ISDEレース会場での準備編2

ISDEレース会場での準備編2

掲載日:2013年11月29日 エクストリームエンデューロ    

文/大川 誠  協力/KTMジャパン

受付と車検
レース前最後のイベントも

ISDE(International Six Days Enduro)はもっとも古いオフロード競技で、6日間にわたって1,000キロ以上を走破する過酷なレースです。エンデューロ競技は、その他のモータースポーツと異なり、選手本人だけがマシンに触れることが許されているため、ライディングだけではなく、短時間で的確に整備・修理する技術が求められるなど、オフロード競技のトライアスロンに例えられます。ISDE(International Six Days Enduro)はそのエンデューロの最高峰と言えるレースです。

5日目は、日本から参加する選手の受付・車検の日です。国ごとによって日にちと時間が指定されています。これもISDEのホームページから事前に情報を入手するか、現地のレースインフォーメーションで情報を仕入れます。今回は最終日の朝一の受付・車検である事から、事前の整備などの時間は十分すぎるほどあり、初めて出場の自分にとってはラッキーな日程だったかもしれません。なにせ落ち着いて準備出来ましたからね。

 

受付は、パドックではなくそこから程近い市街地の一角のホテルにあり、そこまで移動します。MFJから送られてきたFIMライセンスや参加受理証と、国際運転免許などを提示し無事に受付は終了。ここでは国内のイベントでもよくあるリストバンドを義務づけられており、ライダー1名につきメカニック1名分のリストバンドも受け取る事が出来ました。ちなみに、メカニックは受付不要でしたね。そして、意外と忘れてしまうのは競技区間のスタートとゴールの時間を自動計測する機械(トランスポンダー)を取り付ける台座。受付後に台座購入カウンターがあるので、受付に合わせて手続き。続いてパドックに戻り、受付の際に渡されたゼッケンをバイクに貼り付けいよいよ車検。その前にウェアに着替え今日も記念写真。その後、車検へ行き無事にこちらも合格。ISDEとは言っても特別な事はなく、唯一と言えば公道を走るためライトとテールランプの動作確認と排気音の音量測定を行った程度です。車検終了後は前後ホイール、フレーム、エンジン、サイレンサー(消音マフラー)にマーキングとゼッケンを書いてもらって、パルクフェルメ(ライダーやメカニックが自由に出入りできない車両保管スペース)で車両を保管。マーキングについては、オートバイの基本構成部品についてレース中の交換が出来ない事がルールで決められていて、このマークは毎日の競技終了後に確認されます。ということは、基本構成部品が壊れてしまったらレースはほぼ終了という事になります。オートバイを壊さない事も、ISDEでは大切な要素となります。

 

無事車検も終わり、残るコースの下見に行く事に。と、ここで僕にとっては一番の事件が発生! レンタカーのリアゲートの閉め忘れに気づかずそのままクルマを発進。「ガラガラッ」という音とともに何かを道路上に落としてしまった様子。確認すると二人分のブーツがない事に気がつきました。かれこれ1時間ほど探したのですが、不幸にも自分のブーツだけ見つからず。「これじゃ~レースできないじゃん」、とかなりテンションが落ちましたがパドックの出店ブースでブーツが売られていた事を思い出し、なんとかなると自分に言い聞かせ、午後のコース下見に向かう事にしました。結果、翌日もブーツは見つかりませんでしたが購入する事が出来たので結果オーライ。当然、開催場所によって出店ブースの数も異なるので、忘れ物や落し物には要注意です。そんなハプニングもありながら、レース前のイベントでもある開会式とパレードに突入。パレードは国ごとに分かれて、約30分ほどかけてパドックまで移動し開会式。これもISDEならではの醍醐味ですね。開会式でも国ごとにステージにあがり、紹介されますが、意外に日本チームへの声援の大きさにびっくりしましたね。当然ながら、この競技で現在最強とも言われるフランスチームと開催国のイタリアチームへの声援は格別ですが、日本人で良かったと思った一コマでもありました。

 

レース前日

レース前最終日。最終日は唯一下見をしていないコースの下見をしてそのあとはOFF日。ISDEは開催地などにも左右されますが、同じコース(テスト)、道順(ルート)を毎日使う場合もありますが今回は1日目、2日目は同じルートとテスト、3日目は2日目までのほぼ逆走。4日目と5日目は3日目までとまったく異なったルートとテストとなり、テストの場所は多いほうではないかと思います。予定していた下見も終わって午後はOFF。せっかく地中海まできたのだからドライブと兼ねてちょっと海まで散歩してみました。景色もいいし、海もきれいだし良いリフレッシュが出来ましたね。サポート兼メカニックの勝田さんも童心に戻り海を満喫していましたね。

 

かなり駆け足での準備期間の様子をお伝えしましたが、一番大切で興味がある事は滞在期間中の食生活や身の回りのことかと思います。今回の場合、ホテルはアパートタイプで、運よく市街地だったため近くにスーパーも多く食材の調達などの問題はありませんでした。ホテルを予約する上ではパドックからの距離や周囲の環境と値段を踏まえて選ぶ事が重要かと思います。今回は自炊出来る環境であり、極めつけはサポートメカニックである勝田さんの作る食事が最高にうまい! そんな恵まれた環境で6日間を過ごせるなんてライダー冥利につきますね。

 

そして身の回りの事と言えば洗濯。整備をしたりレースとなると毎日洗濯したいですよね。しかも泥や埃を吸い込んだウぇアはホテルのサービスを利用するのは気が引けますよね。となるとバスルームなどで洗濯してからコインランドリー、という事になりますが、アパートタイプであれば洗濯機を常設している場合もあるのでそのような意味でもホテル選びは快適にレース期間を過ごすには重要な準備になるかと思います。

 

さてさて、次回は一番興味があるレース編をお伝えしたいと思います。

 

 

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