Vol.23 国産モタード車は乗りやすさが一番!

掲載日:2014年07月29日 モタード魂    

国産モタード車は乗りやすさが一番! モタード魂

掲載日/2014年07月29日  文/小布施 倫行(CP sports)

モタード車はやっぱり乗りやすい
国産モデルはカスタムパーツも豊富だ

モタード車の魅力の1つに、乗る人選ばず・場所も選ばずと言える性能があります。例えば、オフロード車よりシート高が低くパッと乗りやすい(編注:ホイールが17インチで車高が下がるため)。ロードスポーツのような前傾姿勢をとらなくてもスムーズなコーナーリングが楽しめて、狭い路地でもスイスイ(安全は守って)行けます。タイヤもオールラウンドでサスが柔らか目だから、デコボコの路面でもほとんど心配がない。上り坂でも、太いエンジントルクがあってシフトの忙しさがあまりない乗りやすさを持ってもいます。そして、取り回しがとてもラクです!!! イメージとしては、ネイキッドバイクの軽量版・スポーティ版と考えて良いでしょう。

 

これこそが乗り手に優しく場所を選ばない、街乗りライダーにとってストレスの少ないバイク……。私がモタード車をお奨めする理由です。しかし、ウィークポイントもない訳ではありません。長距離を高速巡航するのはロードスポーツのようなマルチエンジンには敵わなかったり、ダートをレーサーのような速さで走るにはオフロード車に軍配が上がります。ただ、このような場面はそれほど日常とは言えないシチュエーションで、あくまで個人的主観ですが、モタード車は街中最強と思えます。

 

基本的な性能が分かったところで、国産車で主なモデル別に大まかな説明をしてみましょう。

 

 

<カワサキ Dトラッカー/DトラッカーX>

国産モタード車として多くのユーザーがいる、ロングセラーなモデルです。アフターパーツも多く、サンデーレーサーにも人気があり、中古市場でもよく見かける車種です。性能的にもクセのないバイクです。特別なパワー感とはいきませんが、スムーズな出力と軽快な足回りが特徴で、シートも低めなので乗りやすいです。DトラッカーXは、インジェクションを搭載しています。試乗インプレッションはこちら。

 

 

<ホンダ XR250/230モタード>

空冷エンジンとしては最高スペックと言えるパワーユニット搭載で、パワフルながら乗りやすさも持ち合わせています。空冷エンジンとは、冷却用に水を使わず、ラジエターを搭載してないエンジンを指します。XRシリーズは、オフロード車から長くに渡って人気のため、アフターパーツも多く、幅広い使いかたができます。試乗インプレッションはこちら。

 

後継モデルとも言えるCRF250Mが既に発売されていて、こちらは洗練されたスタイルで水冷・インジェクションなど現行の技術が盛り込まれており、燃費の良さ・乗りやすさなどが特徴になっています。

 

 

<ヤマハ WR250X>

国産市販車では最高スペックかと思います。レーサー系列で高出力のため、スポーツ指向の高いライダーにお奨めです。サンデーレースからレースモデファイのベースとしても人気の車種です。試乗インプレッションはこちら。

 

 

<スズキ DR-Z400SM>

現行モデルではありませんが、まだまだ人気の車種で、車重はあるものの400ccのパワーは抜群です。

本格的なモタード車として相応しい足回りも装備してます。

 

まだまだアフターパーツも出ており、ローダウンキットやサイレンサーなどを装着するとレーシーな乗り味を体感できます。輸入車にも負けない性能が期待できます。ユーザーカスタム例はこちら。

 

 

ここまで紹介した車両について、一例としてのチューンナップを紹介します。

 

・カラーリング(デカール仕様)

・リアフェンダーレスキット/ナンバーステー(ウィンカー・テールライト一体型)

・キャストホイール(リムサイズUP)

・ハイグリップタイヤ(サイズUP)

・スリップオンサイレンサー

 

以上が挙げられます。

 

 

ここでは、上記の中から抜粋して解説します。

 

 

<デカール>

ステッカーを貼る要領でできるデザインペイントのようなもので、フルセット物ならオールペイントのように仕上がります。ペイントショップやバイク屋などでの特別なツールがなくても、ちょっとした道具とコツでかなり綺麗に仕上がるので、ドレスアップの一歩としてお奨めします。既製品からオーダーまで幅広くあり、価格も1万円を切る物からオーダーでも5万円くらいで購入できます。既製品でも数十種類以上あり、気に入る物が見つかるはずです。

 

■参考

AMR デカール フルキット CRF250L 12-13 2万7,200円(税抜)

AMR デカール フルキット CRF250L 12-13
2万7,200円(税抜)

ウランマーキングデザイン フルオーダー品 価格は変動あり

ウランマーキングデザイン フルオーダー品
価格は変動あり

 

 

<Rフェンダーレスキット/ナンバーステー>

バイクのリアビューをスリムにするアイテムで、下方向に長く伸びているフェンダーを外し、リアフェンダーに直接ナンバーステーを付ける方法です。手作りもありですが、市販の物もあり2,000円くらいからあります。

 

■参考

DRC MOTOLED エッジホルダーKIT CRF250L/M用 7,300円(税抜)

DRC MOTOLED エッジホルダーKIT CRF250L/M用 7,300円(税抜)

 

 

上記以外に参考として、レース仕様ではフロント/サイドのゼッケン化に、オイルキャッチタンク搭載。ハイカム/ハイコンプ仕様/ブレーキの強化やキャブレターのチューン(インジェクションコントローラー)、スリッパークラッチ/レデューサーなどがあります。

 

これら国産車の特徴としては、中古市場での数が比較的多いことと、輸入中古車に比べやや価格が安い点です。アフターパーツも多くあり、カスタムの幅が広い点も特徴に上げられます。また、性能面で見ると、全体的にクセが少なく乗りやすさが特徴と言えます。

 

次回は、輸入車のラインナップから幾つか紹介しますが、国産車にない特徴もありますので楽しみにして下さい。

 

 

小布施 倫行
Michiyuki Obuse

レーシングカートのワークス/開発を経て、ホンダ系でのワークスマシンの開発とレーシングスリックタイヤの開発を担当。1990年に長野でCP sportsを創業、事業を開始する。CP sports発足後はロードレース地方選手権チャンピオンを輩出、モトクロスでも全日本選手権で上位シングルのライダーを輩出し、1998年の長野オリンピックではボブスレーのテクニカルディレクターを務め、日本チーム史上最上位を得る。その後、モタードの全日本に専念し、レーシングパーツ開発とモタードスリックの開発も担当し、2006年にCRFで、2010年にハスクバーナで全日本モタードProクラスチャンピオンを獲得する。06年より全国各地でのモタードスクール・講座もしていて、受講者の中には全日本モタードの優勝者も出ている。

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