2012 全日本モトクロス選手権　第7戦　近畿大会

IA-１の決勝レースは、両ヒートとも成田亮選手（#１）がやや出遅れる展開。とはいえ、パッシングポイントが少ないこのコースで、数周で２番手まで浮上しました。天候が好転したこともあり、多くの観客が会場に詰め掛けました。

IA-1では成田亮選手と新井宏彰選手が勝利をわける！
IA-2は三原拓也選手が両ヒート制覇でタイトル争いは混戦に！

約２か月間の長い夏休みが開け、全日本モトクロス選手権の今季第７戦となる近畿大会が、９月８日（土）～９日（日）に、奈良県北東部にある名阪スポーツランドで開催されました。

サンド路面のコースは、ハイスピードかつ幅が狭いセクションが多いレイアウト。天候は、各クラスの予選が行われた土曜日が曇り時々晴れ。決勝が開催された日曜日は、正午前後に一時的に強い雨が降ったものの、基本的には晴れ時々曇りとなり、路面はベストコンディションが保たれました。

排気量450ccの４ストマシンが走る全日本最高峰クラスのIA-１では、ホンダワークスの成田亮選手（#１）と、カワサキワークスの新井宏彰選手（#331）が活躍。ヒート１は、序盤から新井選手が逃げるも、終盤に成田選手が追いついて逆転。ヒート２は、トップ２を走っていたホンダワークスの小方誠選手（#40）と成田選手が相次いで転倒。これにより新井選手がトップに立ち、そのまま逃げ切って勝利を収めました。

排気量250ccの４ストマシンで競われるIA-２では、両ヒートをディフェンディングチャンピオンの三原拓也選手（#１）が制覇。スズキワークスの山本鯨選手（#55）やホンダの星野優位選手（#166）と、ポイントランキングでも再び接近してきました。

排気量85ccの２ストマシンと150ccの４ストマシンが混走するレディースクラスでは、安原さや選手（#20）が前大会に続き優勝。邵洋子選手（#２）が４位に終わったため、逆転でランキングトップに立ちました。

フォトTOPICS（写真点数／17枚）

01IA-１決勝ヒート１では、序盤から新井宏彰選手に逃げられ、一時は10秒以上の差を広げられていたのを、ラスト３周の段階で逆転して勝利した、ホンダワークスの成田亮（あきら）選手。ただし、ヒート２は転倒により11位に終わりました。

02今季２勝目。IA-１決勝ヒート２で、再び成田亮選手に土を着けたカワサキワークスの新井宏彰選手。ヒート１は、「逃げられるだけ逃げる」作戦も、終盤に荒れた路面に対応しきれず、悔しい２位。ヒート２で、その雪辱を果たしました。

03ヒート１で、全日本最高峰のIA-１では2009年開幕戦以来となる表彰台登壇を果たした、ホンダワークスの小方誠選手。2009年中盤から１年以上をケガにより棒に振り、昨年はIA-２に参戦。しかしそのスピードは、まだまだ衰えていません。

04IA-１決勝ヒート１の表彰台。中央が優勝した成田亮選手、左が２位の新井宏彰選手、右が３位の小方誠選手。激しい追い上げと暑さで、ゴール直後は倒れ込んでいた成田選手ですが、表彰台では元気にアピール。今季12勝目です。

05IA-１の決勝ヒート２では、チームメイトである２番手を走行していた成田亮選手とトップを走行していた小方誠選手が、相次いで転倒により順位を下げる中、ホンダワークスの平田優選手が着実な追い上げを見せ、２位に入りました。

06IA-１決勝ヒート２では、１周目２番手でレースをスタートしたカワサキ系プライベーターの星野裕選手が２位に入賞。全日本最高峰クラスでは、自身初となる表彰台登壇を果たしました。星野選手は、ヒート１でも５位に入賞しています。

07IA-１決勝ヒート２の表彰台。優勝した中央の新井宏彰選手は、昨年末誕生のジュニアを抱いて登壇。２位の平田優選手も長男と一緒に台へと上がり、トロフィーを息子に預けていました。３位の星野裕選手は、両ヒート総合でも３位に。

08IA-２決勝ヒート１のスタート。この直後、１コーナーの立ちあがりで複数台によるマルチクラッシュが発生。山本鯨選手（#55）、田中雅己選手（#123）、富田俊樹選手（#50）などの有力選手が、これにより大きく遅れてしまいました。

09IA-２ディフェンディングチャンピオンとなるカワサキワークスの三原拓也選手が、両ヒートを制覇する快走。ライバルがポイントをやや取り損ねた結果となったことから、ランキングではトップの山本鯨選手とわずか11ポイント差の３番手に。

10IA-２のシリーズランキング２番手で今大会を迎えたホンダサテライトチームの星野優位選手は、ヒート１を２位、ヒート２を３位でフィニッシュ。トップの山本鯨選手とは２ポイント差のシリーズランキング２番手で、残り２大会に臨みます。

11IA-２の決勝ヒート１では、１周目を６番手でクリアしたスズキに乗るプライベーターの岡野聖（たかし）選手が、序盤から中盤にかけて追い上げて３位に入賞。IAライセンス昇格から７年目にして、初めてとなる表彰台登壇を果たしました。

12IA-２決勝ヒート１の表彰台。中央が優勝した三原拓也選手、左が２位の星野優位選手、右が３位の岡野聖選手。三原選手は、第５戦ヒート１以来となる今季５勝目。星野優位選手は今季９度目となる２位表彰台。岡野選手は初表彰台です。

13IA-２決勝ヒート１では、スタート直後のマルチクラッシュに巻き込まれ、最後尾から追い上げて７位でゴールした田中雅己選手。ヒート２では、ケガで体調がすぐれない状態ながら、序盤からレースをリード。２位でフィニッシュしました。

14IA-２のシリーズランキングトップを守るスズキワークスの山本鯨選手。ヒート１は、スタート直後にクラッシュして、最後尾付近から追い上げて４位。ヒート２は３位に入賞。２番手の星野優位選手に、２ポイント差をつけています。

15IA-２決勝ヒート２の表彰台。中央が再び優勝を果たした三原拓也選手、左が前大会終了直後と２週間前のケガにより「この２か月間はほとんど練習やトレーニングができていない」という田中雅己選手、右が３位の山本鯨選手です。

16レディースクラスでは、安原さや選手がオープニングラップから逃げ切り、前大会に続いて勝利を収めました。シリーズランキング２番手の邵（しょう）洋子選手が４位に終わったため、安原選手はシリーズランキングでもトップに浮上しました。

17地元大会で表彰台の頂点に立ち、地元ファンの声援に応えたレディースクラスの安原さや選手。邵洋子選手と並ぶ今季３勝目で、シーズンのうち上位６戦分がカウントされる有効ポイント制のシリーズランキングでも、やや有利になりました。