KTM 2016年モトクロスモデル
KTM 2016年モトクロスモデル

KTM 2016年モトクロスモデル

掲載日:2015年09月25日 試乗インプレ・レビュー    

ライダー/渡辺学  写真/長谷川徹  まとめ/小川浩康  記事提供/GARRRR編集部
この記事は、雑誌『GARRR』Vol.354 の「2016最新レーサーイッキ試乗」を再構成・転載したものです。

KTM 2016年モトクロスモデルの画像

KTM 2016年モトクロスモデル 4ストローク

排気量別に異なる
キャラクターの4ストSX

4ストSX-Fシリーズも全車フルモデルチェンジで登場。クランクケースは前後長を20mm短縮し、シリンダーヘッドは燃焼室形状を改良。ピストン、シリンダー、クランクシャフトも新設計され、軽量化と高圧縮を両立。これらの成果でエンジン単体重量は250で1.1kg、350でで1kg、450で1.8kgの軽量化を実現している。また最高出力は250が46ps/13500rpm、350が58ps/12500rpm、450が62ps/9500rpmと、いずれもクラス最高レベルを実現している。また、フレームは2ストSXと同様の新設計となっている。テストコースは同じくドライコンディションのクロスパーク勝沼だ。

「まずは250。エンジンはモトクロッサーとしてはマッタリ回る感じですが、パワーは出ています。若干サスの硬さが勝っている乗り味ですが、ギャップに当たっても前進力が落ちないトルクもあります。車体も軽いので、初心者でも乗りやすさが感じられるはずです。

次に350ですが、サスに硬さがありつつ、250よりも高回転型のエンジンです。回して乗ると250より一段上のパワーが出てきて、車体の軽さも際立ってきます。250のパワーが物足りないというライダー向けの乗り味になっています。

最後に450ですが、サスとエンジンのバランスが絶妙です。車体は軽くはないですが、それがマシン挙動をシットリさせ、荒れた路面でも乗り心地のよさになっています。高回転では450らしい暴力的なパワーが炸裂しますが、そこまで回さなくても充分速く走れます。KTMらしい扱いやすさをいちばん感じる仕上がりになっていますね」

サムスン製新型リチウムイオンバッテリーを採用。重量495gと従来モデルから1kg軽量化しつつ、高い信頼性も確保している。

転倒時の車体引き起こしがしやすいように、リフトポイントとして設計された新リヤフェンダー。意味のある車体デザインはさすが。

250と350はレゾネーターキャニスター、450はフローデザインヘッダーが装着されたエキパイ。騒音レベルを抑え、パワーは向上する。

KTM 250SX-F/350SX-F/450SX-F

価格
100万6000円/100万1000円/110万2000円(税込み)
ホイールベース
1485±10mm
最低地上高
370mm
シート高
960mm
総排気量
249.9 / 349.7 / 449.9cc
エンジン型式
水冷4ストロークDOHC4バルブ単気筒(450のみSOHC)
ボア×ストローク
78.0×52.3 / 88.0×57.5 / 95.0×63.4mm
燃料供給装置形式
ケーヒンEFIφ44
燃料タンク容量
7L
半乾燥重量
98.5 / 99.9 / 100.4kg
1次減速比/2次減速比
24:73/13:50 / 24:73/14:50 / 31:76/13:48
変速機形式
5段 / 5段 / 4段
キャスター角/トレール量
26°10′/NA
Fタイヤサイズ
80/100-21
Rタイヤサイズ
100/90-19 / 110/90-19 / 110/90-19

4ストはローンチコントロールを装備

アイドリングでセルスイッチ左にあるレバーを前後すると、ローンチコントロールが起動。スタート時のエンジン回転を抑えてくれる。このスイッチはマップセレクトも兼ねていて、スタンダードの他に、ソフトとアグレッシブにエンジン特性を切り替えられる。ソフトかアグレッシブかは、燃料タンク下のカプラーで事前に設定しておく必要がある

試乗ライダー プロフィール
渡辺 学
元ヤマハワークスモトクロスライダーで、2015年9月25日現在JNCCチャンピオン。2011年に立ち上げた自身のモトクロスチーム・ツイスターレーシングでのチーム監督を務める一方、MANABU餃子 の製造販売も手掛けている。

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