ポンコツオフ車再生プロジェクト

【Vol.04】ついにエンジンまわりに着手。腰上をバラすもKIPSに苦戦!!

掲載日:2009年04月08日 ポンコツオフ車再生プロジェクト    

ボロボロ&安価になった2ストマシンに手を加え、思いっきりダートを走り倒そう! というのがこのコーナーの提案する2ストマシンの楽しみ方。ガルル編集スタッフのクラモチが所有するカワサキの名車KDX200SRをレストアし、最終的にはなにかしらのレースに出場することを目指す。それが『パンパン2ストリバイバル』なのだ!

再生への道のり

詳細写真タンクのサビ取り作業でエンジン始動に一歩近づく!

不動車であるこのKDXを再生させようと決意したときから、いつかはやらねばならないとわかっていたエンジンのバラし作業。今回は腰上のバラしに取り組みます。もちろんサービスマニュアルを携えての作業です。不安だらけの作業の中で、これだけが僕の精神的支柱。困ったときは全力ですがりますからね、よろしく~。

まず、シリンダヘッドを外しにかかります。冷却液を抜き、マフラーを外し、各部ボルト類を外して、問題なくヘッドにアプローチできました。パカッとフタを外すと、シリンダ内の様子とピストンの状態が確認できます。この焼け色なら問題ないでしょう。今度また時間のあるときにヤスリでもかけてあげることにします。

実際、エンジンの腰上バラしはサービスマニュアルが手元にあれば全然難しいことじゃない。苦労することがあるとすれば、古くなったネジが回りにくくなっていたり、外せるはずの箇所が固着していたりすることへの対応だろう次はピストン。カーボンの堆積はありますが、見たこともないようなひどい状態ではありません。リングやガスケットともども交換する予定ですからこちらも問題なし。

そして今回、気になってたKIPSをじっくり見てみたいと思っていたのですが…。サービスマニュアルの解説通りに手をかけるも、ウンともシュンともいわない始末! マニュアルの解説写真では当たり前のように引っこ抜いてるんだけど、こっちのはガッチリ固着しているのか全然抜けな~い。

ということで、腰上バラし途中ですが、作業続行を断念。次回、専門家に診てもらうことにします。その他、各方面からKDX再生に向けてプロジェクト進行中! 2スト再生好きの方、次号もどうぞお楽しみに~

今回の再生作業

ピストン・シリンダはまあまあ。気になるKIPSはバラしきれず

シリンダヘッドを外す前にドレンプラグを外して冷却液を抜き取る

シリンダヘッドを外す前にドレンプラグを外して冷却液を抜き取る

各部ナットを外してマフラーも取り外す。ここらへんは至って順調

各部ナットを外してマフラーも取り外す。ここらへんは至って順調

エンジンブラケット、ナットを外すとシリンダヘッドが開けられる

エンジンブラケット、ナットを外すとシリンダヘッドが開けられる

シリンダ内側は問題なし。ヘッド内側の焼け色だって許容範囲です

シリンダ内側は問題なし。ヘッド内側の焼け色だって許容範囲です

これこれ、この“KIPS”(=カワサキが開発した2サイクルエンジン用の排気デバイスの名称)を調べるのが今回の目的のひとつ

これこれ、この“KIPS”(=カワサキが開発した2サイクルエンジン用の排気デバイスの名称)を調べるのが今回の目的のひとつ

シャフトレバー【A】を取り外す。ナットは左ねじ。リテイニングスクリュー【B】も外す

シャフトレバー【A】を取り外す。ナットは左ねじ。リテイニングスクリュー【B】も外す

シリンダを取り外し…たいのだが、固着していて苦戦。マイナスドライバーをあてがってハンマーで軽く叩き続け、ようやくパカッと外すことができた

シリンダを取り外し…たいのだが、固着していて苦戦。マイナスドライバーをあてがってハンマーで軽く叩き続け、ようやくパカッと外すことができた

ピストンヘッドに堆積していたカーボンはこんな感じでした~

ピストンヘッドに堆積していたカーボンはこんな感じでした~

シリンダを取り外したあと、クランクケースにゴミなどが入らないようにウエスを詰め込んだら、外したピストンなどをじっくり観察する

シリンダを取り外したあと、クランクケースにゴミなどが入らないようにウエスを詰め込んだら、外したピストンなどをじっくり観察する

油まみれの部品をそのままに作業を進めると、ボルトなどを見落としてしまうことも。パーツクリーナーで付着している汚れを落とす

油まみれの部品をそのままに作業を進めると、ボルトなどを見落としてしまうことも。パーツクリーナーで付着している汚れを落とす

サービスマニュアルに従い、メインエキゾーストバルブ(KIPS)を抜こうとするが、抜ける気配は一切なし。マニュアルの解説写真を見なければ、絶対にコレが抜けるとは思えなかっただろう。手を変え品を変えて挑むも、ピクリとも反応しないKIPSにだんだんイライラしてきた~

サービスマニュアルに従い、メインエキゾーストバルブ(KIPS)を抜こうとするが、抜ける気配は一切なし。マニュアルの解説写真を見なければ、絶対にコレが抜けるとは思えなかっただろう。手を変え品を変えて挑むも、ピクリとも反応しないKIPSにだんだんイライラしてきた~

強固に固着しているのだろう。手持ちの工具と知恵では対応しきれず、ひとまず次回へ持ち越すことに。愛しさと切なさと悔しさばかりが胸に残る

強固に固着しているのだろう。手持ちの工具と知恵では対応しきれず、ひとまず次回へ持ち越すことに。愛しさと切なさと悔しさばかりが胸に残る

次回予告

続・エンジンのバラし!外装ラッピングに挑戦!必要な部品を注文する!

エンデューロレーサーKDX200Rの公道バージョンとして1989年に発売されたKDX200SR。水冷2ストロークエンジン・排気デバイスKIPSを装備し、35PSを発揮するパワフルかつ従順なエンジンが当時のオフロードライダーを魅了した。89年の初期型モデルのみ正立フォークを採用しており、リアには現代のモトクロッサーと同じ19インチタイヤを履く。現在、中古市場ではタマ数少なめの稀少車種となっている。
スペック

■エンジン形式 = 水冷2ストローク ピストンリードバルブ単気筒

■ボア×ストローク = 66×58mm

■最大トルク = 3.2kgf・m/7,500rpm

■変速機形式 = 6段リターン

■サイズ(全長×全幅×全高) = 2,175×855×1,225mm

■燃料タンク容量 = 9.5L

■ブレーキ = 油圧式シングルディスク(前後)

■タイヤサイズ = フロント80/100-21 リア100/90-19

■総排気量 = 198cc

■最高出力 = 35PS/8,000rpm

■キャブレター = KEIHIN PE28

■ホイールベース = 1,445mm

■シート高 = 885mm

■乾燥重量 = 107kg

■新車時本体価格 = 38万9,000円

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