ヤマハ XT1200Zスーパーテネレ

掲載日:2011年03月24日 バイク購入ガイド        件のユーザーレビュー

文/田宮 徹

ヤマハ XT1200Zスーパーテネレの画像
YAMAHA XT1200Z SUPER TENERE

伝説のブランド名を継承する
高性能アドベンチャーツーリングモデルだ

ヤマハのテネレブランドは、ダカールラリーで90年からスーパーテネレが大活躍したこともあり、いまだに欧州では根強い人気を誇っている。10年に新登場したXT1200Zスーパーテネレは、その車名を継承した、海外市場向けのモデルだ。そもそもテネレとは、かつてダカールラリーでの難所としても知られていたアフリカ大陸にあるテネレ砂漠に由来する。このことからもわかるようにこれまでのテネレは、オフロード走行を意識した設計がされてきた。しかしこのXT1200Zは、これまでに登場したテネレと比べると、よりオンロード走行を重視した仕様となっている。

エンジンは、新設計された1199cc並列2気筒。かつては5バルブにこだわってきたヤマハだが、00年代後半から方向転換を進めていて、このモデルもDOHC4バルブだ。徹底的な軽量コンパクト化が図られたこのエンジンは、もちろんF.I.燃料供給方式で、電子制御スロットルや、3モードから選べるトラクションコントロール機構を装備。さらに、エンジン性能やレスポンスを、ハンドルスイッチにより2タイプから選べる。後輪駆動はシャフトドライブ方式で、ローメンテナンス性を確保している。フレームは、高張力鋼管を使い、エンジンを剛性メンバーとして積極的に活用したバックボーンタイプ。フロントフォークは倒立タイプで伸圧減衰力の調整ができ、リアモノショックはイニシャルと伸側減衰力の調整が可能だ。ブレーキには、アンチロック機構が標準装備され、オフロード走行にも対応した前後連動機構も搭載。これ以外にも、23L容量のビッグタンクなど、アドベンチャーツアラーを名乗るうえで欠かせないアイテムが満載されている。

前後ホイール径は19/17インチ径で、市街地の一般道路から山岳の荒れた舗装路、そしてダートまで、さまざまな路面状況に対応。とくに日本の場合、これを舗装路の上でだけ使うユーザーも少なくないだろうが、オンロードの走行において、オフロード走行を視野に入れた設計であることによるネガは、まったく感じられない。快適なツアラーとしても、本格的な長距離アドベンチャーツーリングの相棒としても、満足して使えるモデルだ。

ヤマハ XT1200Zスーパーテネレのここがポイント!
  • ● 最新技術がもたらす超ハイレベルな走行性能
  • ● 欧州で絶大な支持を得るテネレのブランド力
  • ● 海外ブランドのライバルと真っ向勝負できるパッケージング

ヤマハ XT1200Zスーパーテネレのライバルはこれだ!

  • BMW
    R1200GS

    ドイツ生まれのGSシリーズは、ビッグマルチパーパス系の代表格として、世界中で高い人気を誇る。前後19/17インチタイヤを装着。エンジンは、1170cc空油冷水平対向2気筒だ。

  • ドゥカティ
    ムルティストラーダ1200

    1198cc水冷90度Vツインエンジンを、トラスフレームに搭載。一般的なオンロードモデルと同じ前後17インチタイヤを履いた、さまざまな道に対応したイタリアンモデルだ。

  • KTM
    990アドベンチャー

    排気量999ccの水冷75度Vツインエンジンを搭載した、オーストリアブランドのアドベンチャーモデル。前後ホイールは21/18インチ径と、オフロードを強く意識した設定だ。

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