モトクロスライダー辻 健二郎が2013年、AMA-SXに参戦! Vol.18~後日譚~

掲載日:2013年08月07日 ツジケンAMA-SX参戦記    

文/辻 健二郎

モトクロスライダー辻 健二郎が2013年、AMA-SXに参戦! Vol.18

車輪の付く乗り物に絶対に欠かせないもの。それがタイヤです。ツジケン選手のようにコンペティションライダーともなると、その重要性は一般ライダーの比ではありません。今回は、日本を代表するあのビッグカンパニーが登場です。

自身も製作に携わった信頼性
ブリヂストン

今回、スーパークロスの練習や本戦で使ったタイヤは、ブリヂストンタイヤです。アメリカでは、レースから撤退していたので現地サポートは厳しく、タイヤを用意するのは簡単な事ではなかったですが、それでも長年レースシーンで支えて頂いているブリヂストン。だから、俺は信頼しているタイヤを選びました。

 

過去には他社を使用した事もあり、その頃にはタイヤに対しての問題などは考えた事もありませんでした。まだオレの中にモノを追及する感覚が備わっていなかったのかもしれません。チームを変更した際に、タイヤも変わる事になり、それでブリヂストンを使い始めました。長年使い続けていた他ブランドへの慣れもあり、初めは少し路面の捉え方の違いに感覚の戸惑いがありましたが、すぐに問題なく対応出来るようになり、その後はどんどんとタイヤに神経が通っていきました。それまでは、タイヤにここまでの感覚を得られる事はなく、オレの感覚に合っていたのだと思います。

 

その後、タイヤテストで起用していただく機会が出来、本当にたくさんの種類のタイヤで走らせてもらいました。タイヤと自分との間に神経を繋いでくれたおかげで、驚くほどたくさんの情報を感じ取れるようになったのだと思います。それが、よく評価にも起用してもらえるようになり、実際にモノ作りの現場にも携わる事が出来るようになりました。レースタイヤのテストと量産タイヤのテストは相互にリンクしているので、レースで採り入れられたテクノロジーはじきに市場に出て来ます。ブリヂストンとしては、「ブリヂストンはモータースポーツの現場で技術と情熱を切磋琢磨し続ける」をコンセプトにタイヤ作りが行われ、この構図を基に量産品が出来上がります。

 

だから、オレは自分で携わってきたタイヤでもある事も含め、量産タイヤでも高い信頼を寄せています。信頼しているポイントはそれだけではありません。タイヤテストは、常に高いレベルでジャッジし、耐久性も確かめる事になります。1つの例としては、評価と耐久の両方を行ったテストの際、20分以上のヒートを7、8本おこなった事があります。そのテストタイヤは思いの外、耐久性が高く、予定テスト回数を終了しても続きました。アクセルを開けてないから劣化しなかったのではありません。ラップタイムも測って走り込んでいて、しっかりとサインボードで毎周確認しての手抜きなしの全開です。この時に良いタイヤが出来た事もあり、信頼度もより高まりましたし、それ以上にモノ作りに懸ける強い信念を感じました。タイヤは企業や工場が作りますが、基を創っているのは、企業内のまるで職人のような人たちで、人間力の尊さを訓えていただいた瞬間でした。

 

良いグリップだけのサポートではなく、こういった人間味を魅せていただき勉強させてもらった事も、自分にとってのブリヂストンを信頼している大きな理由です。だからオレはブリヂストンが好きなのです。これからも、タイヤを取り巻く環境で素晴らしい人材を育て続けていってもらいたいです。これって俺が素晴らしいって意味ではないですからね……。

 

 

<ブリヂストン>

 

 

 

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プロフィール

辻 健二郎

辻 健二郎

1975年8月8日 山口県徳山市(現 周南市)生まれ

父親の影響で3歳の時にモンキー(ホンダ)を緑地公園で乗せてもらったのが初ライド。週末は、家族みんなが父親のモトクロス練習&レースについて行く。そんな環境下、行った先で山の中を草木や泥にまみれて遊ぶのが日常だった。これが彼のバイクライフの原点になる。自己評価は、ポジティブに捉えると真面目で実直と言われるが、見方を変えれば頑固で自分を曲げない性格、との事。不器用だからスムーズに事が進まないが、この性格を理解してくれる周りに支えられ、モトクロス道を進んで来ている。大好きなボブ・マリーの曲、"JAMMIN'"から名前を取ったバイク仲間との倶楽部も活動中。何事も「enjoy!」が信条。

 

なお、随時申し込みがあれば個別のスクールを実施しているので、「ツジケンに教わりたい」と思ったライダーはぜひ問い合わせて欲しい。

【モトクロス塾】

 

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