キャブいじり その10

掲載日:2011年04月22日 バイク基本整備のイロハバイクメンテのウンチク    

キャブいじり その10

キャブレター不調の原因を探ってみよう

キャブレターが慢性的に不調なままで(見て見ぬフリをして)、バイクを走らせ続けているオーナーさんは意外にも多い。何度も何度もキャブ掃除しているのに「オーバーフローが止まらない!?」とか、フロートバルブを交換したのに「またオーバーフローが始まった……」などなど、過去にそんな経験をしたことがあるライダーは多いはずである。その原因が果たして「何なのか?」。 十中八九、原因は「ガソリンタンク内部や燃料コックのコンディション」にあると考えられる。仮に、そのようなトラブルが発生したら、燃料コックをOFFにしてから燃料チューブをコックから引き抜き、さらにキャブのフロートチャンバードレンを緩めてキャブボディー内部に溜まったガソリンをすべて抜き取ってみよう。さらに燃料チューブにエアガンを当て、弱い勢いで圧縮エアーを吹き込んでみる。コンプレッサーが無いときは、燃料チューブをくわえて「プーッ」と強く息を吹き込んでも良い。また、パーツクリーナーノズルを燃料チューブ内に差し込み、クリーナーを吹き付けても良い。空気やパーツクリーナーを吹き付ける理由は、フロートバルブ付近に引っ掛かっているゴミやサビの破片を吹き飛ばすためである。作業後、フレッシュなガソリンを流し込み、フロートチャンバー内に落ちたガソリンを再度ドレンから放出すれば、内部のゴミはほぼ洗い流せたことになる。

 

キャブ内部の洗浄やブローを終えたら、ガソリンタンク内部や燃料コックを洗浄してみよう。タンク内部のガソリンは携行缶などにポンプで移して空タンクにする。抜き取ったガソリンにゴミが混じっていたら、タンク内部は深刻な状況かも知れない。燃料コックは取り外して分解し、内部コンディションを確認してみよう。各ポートに詰まりやゴミが溜まっていないか? 確認しよう。パッキン類にダメージを見つけたら、迷わず新品部品に交換することをお勧めしたい。ガソリンタンク本体は、逆さまにして可能な限りガソリンを抜き取り、ゴミや細かな不純物がタンク内部に残っていないか確認しよう。すべてのガソリンを抜き取ったら、迷うことなく「水道ホース」をタンクキャップ部から突っ込み、タンク内部を水道水で徹底的に洗浄する。タンク内部は水道水による圧力洗浄が最適なのだ。コンプレッサーを使える環境であれば、同時にタンク内部にエアガンのノズルを突っ込み(ロングノズルガンが最適)、タンク内部に溜まった水で「うがい」をするように内部でボコボコ空気を躍らせる。このような作業を繰り返し行うことで、タンク内部のゴミやチリは洗い流すことができるはずだ。タンク内部を覗き込んでも、一見ではサビが無くきれいなように見えても、過去にリペイントしていたことが原因で、ペイントカスがタンク内部に残り、それが原因でオーバーフローを頻発させてしまうケースも実は多い。タンクキャップ部分から内部を覗き込んだときに、サビ等が無いように見えても、タンクの底にはゴミが沈殿浮遊している可能性があるのだ。

 

作業を終えたガソリンタンクは天日干しにて完全乾燥させてから復元しよう。急いでいるときには布団乾燥機を使ったり、ヘアドライヤーを吹き込んで強制乾燥させても良い。また、水道水を排出したタンク内にアルコールを入れて抜き取り、その後に前述した乾燥作業を行えば、より効率良くタンク内部を乾燥させることができる。

タンク内部にサビは無く、特に、ゴミが沈殿しているようなケースではなくても、何故だか「フューエルコック」のコンディションが悪く、うまく機能していないケースもある。タンクのメンテナンス時には燃料コックのメンテナンスも実施しよう。

タンク内部にサビは無く、特に、ゴミが沈殿しているようなケースではなくても、何故だか「フューエルコック」のコンディションが悪く、うまく機能していないケースもある。タンクのメンテナンス時には燃料コックのメンテナンスも実施しよう。

タンク内部にサビが発生している際には、タンクの「サビ取りケミカル」で処理する前に、必ず実施しておきたいのがタンク内部の脱脂洗浄である。タンク内部のサビと沈殿した汚れ油脂はまったく成分が異なるので、まずは油脂の洗浄から開始するのが正解だ。

タンク内部にサビが発生している際には、タンクの「サビ取りケミカル」で処理する前に、必ず実施しておきたいのがタンク内部の脱脂洗浄である。タンク内部のサビと沈殿した汚れ油脂はまったく成分が異なるので、まずは油脂の洗浄から開始するのが正解だ。

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