BMW Motorrad R 1200 GS(2013)

掲載日:2013年04月15日 バイク購入ガイド        件のユーザーレビュー

文/田宮 徹

BMW Motorrad R 1200 GS(2013)の画像
BMW Motorrad R 1200 GS(2013)

ライバルの追撃を振り払う
大幅刷新が施された最新GS

BMWアドベンチャーツアラーのGSシリーズは、1980年にR80G/Sとして誕生。90年代には単気筒モデル、2000年代には並列2気筒モデルにも、GSを名乗る機種が追加されたが、フラッグシップには初代から一貫して、「ボクサーツイン」と呼ばれる水平対向2気筒エンジンが使われている。この最新作となるのが、フルモデルチェンジにより2013年型で新登場したR 1200 GSだ。もっとも、R 1200 GSという車名は、2004年からの従来型でも使われていた。しかしこの新しいモデルは、これまでのスタイリングイメージを巧みに継承しながら、車体構成はまったくの別物に仕上げられている。

まず注目すべきは、搭載される排気量1,170ccのボクサーツインエンジン。BMWの長い歴史の中で、初めて水冷化されたのだ。それも、単なる水冷化ではない。これはBMWが空水冷式と呼ぶもので、冷却比率は水冷35%、空冷65%となっている。ちなみに従来型は空油冷式で、油冷22%、空冷78%だった。さてこの空冷式は、水の冷却経路を燃焼室周辺のみに配している。これにより、水冷化による重量増の弊害を最小限に抑えながら、冷却性をアップしているのだ。また、単なる空水冷化だけでなく、縦割りでトランスミッションケース一体型のクランクケース、湿式多板クラッチ、左側配置のドライブシャフト、電子制御スロットルなどが、80年にもおよぶBMWボクサーツインの歴史で初めて採用されている。これらは、従来型と同じ排気量のまま125馬力という15馬力の最高出力アップばかりでなく、エンジンの大幅なコンパクト化にも貢献している。

一方で車体も、大幅な刷新が図られている。エンジンを強度メンバーとして使うスチールブリッジフレームは、オンロード走行時のスポーツ性や快適性も考慮して、従来型よりも剛性がアップされた。足まわりはBMW伝統となる、フロントテレレバー式とリアパラレバー式を採用。ただし、いずれも新たに設計され、路面状況に合わせてダンパー設定を自動的に調整するダイナミックESA(電子調整式サスペンション)を標準装備している。前後タイヤは従来型よりもワイド化され、フロントに120/70R19、リアに170/60R17を履く。もちろん、高さだけでなく角度も調整できるシートや、スイッチ操作でOFFにできるABS、一般量産二輪車初のフルLEDヘッドライト(日本仕様)、調整可能なスクリーンなど、ツーリングに役立つ機能は満載。アドベンチャーツアラー界の王者に君臨し続けるという、BMWの本気度がうかがえるモデルに仕上げられている。

BMW Motorrad R 1200 GS(2013) のここがポイント!
  • ● 世界中の冒険ライダーに信頼されるGSである事
  • ● 革新的に進化した空水冷ボクサーツインエンジン
  • ● あらゆる道で発揮されるスポーツ性と快適性

BMW Motorrad R 1200 GS(2013)のライバルはこれだ!

  • ヤマハ
    XT1200Zスーパーテネレ

    2010年に新登場した、海外市場向けの並列2気筒アドベンチャーツアラー。電子制御スロットルやトラクションコントロールなど、多数の最新ハイテク技術を採用している。

  • トライアンフ
    タイガーエクスプローラー

    日本では2012年春にデビューしたアドベンチャーツアラー。長距離ツーリング時の快適性とタフネスさにあふれ、1,215cc並列3気筒エンジン&シャフトドライブを搭載する。

  • KTM
    1190アドベンチャー

    従来型990アドベンチャーから全面刷新され、2013年型で新登場したマルチパーパス系のビッグツアラー。1,195cc水冷Vツインを搭載し、前後19/17インチタイヤを履く。

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