トレッキングでの走破性と快適性を高める力造オリジナルパーツ
取材協力/有限会社ぱわあくらふと  取材・文・写真/淺倉恵介  構成/バイクブロス・マガジンズ編集部
掲載日/2016年10月19日

今、オフロードバイクユーザーの間で、密かなブームとなっているのがオフロード・トレッキング。モトクロスコースでひたすらスピードを追い求めるのではなく、道なき道を散策・探検するバイク遊びだ。そのオフロード・トレッキングにフォーカスし、使い勝手や快適性を引き上げる力造のオリジナルパーツ。新しいコンセプトのオフロード向けパーツなのだ。

FEATURE

今、注目のバイク・トレッキング
力造のパーツで走破性と快適性を向上させよう

バイクには様々な楽しみ方があるが、大別すると舗装路を走るオンロードと、未舗装路を走るオフロードに分けられる。そのオフロードランも、モトクロスやエンデューロといった競技志向、自然の中を走ることを楽しむ林道ツーリング、バイクではとても走れそうにないセクションの走破に挑むトライアルなどバラエティーに富んでいる。そして近年、オフロードフリークの間で注目を浴びているのがトレッキングだ。

登山ブームの盛り上がりと共に、トレッキング(=Trekking)という言葉も広く浸透してきている。山頂への登頂を目的とするのが一般的な登山であるのに対し、山頂にはこだわらず山の中を散策することをトレッキングと呼ぶのだが、ここ日本においてはバイクのトレッキングは少々言葉の成り立ちが異なる。

「元々は“トレールバイクでハイキング”しようという意味合いで作った造語なんです。二つの言葉を合体させたのが“トレッキング”だったんです」

そう語るのは、バイク・トレッキング向けのパーツを豊富にラインナップする力造ブランドを展開する、ぱわあくらふと代表の小玉さん。ぱわあくらふとは、全日本選手権にも参戦するトライアルの強豪。オン/オフを問わず、広くバイク遊びの提案を行っているショップだが、やはり得意としているのがオフロードの分野。そして、今盛り上がりを見せているバイク・トレッキング・ブームの火付け役でもある。バイク・トレッキングは、自然の中をバイクで遊ぶことを目的に生み出された言葉だが、それが図らずして登山用語のトレッキングと、意味合いがほぼ同じであったということなのだ。

今回、力造のバイク・トレッキング用パーツを装着したマシンで、デモ走行を披露してくれたのは“美人すぎるトライアルライダー”こと小玉絵里加選手。キュートなルックスとは裏腹に、高度なライディングテクニックを持つ凄腕ライダー。MFJ全日本トライアルのレディースクラスに参戦中。トライアル競技への女性の進出をサポートする活動も行なっている。HRC CLUB ぱわあくらふと所属

バイク・トレッキングはオフロードバイクさえあれば、誰でも楽しめるバイク遊び。だが、ここに気をつけたいポイントがある。一般的にオフロードバイクと認識されているモデルのほとんどは、本来“デュアルパーパス”と呼ぶべきもの。デュアルパーパスの、パーパス(=purpose)の意味は“目的”。そしてデュアルはオンロードとオフロード両方を指す。つまり、オン/オフ両方を走れるように作られたバイクであり、オンロード走行を考えた分、オフロード性能がスポイルされている部分もあると言える。そうしたオフロードを走る上で不満を感じる部分を補い、またトレッキング特有の走り方に最適化させるためのパーツが力造のトレッキングパーツなのである。小玉さんは、パーツ開発のコンセプトを、こう説明してくれた。

「バイク・トレッキングが流行りだした頃は、本当に野山を散策することがメインの楽しみ方でした。ですが、最近は走破することが難しい悪路に挑戦することを目的とするユーザーさんが増えてきています。そうすると、トライアル車的な性能も求められてきますし、転倒の可能性も高まりますからマシンをガードする要素も必要になってきます」

力造のスキッドプレートは、エンジンの一部分だけでなく全体をガードできるように、面積が大きくとられている。また、使用されているアルミ板も非常に肉厚で強度が高い。

そうして考え出されたパーツのひとつが、力造のスキッドプレートだ。スキッドプレートは、簡単にいえばエンジンとフレームの下部をガードするパーツ。オフロード用パーツとしては一般的なものだが、力造のそれは他と比べ明らかにガードする範囲が広く、作り自体も見るからに強度が高い。

4ストロークエンジンは、一般的に下側にオイルパンという部位を持つ。エンジン内部を循環したオイルが溜まる部品だ。このオイルパン、アルミの鋳物で作られていることがほとんど、実のところ衝撃に弱い。転倒した先に硬い岩でもあれば穴が開く可能性が高い。そうなると、オイルが抜けてしまうので、即座に走行不能に陥ってしまう。想像してみよう、ソロで山深い場所に分け入り、そんな場所で転倒しオイルパンを割ってしまったら……。遭難して命の危険すらあるわけだ。そんな万が一に備え、力造のスキッドプレートは強固に作られているという訳なのだ。

他のパーツも、バイク・トレッキングには何が必要かを考え抜かれた逸品揃い。力造のパーツを装着すれば、あなたのマシンもすぐにバイク・トレッキング用マシンに早変わり。安心、快適にバイク・トレッキングを楽しめるのだ。

バイク・トレッキングでは道無き道を進むシチュエーションも多い。走行ラインに障害物が存在し、それを乗り越える時にエンジンの腹下を打つことも少なくない。そういった場合も、力造のスキッドプレートを装着していれば、エンジン破損の可能性を大幅に下げることができるのだ。

PICKUP PRODUCTS

力造のバイク・トレッキングパーツは
ラインナップも対応車種も豊富

力造のバイク・トレッキングパーツは、とにかく実効性を最優先に作られている。ガード系パーツはマシンのプロテクション性を考えた設計が為されているのだが、機能美という言葉があるようにファッション性も高い。また、ハンドルやステップ、シートといったポジショニングパーツは、いかに的確にマシンコントロールを行うかを追求したもので、オフロード走行時の操縦性を大きく向上させてくれる。どのパーツも、実によく考えられて作り込まれていて、実際に走りこんでいなければ思いつかないであろうアイデアが見て取れる。その最たるものがダウンフェンダーキット。詳しくは下の個別カットで確認してもらいたいが、走りを変えてしまうパーツなのだ。

01Rikizoh ダウンフェンダーキット
YAMAHA トリッカー用 / YAMAHA SEROW225用 1万9000円 / HONDA SL230用 1万9000円 ホワイト/ブラック選択可能

02ノーマルのアップフェンダーでは、走行ラインの確認が難しい。ダウンフェンダーキットを使用することで、フロントタイヤと路面のコンタクトポイントの目視が可能になり、適正な走行ラインを選ぶことができる。

03Rikizoh ワイドステップキット YAMAHA SEROW250/Tricker用 1万0000円 スチール製のワイドステップ。外回りと内回りのウェーブピンが交互に配置され、マシンのホールド性を向上させる。

04ワイドステップを使用することで、ブーツの滑りを防ぎより正確なマシンコントロールが可能になる。また、ステップの面積が増えるので、ライディングポジションの自由度も向上する。

05Rikizoh アルミサイレンサー YAMAHA SEROW250/Tricker/XT250X用 3万0000円 軽量なアルミ楕円サイレンサー。重量物であるサイレンサーが軽くなることで、マシンの重量バランスが向上。小気味好いサウンドも魅力。テールパイプ部分は、耐久性と強度に優れるステンレス製。

06Rikizoh チタンエキゾーストパイプ YAMAHA SEROW250/Tricker/XT250X用 2万5715円 ノーマルエキパイと比較し、パイプ長を30mm延長。ピークパワーと中低速のトルクが増して、パワフルでスムーズな走りを実現。超軽量なチタン製。ノーマルヒートガード装着可能。

07Rikizoh チタンエキゾーストパイプ HONDA CRF250L/M用 2万7000円 軽量で錆びにくいチタン製。重量は、ノーマルのエキゾーストパイプの1,250gに比べ、わずか400gという軽さを実現。ノーマルヒートガード装着可能。

08Rikizoh スキッドプレート YAMAHA SEROW250/Tricker用 ナチュラルシルバー 1万0477円/カラーアルマイト仕様 1万2381円 カラーアルマイトは、ブルー、レッド、ブラック、ゴールドから選択可能。ここで紹介している車種以外にも対応車種は豊富。詳しくはぱわあくらふとのWEBサイトでチェックを。

09Rikizoh スキッドプレート YAMAHA WR250R/X用 ナチュラルシルバー 1万1429円/カラーアルマイト仕様 1万3334円 カラーアルマイトは、ブルー、レッド、ブラック、ゴールドから選択可能。装着状態でオイル交換が可能なオイルホール付き。

10Rikizoh スキッドプレート HONDA CRF250L/M用 ナチュラルシルバー 1万4286円/カラーアルマイト仕様 1万6191円 カラーアルマイトは、ブルー、レッド、ブラック、ゴールドから選択可能。 転倒や飛び石で破損しやすいウォータポンプを守る、ウォーターポンプガードを装備。装着状態でオイル交換が可能なオイルホール付き。

11Rikizoh マッスル2 テーパーハンドルバー 8572円 剛性の高いテーパータイプのハンドルバー。素材に超々ジュラルミンを採用し、軽量かつ高強度を実現。 しぼり角度にこだわり、抜群の操作性を誇る。高さの異なる2タイプ(4.5インチ/5インチ)をラインナップ。

12Rikizoh アルミリアスプロケット 1万1429円 ダイレクトブッシングを採用した軽量リアスプロケット。素材にはアルミ合金で最強の強度を誇るA7075-T6超々ジュラルミンを使用。 対応車種:YAMAHA SEROW250/SEROW225WE/Tricker/XT250X 丁数:45T/46T/48T/50T

13Rikizoh トレッキングシート YAMAHA SEROW250用 2万円 ノーマルシートと比較して座面が3cm~5cmダウン。足付き性が向上するだけでなく、トレッキングでは必須のスタンディング走行もやりやすくなる。単なるアンコ抜きではなく、シートベースには特殊ウレタンを使用し、形状にもこだわりシートとしての性能を損なわない。他車種用もラインナップ。

14Rikizoh グリップエンドプロテクター 左右固定タイプ 1500円 / アクセル共回りタイプ 1200円 高強度なアルミから削り出しで製作。内径14mm以上のハンドルに対応。

15今回撮影で使用した、Rikizohトレッキングパーツを装着したトリッカー。一見しただけではフロントフェンダーが変更されただけのように見えるが、トレッキング時の走破性は大きく向上している。

SHOP INFORMATION

有限会社ぱわあくらふと
大阪府大東市御供田3丁目17-37
TEL/072-872-2141
FAX/072-870-5236
E-mail:info@power-craft.co.jp
車両販売やメンテナンスは勿論、モータースポーツにも積極的なバイクショップで、オリジナルのパーツも豊富にラインナップしている。「HRC CLUB ぱわあくらふと」として、全日本トライアルに参戦中。マシンレンタル込みのトライアル体験レッスン「手ぶらでトライアル」サービスも展開中なので、トライアルに興味があるなら一度トライしてみよう。