オフロードビギナーの疑問解消!

【Vol.03】ダートでうまく止まれないのはなぜですか?

掲載日:2012年03月09日 オフロードライテク講座オフロードビギナーの疑問解消!    

講師/小林直樹  写真/長谷川徹  まとめ/小川浩康
記事提供/GARRRR
このコンテンツは『 GARRRR 』 Vol.297(2010.12.6発行) 「小林直樹のそうだったのか!オフライド」掲載の記事を引用しています。

オフロードライディングに対して、初心者が感じる不安、中級者が思う疑問を、私オフロードライディングマスター・小林直樹がわかりやすく解説いたします。知らなかったことを知り、正しい楽しみ方を身につければ、オフロードライディングの楽しさはさらに増えていくんですよ。オフロードビギナーの方はもちろん、我流テクニックで伸び悩んでいる中級ライダーも必見です!

ダートでうまく止まれないのはなぜですか?

急な操作がブレーキミスの原因なんです

ブレーキングで悩むのは、どこでロックするか分からないことが原因なんです。制動距離はスピードによって大きく変わりますが、オフライドでは路面のグリップが一定でないことも制動距離を変える要因となります。まずはスピードを一定にして、いろいろな路面でブレーキングしてください。そういう経験値を増やしておくことで、路面のグリップを予想できるようになります。

路面のグリップが分かれば、どこまでブレーキをかければロックするかも分かるようになるんです。

ダートでうまく止まれないのは、フロントブレーキをうまく使えていない証拠なんです。いきなりロックさせてしまう人は、指4本がけになっていないか確認してください。これだと微妙なコントロールができず、強くかけることしかできないんです。指は人差し指1本か、人差し指と中指の2本がけにしてください。

また、フロントサスがカクカクしてしまうのは、不意のロックに驚いてブレーキレバーを放してしまうからなんです。ロックでフルボトムしたサスは、ブレーキをリリースすることで一気に伸びてきます。ノーブレーキ状態でマシンが前進するので、またブレーキを強くかけます。この繰り返しがカクカクする原因なんです。逆に言えば、ロック寸前の状態をキープできれば、フロントサスを縮めたままにできるんです。これはフロントに荷重した状態で、フロントタイヤを路面に押しつけることで安定するんです。フロントサスの動きを感じることが、ダートでうまく止まるためのポイントなんです。

フロントがカクカクしてしまう例

フルボトム

あわててリリース

リアブレーキは踏んで水平に

リアブレーキは踏んで水平に

 

オフライドではブーツを履くことになります。プロテクション性は高まりますが、足首の微妙なコントロールは難しくロックしがちです。ですから、リアブレーキを踏んで水平になる位置でブレーキがかかるように調整しておきましょう。これで踏みすぎを防ぎ、ロックを防止します。踏むより触るという意識で操作してみましょう。

リアはロックしてもOK!!フロントでコントロール

ロック寸前までブレーキレバーを引いたら少しずつ弱めていきます

ロック寸前までブレーキレバーを引いて、一気にリリースするのは×

ポイント1で説明しましたように、リアブレーキはロックしやすいんです。オフライドでは、リアのロックにとらわれるより、フロントブレーキの操作に集中しましょう。ブレーキング時はフロント荷重になっているので、不意の転倒を防ぐためにハンドルは必ず真っ直ぐにします。そしてロック寸前までブレーキレバーを引いたら、一気にリリースするのではなく、少しずつ弱めていきます。写真のように戻す量はほんの少しです。指にかかるゴツゴツ感、フロントサスの縮んでいく感じをつかみ取れるまで練習してください。

マシン挙動が少ないお手本ブレーキング

①走行している時はサスが伸びています ②ブレーキングでフロントサスが縮んでいます。この状態をキープする意識を持ちます ③停止寸前でブレーキをゆっくり戻しています ④フロントサスが少しずつ伸びていき停止しています

走行している時はサスが伸びています

ブレーキングでフロントサスが縮んでいます。この状態をキープする意識を持ちます

停止寸前でブレーキをゆっくり戻しています

フロントサスが少しずつ伸びていき停止しています

【コラム】リアロックを利用してブレーキターン

リアブレーキがロックするのではなく、自分の意思でロックさせられるようになったら、ブレーキターンに応用してみましょう。 ①リアブレーキをかけてもマシン2台分くらい進むスピードで進入します ②アクセルを戻してクラッチを切りエンブレをなくします。そしてリアをロックさせます ③リアがロックしている時に、ハンドルを切りつつ足を出してマシンを傾けます ④リアブレーキを踏んだままにしておきます ⑤すると90度向きを変えられます。途中でリアブレーキを戻すとハイサイドの原因になるので要注意です

リアブレーキをかけてもマシン2台分くらい進むスピードで進入します

アクセルを戻してクラッチを切りエンブレをなくします。そしてリアをロックさせます

リアがロックしている時に、ハンドルを切りつつ足を出してマシンを傾けます

リアブレーキを踏んだままにしておきます

すると90度向きを変えられます。途中でリアブレーキを戻すとハイサイドの原因になるので要注意です

小林 直樹
インストラクター
小林 直樹

トライアルマシンとトレールマシン、二足のわらじでオートバイライフを楽しむ元全日本トライアル国際A級ライダ一。現在はトライアルデモ走行やスクール等、オフロードバイクの普及活動を精力的に行っている。

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