YAMAHA WR-Fの軌跡
セル付きになり不動の地位に
WR-Fの歴史に大きな転機が訪れたのは2003年モデル。この年、WR250Fはセルを手に入れる。加えてオートデコンプとなったため、キックでの始動性も大幅に向上。WR250Fブームが起きる。07モデルではアルミフレームになり、WR250Fはエンデューロでもっとも人気のあるマシンとなった。
モトクロッサーのYZと決別したのが2003年モデル。このWR250Fからセルスターターが装備され、エンデューロでの大きな武器となる。前記したように車重は増したがトレールバイクのように使い勝手が向上したことで、エンデューロレーサーという器を超えたバイクとなった。
2004年モデルはフロントフォークに新コーテイングを採用してフリクションロスを低減。またシート形状を新しくした。加えてアルミ製サイドスタンドによる軽量化と、跳ね上がり角度を大きくすることで収まりが良くなった。この頃すでにサブフレームもアルミ製に変わっている。
タンク、シュラウド、シートがスリム化され、シート高が10mmダウン。加えて排気ポートの形状変更やキャブレター、CDIのセッティング変更によって、ライバルの追従を許さない進化を遂げた2005年型。
すでにYZではアルミフレームとなっていたが、WR-Fはあえてスチールフレームを継続。Fフォークが新設計され、オイルロック機構によりボトム付近での踏ん張りが増した。またデジタルメーターを新採用。
ついにアルミフレームを手に入れ、新しくデザインされたヘッドライトカウルと相まってイメージを一新。吸排気力ムも最適化され、ウェーブディスクも採用するなど、一気にポテンシャルを上げた。
2008年モデルではフロントのアクスルやブレーキシステムの見直しで計500gも軽量化。リヤブレーキの操作性もアップ。またエンジン点火時のみ点灯するヘッドライトや、4Ahから6Ahへのバッテリー強化など細部をリファイン。
熟成の進んだWR250Fは2009年モデルでフロントフォークのアウターチューブやスキッドプレートを愛更。グラフィックも変わっているが、それまでのような大幅な改良は加えられていない。国内では最後のモデルとなっている。