モトクロスライダー辻 健二郎が2013年、AMA-SXに参戦! Vol.01

掲載日:2012年07月25日 ツジケンAMA-SX参戦記    

文/辻 健二郎 写真/Aki Kusudo

モトクロスライダー辻 健二郎が2013年、AMA-SXに参戦! Vol.01

長年、日本のモトクロスシーンで活躍をしてきた辻 健二郎選手。その彼が、なんと2013年にアメリカのモトクロスレース、AMA-SX(エーエムエー・スーパークロス)に参戦するという。ダートライドでは、それに至った彼の心境や、そこに向けての活動、そして2013年の活躍まで、その生き様を追いかけてみたいと思う。彼の長年の夢は、いったいどんな結末を迎えるのだろうか……。

バイクをバイクとして意識し始めた
それが「スーパークロス」のインパクトだった

はじめまして、辻 健二郎です。今回から俺のAMA-SX参戦記をみなさまにお伝えしていこうと思います。文章を書くのは得意ではないのですが、どうかお付き合いください。

 

さて、俺が初めてバイクに乗ったのは3歳の頃でした。ただ、継続してバイクを乗っていたわけではなく、日曜日の遊びの一つで、ヤマハの50ccを乗ったり、父親のマシンに一緒に乗せてもらってコースを周ってもらうなど、俺にとって、バイクは遊園地のカートやアトラクションのような感じでした。

 

それが1983年から、バイクというものをコントロールして乗ろうとし始め、継続してライディングするようになっていました。そのきっかけになったのが、1982年末にホンダ・QR50が我が家に来たと同時に、日本に初めて来た“1982年ジャパンスーパークロス”の映像を観た事だったのです。

 

当時、黄色いグラフィックのヤマハを駆るリック・ジョンソンとブロック・グローバーの連続ジャンプのかっこ良さにもの凄いインパクトを受け、強く憧れたのです。そうなってからは、野球少年が素振りやキャッチボールをするのと同じように、少しでも時間があれば家でQRに跨り、彼らのフォームを真似したり、スタンディングの練習をしていました。父親がモトクロスをしていたから、そうする事ができたという大きな要因もあります。

 

そんな父親がモトクロスを始めるきっかけとなったのも、映画“大脱走”で国境の有刺鉄線をジャンプする、スティーブ・マックイーンへの憧れがあり、河原で真似をしていたところ、モトクロスに出会い、始めたらしいです。父親も俺も、憧れを持つことで道を進めたのです。やりたいと思った事を進んでいける環境にあったのは、非常に恵まれた人生と言えます。

 

それからすぐにレースを始めたわけではないのですが、以前とは違い、バイクに乗る時間や乗っている時の集中力はまったく別人のようでした。自分の中でモトクロスを始めた、というタイミングはここですね。

 

11歳で迎えた初レースでは、大人の草レースに混じって走り、スタートでひっくり返る、走っても遅い、結果ビリ。普段からよく怒られていた父親に、レースで失敗をするとこんなに怒られるモノなのか! と嫌な思い出が残る、後味の悪い経験です。その後も毎週のように練習をしていたのですが、レースには出ませんでした。

 

ちょうどその頃、NHKがBS放送でアメリカのスーパークロスを放映していて、それを観る度に、1982年に受けたインパクトは更に拡張され、スーパークロスへの憧れも強まりました。テクニックを真似たり、たくさんする事があったので、レースに出ていなくてもモトクロスに乗るモチベーションは高かったです。この放映のお陰で、ライディングのイメージはすべてアメリカのもので、逆に全日本モトクロスの映像はイメージとして脳に無いんです。

 

その数年後、原付免許を取得してからMFJモトクロスのライセンスの取得をして、17歳で地方選手権(中国選手権)に参戦し始めました。この時は、昇格してきたスーパーキッズのチャンピオンと切磋琢磨する日々で、夢や憧れを追い続けているというよりは、ただ勝負に勝ちたい、そこにエネルギーを注ぎ込み、進んでいました。彼とはその後もずっとライバルで、共に成長していきましたね。

 

<続く>

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プロフィール

辻 健二郎

辻 健二郎

1975年8月8日 山口県徳山市(現 周南市)生まれ

父親の影響で3歳の時にモンキー(ホンダ)を緑地公園で乗せてもらったのが初ライド。週末は、家族みんなが父親のモトクロス練習&レースについて行く。そんな環境下、行った先で山の中を草木や泥にまみれて遊ぶのが日常だった。これが彼のバイクライフの原点になる。自己評価は、ポジティブに捉えると真面目で実直と言われるが、見方を変えれば頑固で自分を曲げない性格、との事。不器用だからスムーズに事が進まないが、この性格を理解してくれる周りに支えられ、モトクロス道を進んで来ている。大好きなボブ・マリーの曲、"JAMMIN'"から名前を取ったバイク仲間との倶楽部も活動中。何事も「enjoy!」が信条。

 

なお、随時申し込みがあれば個別のスクールを実施しているので、「ツジケンに教わりたい」と思ったライダーはぜひ問い合わせて欲しい。

【モトクロス塾】

 

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