カワサキ KX85-II(2014)
カワサキ KX85-II(2014)

カワサキ KX85-II(2014) – 誰も予想しなかった2ストロークのままでのリニューアル

掲載日:2013年10月02日 試乗インプレ・レビュー    

インプレッション/辻 健二郎  まとめ/ダートライド編集部  写真/佐藤 春道  取材協力/ウエストポイント

誰も予想しなかった
2ストロークのままでのリニューアル

キッズだけでなく、フルサイズレーサーでは車格などで持て余してしまう大人まで、幅広く乗り手をフォローするミニサイズのモトクロスレーサー(ミニモト)のジャンルは、ホンダが同じだけのパワーで4ストローク化した150ccエンジンを搭載したモデルを出した以外、日本市場では鎮静が続いていた。排気量が80ccから85ccに変わった2000年辺りからグラフィックチェンジのみの変更に留まっていて、毎年残る3社(ヤマハ、カワサキ、スズキ)が何時4ストロークを出すか? と噂になったが結局出る事はないまま現在に至っている(2013年時点)。

そこに突如、カワサキが2ストロークのままオールニューともいえる改革を果たして登場させたのが、ここで紹介する2014年型KX85(-II)。外観を大きく変え、KX250Fなどと共通の意匠にしただけでなく、要のパワーユニットにまで大きく手が入ったモデルとなった。

カワサキ KX85-II(2014)の特徴

カワサキ KX85-II(2014)の画像

パワーユニットを大きく改良
足回りなども見直しがされた

2014年型のKX85(-II)で注目をしたいのが、2ストロークの構造は変えずにパワーアップを果たしている事だ。ピストンリングをシングルに変更(2本から1本に)する事で摩擦のメカニカルロスを最小化し、それと接するシリンダー壁面は、電気メッキコーティングからニッケルメッキに変更し、耐久性が大きく向上した。燃焼室も見直しがされ、スキッシュエリアを修正する事でエンジンパフォーマンスを向上させている。レスポンスも、PWK28セミフラットキャブレターのノズルジェットをシリンダーの近くに配置する事で、あらゆる回転域で鋭いレスポンスを実現している。パワーアップに欠かせない確実な点火と燃焼については、精密なデジタルCDIイグニッションを採用する事で実現した。

カワサキ KX85-II(2014)の画像

足回りも大きな変更を受け、フロントサスペンションは、径がφ36mmとなる倒立タイプで、ダンピング(減衰)性能を改良し、大きなボトミングを防止するために構造を一新した。ポートスタイルバルブから新型のシムスタックタイプのバルブ(KXFモデルと同様)への変更によって、大きな圧縮をしながら、リバウンドのダンピング力を増して、高速走行と乗り心地性能を向上させた。リヤのユニ・トラックサスペンションは従来通り圧側、伸側、プリロードの減衰力調整が可能で、圧縮機構を変更する事で、ゆっくりとしたストロークでも優れた減衰力を発揮し、安定した乗り心地に寄与するように変更された。

カワサキ KX85-II(2014)の試乗インプレッションは次ページにて

こちらの記事もおすすめです

この記事に関連するキーワード

新着記事

タグで検索