ハスクバーナ TE630

掲載日:2012年02月29日 バイク購入ガイド        件のユーザーレビュー

文/田宮 徹

ハスクバーナ TE630の画像
Husqvarna TE630

ビッグエンジンながら車体は軽い
旅もできるスポーティエンデューロ

現在でこそイタリアに籍を置くが、ハスクバーナはスウェーデン生まれのバイクブランド。オフロードやモタードの世界を中心に活躍を続けている。このハスクバーナが、11年型で新登場させたデュアルパーパスのひとつがTE630。モタードのSMS630と同型のエンジンを搭載する、ビッグシングル系の公道向けモデルだ。

シリンダーヘッドにレーシングマシン直系の技術も取り入れた、排気量600ccの水冷単気筒DOHC4バルブエンジンは、ツインインジェクターのF.I.燃料供給方式。最高出力や最大トルクは未発表だが、低回転域からトルクフルで扱いやすく、高回転域までスムーズに吹け上がる特性が実現されている。これを搭載するフレームは、シングルクレードル形状のスチール製で、こちらもSMS630譲り。スポーツ性ばかりでなく、長距離ツーリング時の荷物積載やメンテナンス性も考慮した設計が行われている。リヤフレームはアルミ製だ。サスペンションは、フロントがマルゾッキ製、リヤがフルアジャスタブル式のザックス製。スポーティなオフロード走行にも対応していて、十分なストローク量が確保されている。ブレーキは前後ともブレンボ製で、ホイール径はエンデューロモデルでは一般的な前後21/18インチがチョイスされている。スタイリングはかなりスパルタンで、車体も一般的な体格の日本人が乗るには大きめだが、シートには長時間ライディングに対応したクッション性が確保され、一応はタンデムステップも装備するなど、実際には親しみやすい部分も多い。

それもそのはず、このTE630は、オフロードでの高いスポーツ性を確保しながら、ストリートユースでの快適性や扱いやすさも追求したモデルである。オプションパーツにはセンタースタンドまで用意され、フレームにはこのマウントも装備するほど。アドベンチャー系ツアラーとエンデューロモデルの中間に位置するデュアルパーパスといってよいだろう。

ハスクバーナ TE630のここがポイント!
  • ● ストリートユースも視野に入れた設計
  • ● 余裕があるビッグボアのシングルエンジン
  • ● 大きいのに意外と自在に操れる車体

ハスクバーナ TE630のライバルはこれだ!

  • KTM
    690エンデューロ

    08年型で新登場。LC4と呼ばれる、排気量654ccの水冷単気筒エンジンを、クロモリ鋼管トラスフレームに搭載する。前後21/17インチホイールを履くワイルドモデルだ。

  • フサベル
    FE570

    シリンダーが70度も前傾して変速機とクランクケースの位置が上下逆転したような、565.5cc単気筒エンジンを採用する。フレームはクロモリ鋼。前後輪は21/18インチ径だ。

  • ヤマハ
    XT660R

    660cc水冷ビッグシングルエンジンを搭載した、欧州向けのデュアルパーパス。04年型で新登場。前後21/17インチホイール、15L燃料タンク、左右2本出しマフラーを備える。

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