JEC-Lites大阪プラザ阪下

掲載日:2013年09月05日 フォトTOPICS    

文/川辺 浩和  写真/モーターサイクルショップニュートン、細見 智  取材協力/オフィスアクション

実際のJEC同様に、全選手のマシンはパルクフェルメに保管される。Litesではルール上は必要ではないが、車両保管を行なうことでJEC本戦の雰囲気を味わってもらう。

最高のロケーションとコース設定で
手に汗握るタイム競争が繰り広げられた

全日本モトクロス選手権の今季第2戦関東大会が、4月19日(土)~20日(日)に埼玉県のウエストポイント オフロードヴィレッジで開催されました。各クラスの予選が行われた土曜日、決勝が行われた日曜日とも、路面はドライコンディション。土曜日は多めにホコリが舞いましたが、日曜日は散水作業が徹底され、逆に午前や午後の最初は泥が多くスリッピーな路面となったものの、快適に観戦することができました。

大阪、プラザ阪下で開催されたoffice action JEC LITES、レース前の1週間は軒並み35℃前後の猛暑が続いて当日はどうなることやら、と思いやられたものの当日の予報は32℃。日なたではじりじりと照りつける暑さだったものの、日陰では心地よい風が吹く一日。プラザ阪下で簡易オンタイムレースが行われるのは2010年のRideisLifeを含めて5回目。クロスカントリーレースのように単純ではないために、関西ではなかなか根付かないのでは、という声を裏切るかのように着実にエントリー数を増やしてきている。コースを監修しているのは関西エンデューロシーンの第一人者、吉川 和宏。本業の合間を縫ってはプラザ阪下を訪れ、コースのレイアウトに力を注いでいた。前回まではテスト区間のみのレイアウトであったが、今回から参加者からの要望を受ける形でファイナルクロスを実施、さらにルート区間を設けることにより、よりJECのオンタイムエンデューロに近い形へと作り上げてきた。

競技は第1ステージ、逆回りの第2ステージ、ファイナルクロスの3つで構成され、それぞれのテスト区間タイムとファイナルクロスのタイムの合計で順位を決める。まず、午前中に行われた第1ステージ、Aクラスが5ラップ、Bクラス4ラップ、Cクラスが3ラップ。1周目は下見ラップとしてタイム計測は行わない。この下見ラップで、本家JECでIBクラスを走る#11前橋が、マシントラブルで一度もタイムアタックできないまま姿を消してしまった。ラップ2、いよいよテストスタート。Aクラスでは3分40秒台がほとんどのなか、2012アクションエンデューロチャンピオンの#2足立 和磨が3分28秒のトップタイムをマーク。続いて、最近関西で力を付けてきている大学生#1小川 尊史が2番手につける。以降、#6尾仲・#5安居・#3木下と続く。トップタイムを出した#2足立は、残りすべてのテストでトップタイムをたたき出し、第1ステージを終える。2番手#1小川との差は23秒。3番手は小川の7秒遅れで#12大垣。

Bクラスは3回のテストを第1ステージでこなす。2ラップ目は#62奥川泰之が3分48秒のクラストップタイム。ラップ3では#57京谷 康志にトップを奪われるも、トータルでは奥川がトップを守る。しかし、ラップ4で奥川沈没。20番手というタイムになってしまい、トータルで9番手に後退。代わってトップに立ったのが、#74高橋。#57京谷 康志は3秒差で2番手につける。C/Wクラスの第1ステージのテストは2回。Cクラスでは#103足立が、Wでは#202秋山がトップでステージを終える。

第2ステージは逆回り。周回数が直前に発表された。Aクラスは2周プラスの7ラップ、B・C・Wは1周プラスでそれぞれ5ラップ・4ラップとなる。6回のテストとなったAクラスではラップ2で第1ステージ5位の#3木下がトップタイムを出す。しかし、ラップ3では#2足立がトップタイムを奪取。トータルでは#2足立が一度もトップの座を明け渡すことなく守っている。トータルで2番手につけていた#1小川は、ラップ3で遅れて3位後退。遅れたのは移動区間で足を負傷、痛さでタイムが出なかった模様。そしてそのままリタイヤとなる(後日、骨折である事が判明)。その後、足立が全体での最速タイムをたたき出すなどして他車を圧倒、ステージ2もトップで終える。2番手は51秒遅れで#3木下、3番手はさらに15秒遅れで#12大垣がつける。

Bクラスは、#74高橋がトップを守りきる。2番手には#57京谷康志、3番手には#58小林が着ける。4番手には逆回りがマッチしたのか、#55清水が第1ステージの7位から一気に上がってきた。Cクラスは#103足立が第1ステージの勢いそのままトップ、Wクラスも#202秋山がトップを守った。

最後は関西では初となるファイナルクロス。各クラスごとに行われ、順位ではなく、レースタイムを第1、第2ステージのタイムにプラスして成績とする。周回数も短く、超スプリントなクロスカントリー。Aクラスはやはりアクションエンデューロのチャンピオン、#2足立 和磨がぶっちぎってトップ、トータルでも1位となった。2番手に#4福岡が入りタイムを稼ぐ。しかし、ここまでのトータルタイムで前との差が大きかったため順位は変わらず。逆にファイナルクロス6番手と遅れてしまった2位の#3木下だが、3位#12大垣との間に大きな差を持っていたため2位をかろうじて守る。

Bクラスはここまでトップの#74高橋がスタート直後にまさかの転倒。大きく出遅れる。2つのステージで築き上げた、これまで2位の#57京谷との間に出来た貯金が刻々と消化されていく。これは万事休すかと思われたが、その京谷も苦戦。高橋を逆転するには難しい位置にいる。ここで1位になれる可能性が出てきたのがファイナルクロストップを走る、#55清水。清水と高橋の差はトータル34秒8、高橋は転倒で再スタートに手間取り、ちょうど35秒くらいの差になっている。#55清水のゴールから34秒8以内にゴールすればトータルで1位をキープできる高橋、再スタート後の猛追が始まる。ファイナルクロスは#55清水がトップで終える。#74高橋は11番手でファイナルクロスを終えた。2人のファイナルクロスでのタイム差は33秒92。トータルでのタイム差は0秒894となり、#74高橋がなんとか逃げ切った。Cクラスは#106秋田がトップ。しかし第1ステージでの遅れが響いて3位にとどまる。2番手でファイナルクロスを終えた#105高島がトータル1位となった。Wクラスは#202秋山がトップ。トータルでもすべてのテストで1位となった。

タイム、順位がリアルタイムでわかる集計システムを利用し、それをアナウンスする事でライバルとの駆け引きができたりするoffice action JECLites、次回の関西での開催は10月27日、プラザ阪下においてJEC西日本エリア選手権との併催で開催される。

フォトTOPICS(写真点数/15枚)

01このゲートをくぐる事も、JEC本戦の雰囲気を味わうことが出来る。

02Bクラス、ステージ1・2どちらもトップで終えた、#74高橋 信也。JEC本戦の夕張でも、承認Bクラスで表彰台にのぼっている。

03最寄りの河内長野駅は特急の止まる大きな駅で、プラザ阪下まで徒歩5分。コースのすぐそばまで街が広がるという、他ではちょっと味わえない奇跡的なロケーション。

04Aクラスで圧倒的な速さを見せた、#2足立 和磨。プラザ阪下で行なわれるローカルレースの、シリーズチャンピオンでもある。

05モトクロスライダーであるものの、昨シーズンからXCエンデューロレースに参戦しはじめ、はじめてオンタイムに挑戦した#5安居 広志。いちばん楽しんでいたのかも。

06長崎・徳島・岐阜・東京・千葉など、関西以外からもたくさんのライダーが集まった。写真は神奈川からエントリーの#52伊藤 学。

072011年の初参加の時は完走出来ず、悔しい思いをしたであろう#68楊 隆仁。今ではクラスをひとつ上げ、KTMに乗り換えてLitesを楽しんでいる。

08初開催となるファイナルクロス、レディスのスタート。

09レディス優勝の#202秋山 雅世。ステージ1・2・ファイナルクロスのすべてをトップで終えて圧勝。

10ファイナルクロス、Cクラスでのトップチェッカーは、#106秋田 康介。ステージ1の最初のテストで遅れたのが響き、3位。最初のミスがなければ1位も見えていた。しかし、これがオンタイム。

11Bクラスではステー11・2でダントツのトップだった#74高橋信也が、ファイナルクロススタート直後に転倒。まさかの最後尾。35秒あった2位との差をすべて使い果たすが、このあと怒涛の追い上げをみせる。

12Bクラスのファイナルクラスをトップでフィニッシュした、#55清水 武人。4位から2位にジャンプアップするも、あと1秒に泣いて2位。

13Aクラスのファイナルクロスは、#2足立 和磨がブッチギリ。

14足の負傷でリタイヤとなり、楽しみにしていたファイナルクロスに出る事が出来ずにスタート地点で拗ねている、#1小川 尊史(写真中央)。後に、左足の骨折が判明。

15ファイナルクロスで転倒を喫した高橋、怒涛の追い上げの甲斐もあり0.89秒差でトップの座を死守した。

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