ハスクバーナ 2014年モトクロスモデル
ハスクバーナ 2014年モトクロスモデル

ハスクバーナ 2014年モトクロスモデル

掲載日:2013年12月13日 試乗インプレ・レビュー    

取材・写真・文/三上 勝久  写真・取材協力/HUSQVARNA

100年以上の歴史が息づく
名門ブランド

今から324年も前の1689年、スウェーデン国王の命によって生まれた銃器メーカーがハスクバーナのルーツだ。その後ミシンや自転車なども製造するようになり、スウェーデン有数の企業に育ったハスクバーナは1903年に初のモーターサイクルをリリースする。ロードレースやモトクロスで華々しい活躍を見せたハスクバーナは、1987年にイタリアのカジバが買収。その後もレースシーンで活躍を続けるが、2007年にはBMWの傘下へ。しかし2013年、今度はオーストリア・KTMによって買収。KTM傘下のピュアレースブランド・フサベルと統合し、新生ハスクバーナとして新しい歴史を切り開いていく事になった。今回はその歴史的背景と、2014ハスクバーナ・モトクロスラインの試乗インプレッションをお届けしよう。

ハスクバーナ 2014年モトクロスモデルの特徴

ハスクバーナ 2014年モトクロスモデルの画像

ハスクバーナと
フサベル

今回発表された2014ハスクバーナは、2013モデルまでのハスクバーナとはシャシーもエンジンも設計もまったく継承しない、完全に異なるモデルだ。それもそのはず、2014ハスクバーナはごく短期間の販売で終了した2014フサベルのエクステリアをハスクバーナに変更したモデルと言えるからである。

ハスクバーナ 2014年モトクロスモデルの画像

1995年にKTM傘下となったフサベルの各モデルは、2013年モデル以降KTM製エンデューロマシンをベースとしたモデルになっているので、つまり2014モデルのハスクバーナは2014KTMをベースとしたモデルとなっている。なぜそうなったか。実はここに、フサベルが生まれた背景が大きく関わっている。スウェーデンを母国とするフサベルは、1987年にハスクバーナがイタリアのカジバに買収される際に数人のエンジニアが離脱して設立したメーカーだ。それまでのものとはまったく異なる、非常にユニークな軽量4ストロークエンジンを開発したフサベルは、4ストロークエンジン搭載車として初めて世界選手権タイトルを獲得するなどレース界で華々しい活躍を見せる。しかしビジネス的には成功したとは言いがたく、1995年にKTMの傘下に。2003年には工場もKTMの本拠であるオーストリア・マッティグホーフェンに移し、スウェーデンでは企画設計のみを行うようになった。

ハスクバーナ 2014年モトクロスモデルの画像

KTM傘下となってからのフサベルは、しかしそれでもユニークなマシンを送り出していく。2008年にはシリンダーが70度前傾したFE570を発表、2009年には世界エンデューロ選手権でタイトルを獲得。2011年にはKTMの2ストロークモデルをベースとするTE125、250、300をラインアップに加え、2013モデルではKTMのエンデューロマシンをベースとするフルラインアップを発売した。ハスクバーナによれば、『ハスクバーナがフサベルと再統合する』というアナウンスだが、内容だけ見れば『フサベルがハスクバーナになった』と言ったほうが正しい。スウェーデン生まれのハスクバーナ・ブランドを、スウェーデン生まれのフサベルが奪い返したと言ってもいい。新生ハスクバーナのスタッフは、事実上それまでのフサベルそのもの。ハスクバーナになることでフサベルは消滅するわけだが、スタッフたちがその変化を歓迎しているのを見ると、いかにハスクバーナというブランドの持つ力が大きいかが分かる。

ハスクバーナ 2014年モトクロスモデルの試乗インプレッションは次ページにて

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