カワサキ KLX125
カワサキ KLX125

カワサキ KLX125 – 抜群の軽さと足着き性のよさ、クイックな走りを誰もが体感

掲載日:2016年01月19日 試乗インプレ・レビュー    

テストライド/小林直樹  写真/長谷川徹 まとめ/小川浩康
※この記事はオフロード雑誌『GARRRR』の人気企画『小林直樹のオフロードバイク・テイスティング』を再編集したものです
※記事の内容は雑誌掲載当時のものです(GARRRR vol.287 2010年2月発売)

KAWASAKI KLX125 DATA FILE

カワサキ KLX125とは

原付2種クラス(50cc~125cc)は、CRM80、DT125R、TS125R、KDX125SR、KSR-2といった2ストモデルに、XLR125、ジェベル125、DF125といった4ストモデルもラインナップされるほど充実していた。それは、維持費の安さは原付スクーター並みながら、走りはスクーターとは違う本格的な乗り味を楽しめるとあって、オフロードライダーのファーストバイクとしてだけではなく、ビッグロードバイクユーザーのセカンドバイクとしても支持を得ていたからだ。しかしながら、排ガス規制により原付2種オフは事実上壊滅。09年末に登場したKLX125は原付2種クラス久しぶりのニューモデルとなった。海外生産とすることでコスト高を抑え、敢えてフルサイズとしないことでパワーと車重のバランスを最適化。フューエルインジェクションとキャタライザーを装備し、最新の規制もクリアしている。価格の安さに注目しがちだが、しかし、走りを楽しめなければ魅力は半減する。今回のテストは、KLX125の総合的な走りを徹底的にチェックしてきた。

足着き性

シート高は830mmと、前回のテストバイクXR230モタードよりもKLX125のほうが30mmほど高い。しかし、身長170cm、体重70kgのおれがまたがった印象では、このKLX125が今までのテストでいちばん足着き性をよく感じた。両足のカカトまでべったり着くことができ、車重も軽いことが、絶対的な安心感を与えてくれるからだろう。ポジションはシッティング向きで、懐はやや狭い。スタンディングではハンドルが低いから、もう少し起こしたセッティングにしつつ、高さも上げたい。そうするとウイリーをしているようなポジションに近くなるから、おれにはリヤ荷重させやすいポジションになるんだ。しかし、両足を着きながら、2輪+2足で獣道に分け入ったり、ロックやマディセクションを走破していくのには、ノーマルは最適なポジションだ。自分の使い方に合わせたポジションを見つけておきたい。

IMPRESSIVE POINT

極低速域のトルクは少ないけれど、アクセルを開けていけばエンジンは高回転までストレスなく回っていく。頭打ちが遅く、そこに行くまで加速しているから、思った以上に速い。だから街中や林道で不満を感じることはほとんどなかった。それに標高や気温に左右されず、つねにエンジンのいちばんいい状態で乗ることができるのは、インジェクションのおかげだね。長時間乗ってもたれた感じがしないし、エンジンの完成度はかなり高いと思う。気になったのはシュラウドがシートよりも張り出していること。ボディアクションするとヒザの内側が引っかかってしまうんだ。それとスタンディングでマシンを寝かし込んでいくと、タンクの角がヒザに当たって痛いんだ。このあたりを上手く処理してくれれば不満はないのだけどね。

KLX125は こう味わえ!

ハイスピード巡航は250クラスに歩があるけれど、獣道のようなシチュエーションでは、軽さと足着き性のよさでKLX125に歩がある。ツーリングでダラッと乗るよりも、ライダーが積極的にマシンコントロールして乗るシチュエーションのほうが操る楽しさをより感じることができ、そしてそんな時は、250以上に楽しく遊ぶことができる。それは、エキスパートにはクイックな乗り味で、ビギナーには扱いやすさでマシンとの一体感を感じさせてくれるからだ。オフロードビギナーの入門モデルとしても、エキスパートのアタックマシンとしても、レベルに合わせて楽しめるマシンだ。

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