクトリーチームの能塚智寛選手。開幕から6連勝を含む今季10勝。シーズン中盤に調子を落としながら、終盤に復調して初タイトル獲得を果たしました。

15ホンダファクトリーチームのTeam HRCは、IA-1に成田亮選手(#982)、IA-2に能塚智寛選手(#28)と、各クラス1台ずつのミニマムなエントリーながら両クラスを制して、最高のシーズンとなりました。

16レディースクラスは、13点差のポイントランキング2番手で今大会を迎えた竹内優菜選手(#2)が、序盤からリードを奪って優勝。シリーズタイトル獲得はなりませんでしたが、有終の美を飾りました。

17写真右が、今大会の決勝で3位に入り、レディースクラスのシリーズタイトルを獲得した中野洋子選手(#3)。ゴール直後、写真左の東福寺保雄チーム監督ら、多くのチーム関係者に囲まれて祝福を受けました。

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