ISDEに出るにはどのような準備が必要か?

ISDEに出るにはどのような準備が必要か?

掲載日:2013年11月22日 エクストリームエンデューロ    

文/大川 誠  協力/KTMジャパン

いざイタリアへ
その前に支度は色々

ISDE(International Six Days Enduro)はもっとも古いオフロード競技で、6日間にわたって1,000キロ以上を走破する過酷なレースです。エンデューロ競技は、その他のモータースポーツと異なり、選手本人だけがマシンに触れることが許されているため、ライディングだけではなく、短時間で的確に整備・修理する技術が求められるなど、オフロード競技のトライアスロンに例えられます。ISDE(International Six Days Enduro)はそのエンデューロの最高峰と言えるレースです。

行ってきましたISDE(International Six Days Enduro)。初参加でしたがなんとか完走する事が出来ました。出発前、レース中を含めて応援してくださった方々、ありがとうございました。

 

初回 はISDEについてを紹介しましたが、今回からはレースまでの準備編、レース中の事など数回に分けて紹介していこうと思います。まずは日本での概ねの準備から現地での準備について紹介します。

 

まず日本での準備についてですが、余裕をもってレース1年前から準備をしました。という事は来年のISDEに出るつもりなら、今直ぐ下準備に取り掛かった方がいいという事です。出発までのスケジュールはこんな感じです。

 

 2012年12月末 - チームの結成

 年明け2013年1月~2月 - 航空券、レンタカー、ホテルを予約・手配

 2月 - 仮エントリーと申込金送金(MFJを通じてエントリー)

 5月 - KTMレンタル車両の申し込み(ディーラーを通じて申し込み)

 6月 - 本エントリー(MFJを通じてエントリー)

 7月 - FIMライセンス取得(MFJを通じて取得)

 8月 - 本エントリーとエントリーフィー残金入金、国際運転免許取得

 9月 - 出発

 

このあたりの詳細については、最終回で反省を踏まえてながらのまとめとして紹介したいと思います。

 

今回のレース参戦の前後の日程としては、レースは月曜から土曜までの6日間に加え事前準備を6日、レース後の帰国準備を1日、日本からイタリアまでの往復移動を3日と、全16日の日程で計画しました。

 

出発編

出発当日、戦い(?)というよりは祭り騒ぎは国内にいる時から始まります。レースはまだ先なのに、と皆さん思いますよね。海外旅行と違って滞在で必要な衣類や生活用品の他に、ブーツやヘルメットを含むライディングギア、これが結構な重量になります。航空会社によってはチェクインバゲッジが1個だったり2個だったり、重量限度があるので、それを超えないように仲間同士でシェアしたり、手荷物に移動させたりなど試行錯誤。ただ、今回はここは比較的問題なくクリア。

 

そして日本を13時ごろ離れ、一路イタリア・サルデーニャへ。ローマを経由して現地へ。移動時間はローマでのトランジットを含め15時間程度でサルデーニャに到着。ここで驚いたのは、空港の通路にはレースを知らせる広告があったり、KTMのレース車両が展示されていたりで、街がもうすでにレースムードになってた事。ワクワクが伝わってきます。レンタカーを受け取りそのままホテルに向かい、長い移動もここで一旦終了。翌朝から事前準備を開始ですお世話になるホテルはアパートタイプなので、食事なし。せっかくイタリアに来たので町を散策して、まずは朝食。エスプレッソがおいしかったし、なんといっても小さなパン屋が最高においしかったです。お店も、日本だとケーキ屋かと思うほどシャレていたのが印象的でした。ただ、我々は観光のために来たのではありません。浮かれた観光ムードから少しずつレースモードへ、という事で早速パドックへ向かう事にしました。

 

 

6日間の相棒とご対面

会場では各国のパドックが設営中。一方、ぼくが用のあるKTMパドックは既に準備万端。車両の受け取り開始日を確認すると午後からという事なので、まずは生活の基盤をしっかりする意味と、自炊という事もあり、ホテル周辺の街の散策を兼ねて食材の購入やあれこれと細かな用事を。そうこうしている間に、あっという間に時間が過ぎ、いよいよ午後は6日間のパートナーとご対面。パドック裏には、1台ずつゼッケンとライダーの名前が表示されているレンタル車両がずらりと並んでいます。パドックスペースの並びにある受付で名前を伝え、クレジットカードを提示し車両受け取ります。ここでは、ナンバーや登録証なども一緒に受け取りをします。

 

車両はすぐに走れる状態ですが、ガード類が装着されていないため、そのままKTMパドックで整備をする事に。パドックは1台ずつ整備が出来る環境になっていて、さらに最低限の工具類は各整備スペースに既にスタンバイされていました。欲しい工具がない場合には、サービスに尋ねれば100%と言っていい程なんでも出てくる体制で、至れり尽くせり。また、KTMの場合ご存じの方もいると思いますが、6Days仕様の車両があるため、こちらは最低限のガード類は装備されているので走る事だけを考えれば、ほとんどやる事がない状態です。ライダーによっては、「サイレンサーはノーマルじゃないほうが好き」とか、「もうちょっとガードを追加したい」などの希望があれば、パドックとなりのパーツセンターで希望のパーツを購入。加えてKTMの良いところは、純正でこういったアフターパーツが充実しているので、社外パーツを準備する必要がなく、車両の心配をしないでレースに望めるという優れた面があり、こういった点でもKTMを選択するのは魅力的であると言っていいと思います。

 

あれこれ整備しているうちに夕方になり、パドックにあるレースインフォーメーションで試走コースの情報やこの先の予定について確認してからホテルに戻り、サルデーニャでの1日目は終了。ちなみに、車両はパドックに保管する場所がないため、バンタイプのレンタカーであればレンタカー内に、乗用車タイプであればそのまま乗ってホテルで保管になります。

 

 

KTMサービス利用が◎

ここでKTMパドックの様子を少し紹介します。まず、整備スペースは既に紹介した通りで、レース後のワーキングタイム(整備)もここで行います。ちなみに、朝のワーキングタイムはパルクフェルメ(車両保管エリア)脇になります。パドックには大きなカラーボックスがあり、1つ1つにゼッケンとライダーの名前が書いてあり、ここに自分が持ってきた部品やタイヤ、そしてレース中に交換した部品が保管出来るようになっています。レース中に壊してしまった部品については、ワーキングタイムで部品の交換を希望すると、交換後の部品と一緒に請求書となる伝票がここに投函されるというシステム。ここでも、あれこれ心配しなくてもKTMサービス側が管理をしてくれるので、非常に安心です。強いて言えば、他のライダーの部品などが間違って入っていない事ぐらいは最低限、ライダー側で確認しておく必要があると思います。

 

次回は準備2日目についてお話しようと思います。

 

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