ヤマハ セロー250

掲載日:2011年02月28日 バイク購入ガイド        件のユーザーレビュー

文/田宮 徹

ヤマハ セロー250の画像
YAMAHA SEROW250

マウンテントレールを提唱し続ける
扱いやすいオフロードモデル

初代は85年にデビュー。トリッカーをベースとして、05年に20年目にして初のフルモデルチェンジを受けたのが、マウンテントレールを提唱するセローだ。2代目は、排気量が以前の223ccに対して軽二輪枠いっぱいの249ccとなり、スタイリングもかつてに比べると都会的になった。しかし、二輪と二足を使って山で遊べる、セローならではの扱いやすさやタフさは、しっかりと初代から継承されている。いや、むしろ細かいパーツの設計を見ると、タフさの面では先代を上回っていると言って良いかもしれない。シート高は810mmで、悪路でもしっかりと足を着いて車体を支えやすい設定。もちろん、ヘッドライト下側やシート後方部左右には、スタック時などに車体を引っ張り上げるときに役立つハンドルスタンディングを装備する。ブレーキペダルやチェンジペダルは、先端が可倒式になっていて、ポテッと転んだくらいでは折れづらい設計だ。

さて、そんな2代目セローは、08年型で熟成を受けている。この際に、燃料供給にF.I.を新採用。エンジンの吸気ポート形状変更や、フロントフォークアウターチューブの変更によるトレール量の見直しが図られた。これらの改良によって得られたのは、さらなる扱いやすさ。キャブレター仕様でも低回転域で粘る仕様だったエンジンは、F.I.の採用により、超低速低回転走行時にストールしづらくなった。トコトコと山を走っていると、ひとが歩く速度くらいで慎重に通過したいセクションに出会うこともある。このエンジン特性は、マウンテントレッキングでは大きな安心へとつながるのだ。一方で足まわりの変更により、アスファルト走行時のコーナリング特性は、よりニュートラルになった。

マウンテントレールを提唱するオフロードモデルではあるが、車体が軽くて小回りが得意で燃費も良いセローは、市街地コミューターとしても優秀。これを日常の足として使っているライダーも多い。普段は街で、ときどき山へ。ぜひとも、普段の生活と遊びの両方でフル活用してもらいたいモデルだ。

ヤマハ セロー250のここがポイント!
  • ● スタイリッシュなのにじつはかなりタフな設計
  • ● より極低速域で粘るようになったF.I.エンジン
  • ● 熟成によりニュートラルさが増した旋回性能

ヤマハ セロー250のライバルはこれだ!

  • ホンダ
    XR230

    親しみやすさを追求したオフロードモデル。シート高は800mm。キャブレター燃料供給方式のエンジンは、極低回転域でよく粘り、ダートでも市街地でも扱いやすい。

  • カワサキ
    スーパーシェルパ

    シェルパとは、重い荷物を背負って登山をする山岳案内人のこと。07年型を最後に生産終了モデルとなったが、かつてはセローにとって最大のライバルだった。

  • スズキ
    ジェベル200

    93年に登場し、10年以上にわたり小変更のみで販売されて生産終了となったロングセラーモデル。250よりも軽くて125よりもパワフルという位置付けで、人気となった。

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