250ccクラスのアドベンチャーモデルとして登場したスズキ Vストローム250をインプレッション 試乗インプレ・レビュー

スズキ Vストローム250

V-Strom250
SUZUKI

250ccクラスのアドベンチャーモデルとして登場したスズキ Vストローム250をインプレッション

掲載日:2017年09月11日 試乗インプレ・レビュー    

取材・文/佐賀山敏行  写真/井上 演

GSR250の車体やエンジンをベースに、クラスを超えたタフギア感満載の外装をまとったアドベンチャーツアラー。大柄なように見えて、跨ってみるとコンパクトで扱いやすい。愛嬌のあるデザインも魅力だ。

アドベンチャーツアラー新時代を切り拓く
Vストロームシリーズの優秀すぎる末弟!

世界的な盛り上がりを見せるアドベンチャーツアラーのなかで、スズキはVストロームシリーズでその人気を確固たるものにしている。そのブランド力をさらに強化すべく投入されたのが、ここに紹介するVストローム250である。

このモデルの特徴は、なんといっても圧倒的な扱いやすさと満足感の高いデザイン性。シリーズ共通の「くちばしデザイン」を踏襲しながらも、Vストローム250独自の丸目一灯ヘッドライトが、このモデルだけの愛嬌を演出。さらにスペック上では無給油で500km走行も可能な航続距離の長さや、ロードモデル並の足つき性の良さなど、ツーリングでの快適性と日常での扱いやすさに徹底的にこだわっているのが大きな特長だ。

「アドベンチャーツアラーといえば大型モデル」という常識を覆し、あらゆる層が満足できる、まさにアドベンチャーツアラー新時代を予感させる1台だ。

スズキ Vストローム250 特徴

日常での使い勝手にツーリングでの利便性
あらゆるシーンで快適さを追求!

スズキ Vストローム250の試乗インプレッション

スズキ・Vストロームシリーズの特徴といえば、ヘッドライトの下にちょこんと飛び出した「くちばしデザイン」。これはスズキ初のアドベンチャーツアラーであるDR-BIGからのデザインを継承したもので、スズキ・アドベンチャーツアラーのアイデンティティーともいうべきディテールだ。当然ながら、Vストローム250にも採用されている。

このマシンが上位機種の廉価版と明らかに違うのは、そうした共通項を持ちながらも、しっかりと独自性も併せ持っている点にある。シリーズ唯一の丸目一灯ヘッドライト(Vストローム650と1000は縦2灯)は、デザイン性に富んだヘッドライトトリムも相まって、このモデルだけの「タフギア感」を醸し出しているのだ。

スズキ Vストローム250の試乗インプレッション

Vストローム250がデザインコンセプトとしているのは「タフギア」や「アウトドア」のイメージだ。ナックルガードやスクリーンをはじめ、リアキャリアやアクセサリー電源ソケットを標準装備することで、快適なツーリングを連想させるディテールにあふれている。もちろん、それらの使い勝手も良好で、ナックルガードとスクリーンは風洞実験により最適な形状と位置でマウントされているし、アクセサリー電源はあえて横向きに設置することでプラグの抜き差しがしやすくなっている。さらにキャリアは大型で、専用サイドケースをワンタッチで脱着できるサイドケースマウントを装備している点にも注目したい。

デザイン性と使い勝手を高いレベルで両立させることで、ビギナーだけでなく、ベテランライダーをも満足させるディテールにあふれているのである。

スズキ Vストローム250の試乗インプレッション

エンジンはGSR250をベースに、フリクションロスの徹底化を図ったというGSX250Rと同様だ。燃費は31.6km/L(WMTCモード値)で、250ccクラスのなかでも最高クラス。さらに17Lの大容量燃料タンクも相まって、航続距離は計算上500kmも不可能ではない。ツーリングでは給油タイミングをうかがいながら走るのは面倒なもの。知らない土地でガソリンスタンドを探すのはけっこうなストレスだ。航続距離が長いのは、素直に嬉しいポイント。

また、センタースタンドや調整機能付きフロントブレーキレバーを装備している点も見逃せない。57万240円という破格の価格設定ながら、こうした装備をしっかりと備えているのは好感が持てる。Vストローム250は、日常の使い勝手や快適性、そして利便性をも追求した、スズキの意欲作なのだ。

スズキ Vストローム250 試乗インプレッション

街中もワインディングも高速道路も
あらゆるシーンで心地よい!

スズキ Vストローム250の試乗インプレッション

250ccにしては大柄な車体を持ち、さらにアドベンチャーツアラーというジャンルゆえに、足つきは果たして……と思いつつ跨ってみると、意外なほどに良い。身長174cmのライダーが跨ると、両足のかかとをべったりと地面につけることができる。また、両手を自然に伸ばしたところにグリップがあり、上半身も非常にリラックスした状態。これなら長時間のライディングでも疲れにくそうだ。

実際に、開発時には風防効果だけではなく、ライディングポジションと足つきには最大限の配慮がなされたとのことで、ライディングポジションは兄弟モデルであるGSR250S(生産終了)とほぼ同じ。ハンドル幅は意外と狭く、リラックスしつつも、スポーティーな走りも楽しめそうだ。

スズキ Vストローム250の試乗インプレッション

というわけで、いざ走り出す。足つきの良さと車体の軽さ(車両重量188kg)によって、ストップ&ゴーの多い市街地でも不安やストレスはない。前後17インチホイールによる旋回性の高さは細々とした市街地でこそ本領を発揮する。日常的な扱いやすさは秀逸で、ツーリングだけではなく、通勤バイクとしても十分な資質を持っている。

とくに感動したのがエンジンフィーリングだ。以前、発売直後のGSR250に乗ったことがあるのだが、アグレッシブなルックスとは裏腹な、ロングストロークエンジンに面食らったことを覚えている。あまりにもスタイリングとのイメージが違いすぎて、終始ギクシャクした感じだったのだが、Vストローム250はそんなギクシャク感は皆無。初期のGSR250と比べてフリクションロスの低減など熟成を重ねたエンジンはフィーリングが絶妙で、並列2気筒の適度な鼓動感を伴いながら、ピーキーでもなくダルくもない心地よさを持っているのだ。

スズキ Vストローム250の試乗インプレッション

そんな心地よさは高速道路でも同じ。決して速いとはいえないが、法定速度プラスαの速度域で流すには十分。安定した鼓動感は気持ちよく、高い風防効果とリラックスしたライディングポジションも相まって、どこまでものんびりと走っていけそうだ。

今回はソロライディングでの試乗だったが、パニアケースに荷物を満載にしてのタンデムツーリングではどうなるかが気になるところ。ちなみに開発時には、エンジンのセッティングを低回転時のトルクに振ったとのこと。不満のない加速と巡航性能を期待してもいいだろう。

スズキ Vストローム250の試乗インプレッション

Vストローム250を最も楽しく操れたのがワインディングだ。自然体でいられるライディングポジションに前後17インチホイール、さらにトルクフルなエンジン特性によって、車体は右に左にと、まさに意のままに曲がっていく。市街地でのUターンで、すでに扱いやすさは予想がついていたのだが、中低速での太いトルクがワインディングをより楽しいものにしてくれる。

前傾のキツいスーパースポーツとは全く違い、自由気ままに操っている感覚がやっぱり心地よい。真剣にスポーツ走行をしようとすれば上りなどでパワー不足を感じるだろうが、これはこれで丁度いい。「速さ」や「パワー」ではなく「気持ち良い」……これがワインディングでの感想である。

スズキ Vストローム250の試乗インプレッション

アドベンチャーツアラーなのだから、当然オフロード性能も気になるところだが、Vストローム250が採用するのは前後17インチホイール。トラクションコントロールなども装備していないので、その実力は推して測るべし……である。しかし、ライディングポジションやトルクフルなエンジン特性から考えて、フラットダートであれば難なく走ってしまうだろう。

毎日の街乗りからロングツーリング、そしてその気になればちょっとしたダートまで、まさにオールマイティー。Vストローム250は、気軽にアドベンチャーを楽しめる秀作である。

詳細写真

シリーズ共通の「くちばしデザイン」が、このモデルがVストロームであることを強烈にアピール。そして個性的なヘッドライトやハンドガードがタフギア感を演出している。また、固定式のスクリーンは風洞実験によって高い風防効果を実現している。

ホイールは前後ともに17インチで、新設計の10本キャストホイールを採用。街中でもワインディングでも、意のままに車体を操ることができる。また、ブレーキディスクにはペタルタイプを採用することで、アグレッシグな印象を高めている。

視認性に優れたフルLCD・多機能インストルメントパネルを装備。スピードとエンジン回転のほか、ギアポジションインジケーターや時計、平均燃費やオイルチェンジ、燃料残量といった情報を確認することができる。パネルの左下にはアクセサリー電源ソケットも装備。

ライディングポジションにこだわりハンドルバーは“立ち”が強く、ハンドルブレースを容易に装備できる。スマホホルダーなどのアクセサリー類も簡単に装着できるだろう。アフターパーツの面でも利便性が高いのだ。

燃料タンク容量は17Lと、250ccクラスでは大きめ。WMTC値31.6km/Lという低燃費性能も相まって、長い航続距離を実現している。これはツーリング時はもちろんのこと、日常使いでも嬉しいポイントだ。

大柄のシートはタンデムでも十分な居住性を確保。キャリアを標準装備しているので、荷物満載でもタンデムツーリングが可能だ。また、サイド部を抉ったシート形状は良好な足つき性も実現。ビギナーや小柄なライダーでも不安は少ないだろう。

シートを取り外すとリアサスペンションやバッテリー、車載工具にアクセスできる。

専用サイドケースをワンタッチで装着できるマウントを標準装備。ちなみに専用サイドケースは5万9,400円(取り付けに必要なサイドケースプレートとスリーケースロックセットを含む・消費税込)で購入できる。

変速比を独自に設定し、トルクフルな出力特性を確保。パニアケースに荷物を満載したタンデム走行でも快適なクルージングが可能なセッティングとなっている。

センタースタンドも標準装備。エンジンオイルの交換やチェーン調整など、メンテナンスの際に便利。最近ではセンタースタンドを装備していないモデルも多いが、利便性が大きく向上するだけに、あると嬉しい装備だ。

エキパイは左右不等長とすることで、高回転域での出力維持と低速トルクを両立。レーシーな雰囲気のサイレンサーは、じつはGSX250Rと同じデザインだが、パニアケースが装着できるようマウント位置は下げられている。

徹底的なフリクションロスの低減や低中速トルクの向上を果たした水冷並列2気筒エンジンは、アドベンチャーツアラーに最適な出力特性を実現。あらゆるシーンで心地よい乗り味を作り出すことに成功している。

ライダーの身長は174cm。かかとがしっかりと地面まで届き、不安はない。膝の曲がりも自然だ。また上半身もリラックスしていて、長時間ライディングでも疲れにくい。ロングツーリングに最適なライディングポジションである。


SPECIFICATIONS – SUZUKI V-Strom250

スズキ Vストローム250 写真

価格(消費税込み) = 57万240円
※表示価格は2017年9月現在

GSR250の車体やエンジンをベースに、クラスを超えたタフギア感満載の外装をまとったアドベンチャーツアラー。大柄なように見えて、跨ってみるとコンパクトで扱いやすい。愛嬌のあるデザインも魅力だ。

■エンジン型式 = 水冷4ストローク並列2気筒SOHC2バルブ
■総排気量 = 248cc
■ボア×ストローク = 53.5×55.2mm
■最高出力 = 18kW(24PS)/8,000rpm
■最大トルク = 22N・m(2.2kgf・m)/6,500rpm
■トランスミッション = 6速
■全長×全幅×全高 = 2,150×880×1,295mm
■車両重量 = 188kg
■シート高 = 800mm
■ホイールベース = 1,425mm
■タンク容量 = 17リットル
■Fタイヤサイズ = 110/80-17M/C (57H)
■Rタイヤサイズ = 140/70-17M/C (66H)

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