ホンダ XR230
ホンダ XR230

ホンダ XR230 – 「あと少し」に挑戦したくなる乗りやすさが最大の魅力

掲載日:2009年05月08日 試乗インプレ・レビュー    

構成/バイクブロス・マガジンズ編集部

ホンダ伝統のXRシリーズを受け継ぐ
コンパクトで扱いやすいトレールバイク

ホンダの「XR」シリーズは一時代を築いたモデルだ。国内はもとより海外でも人気が高く、多くのモデルがラインナップされていた。XRに共通するのは、軽量で扱いやすい車体にシンプルでタフなOHC単気筒エンジン。この二つが組み合わされた信頼性の高いマシンは、ベテランから初心者まで大きな支持を得てきた。しかし、昨今のモデル再編と各種規制の強化により、現在国内市場向けトレールバイクでXRの名前を冠するのは「XR230」を残すのみ。30年以上に渡ってホンダオフロードの看板を背負ってきたXRシリーズの現行モデルを、じっくりとインプレッションしてみよう。

ホンダ XR230の試乗インプレッション

ホンダ XR230の画像

「あと少し」に挑戦したくなる
乗りやすさが最大の魅力

ホンダのXRシリーズは、個人的にも思い入れのあるモデルだ。これまでXLRから含めて250ccを4台乗り継いできたが、「素直で乗りやすく、そしてタフ」というのが印象的なシリーズ。これは、今回試乗したXR230にもそのまま当てはまる。排気ガス規制の影響で最大出力は控えめになっているが、低中速域での力強い出力特性はまさにXRならではのもの。過敏すぎない適度なゆるさのあるレスポンスに、フラットに立ち上がるトルクカーブは、ビギナーにとって扱いやすく、ベテランにとっては手の中で自由に扱える面白さがある。そして、車体の軽さもXR230の美点。低いシート高を持つコンパクトで軽量な車体は、街中をスルスルと走り抜ける強い味方になってくれるし、一度オフロードに出てしまえばコントロールしやすく、もしものスタックの際にも苦になることがない。さすがに高速道路の連続走行は得意ではないが、この適度なエンジンパワーと車重の軽さが作り出す乗りやすさと面白さは、一度知ってしまうとなかなか降りられない。

ホンダ XR230の画像

今回はオフロード性能を試すために河川敷に持ち出してみたが、大きな車両だと入って行きたくなかった場所にも、XR230なら気軽に行けてしまう。サスペンションやエンジンパワーなどの数値的な面や、オフロードコースのような競技的シチュエーションだと物足りない部分があるかもしれないが、“バイクを使って遊ぶ”というシーンではXR230が面白い。簡単に両足が着くからハードなセクションも怖くないし、先の見えないルートを選んで行き止まりに当たってしまっても、軽量で小さな車体はクルリと簡単に方向転換できる。250ccのフルサイズモデルでは、どちらもそうは簡単にいかないだろう。すべてがアンダーコントロールだからこそ「あと少し」に挑戦する気持ちが湧いてくるのだ。飛ばすことなく、路面と対話するようにゆっくりと自然へ分け入るなら、XR230はきっと最高の相棒になってくれるはず。試乗でも思わず時間を忘れて、遊び慣れた河川敷でつい新しいルート探しをしてしまった。誰もが気兼ねなく楽しめるXR230は、これまでのXRシリーズの良さを継承しながらも、また違った魅力が詰まった魅力的なトレールバイクと言えるだろう。

ホンダ XR230の特徴は次ページにて

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