ヤマハ XT250X

掲載日:2011年03月28日 バイク購入ガイド        件のユーザーレビュー

文/田宮 徹

ヤマハ XT250Xの画像
YAMAHA XT250X

親しみやすさを最優先した
モタードスタイルの気軽なスポーツモデル

デュアルパーパスモデルのセロー250をベースとした、モタードスタイルの軽快ロードスポーツとして開発され、06年3月に新発売されたのがXT250Xだ。ホイールは、セローの21/18インチ径から前後17インチ径へと換装され、専用チューニングが施されたバイアスタイプのオンロードタイヤを装着。前後サスペンションは、セッティングが専用化されている。さらに、外装デザインなどにも手が加えられ、ヘッドライトはセローの丸型から角型となり、ヘッドライト下部のハンドルスタンディングは廃止。この変更に合わせて、メーターバイザーのデザインも専用化されている。またテールランプは、当時のヤマハ上級ロードモデルを思わせるデザインの18灯LED式とされ、細かい部分では前後ウインカーレンズの形状などにも変更を受けている。

開発コンセプトは、「市街地での軽快な走りを実現するスタイリッシュスポーツ」で、249cc空冷単気筒エンジンのセローをベースとしていることからもわかるように、絶対的な性能よりも、オンロードで気軽に操れる親しみやすさが重視されている。初代で129kgという車重と、セロー同様に左右各51度もあるハンドル切れ角、790mmのシート高により、エントリーライダーや小柄な女性ライダーでも、さまざまなシーンでイージーに扱うことができるはずだ。

発売以来、11年春までに受けた変更は一度だけ。セローや、セローのベースとなったトリッカーから少し遅れて、08年5月に燃料供給がF.I.化され、同時にエンジン吸気ポート形状の改良や、カラーリングチェンジが施された。この変更により、平成18年排出ガス規制に適合化。車重は4kg増、最高出力は3馬力マイナスの18馬力となってしまった。しかしエンジンは、より低回転域で粘り強くなり、全体的なフィーリングも向上。スペックだけを見ると性能ダウンと思ってしまいがちだが、実際の走行性能は初期型以上に洗練され、より開発コンセプトにマッチしたものになっている。スペック重視派には初期型、フィーリング重視のライダーには08年春以降のモデルをお薦めしたい。

ヤマハ XT250Xのここがポイント!
  • ● F.I.化でより洗練された低中速重視のエンジン
  • ● セロー譲りのハンドル切れ角による取りまわしやすさ
  • ● セローとは差別化されたライトまわりのデザイン

ヤマハ XT250Xのライバルはこれだ!

  • ホンダ
    XR230モタード

    デュアルパーパスのXR230をベースとした、扱いやすさに定評があるシティモタード。08年春に新登場。キャブレター燃料供給方式の空冷エンジンは、極低回転域で粘り強い。

  • カワサキ
    D-トラッカー X

    カワサキ伝統のスチール製フレームに、ハイグレードな足まわりやブレーキ系を組み合わせた、KLX250をベースとした水冷エンジンモタード。XT250Xよりもスポーティだ。

  • ホンダ
    XR250モタード

    03年春に新登場したが、すでに生産は終了。同じ年にフルモデルチェンジしたXR250をベースとする。エンジンは、キャブ仕様の空冷だが、だいぶパワフルだ。

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