キャブいじり その6

掲載日:2011年02月18日 バイク基本整備のイロハバイクメンテのウンチク    

キャブいじり その6

キャブメンテナンス用の工具

キャブレターのメンテナンス時には気を使うことが多い。第一に、分解しようと思っても「ボルトやビスが緩まない!?」といったケースがある。機種によっては、一部の部品の固定に「逆ネジ」を使っているケースもある。一般的なボルト類と同様に「反時計回り」に回して緩めようとしても、逆ネジだとまったく緩まないのだ。緩めるのを諦めるのなら良いが、中には無理に緩めようとインパクトドライバーを利用し、キャブボディーやパーツにダメージを与えてしまうケースもある。メインジェットやパイロットジェットや各種スクリュー系のパーツならば、ほぼ「正ネジ」なので半時計回転で緩めることができるが、チョークやスターター関連のブラケットの中には「逆ネジ」で固定されている例もある。具体的には、ホンダの原付スクーター、トゥデイなどのキャブレターだ。半時計回転で緩めてビクともしないときは「正回転」で回し、様子を伺ってみるのも良い。正ネジでも、さらに締め付けることで緩めのきっかけを得ることができることもあるのだ。

 

ボルトやビスが完全に固着したキャブに遭遇したときは、闇雲にドライバーを使って緩めようとしてはいけない。仮に、サイズがドンピシャのドライバーを使っていても、固着しているときは頭をナメてしまったり、最悪でボルトを折れ込ませてしまう可能性もあるからだ。そんなときは迷わずキャブボディーを温めてみよう。温めることでボディーが膨張し、ボルトやビスを緩めやすくなるのだ。また、温める前に緩まないビスの周辺に防錆浸透スプレー(CRC556など)を吹きつけておくことで、温まる途中にネジ山の隙間からオイルが染み込み、ボルト緩めの手助けになることもあるので、防錆スプレーは必ず併用しよう。

 

肝心の「温め方」だが、どんな方法が良いのだろう? お勧めしたいのが温風ヒーター利用である。ヘアドライヤーをハイパワーにしたような工業用ヒーターだが、基本的に火を使うことが無いので安心して作業を進めることができる。とは言っても、炙り過ぎると周辺パーツ(特に樹脂部品)が変形したりなど、ダメージを与えてしまうことがあるので、状況判断はしっかり行なおう。仮に、完全分解を予定しているのならば、迷うことなく鍋にお湯を沸かし、アルカリ系水溶液の脱脂洗浄剤(花咲かGマルチクリーナーなど)を混ぜて、キャブ本体を沈めてお湯で温めてしまうのが良い(70℃前後で良い)。この方法は、キャブ本体の脱脂洗浄を進めながら一気に作業ができるので効果的だ。

キャブレター専門のプロショップでは、入手しにくいパーツにダメージを与えてしまわないように、市販ドライバーをベースに「様々な形状に削って改造」し、ドライバーを使いやすくした上で作業に取り掛っている。すべて似たようなドライバーに見えても、実際にグリップを握って緩めようとしたときに、トルク感が伝わり易いものとそうでないものがはっきりわかる。中には「とあるボルト専用のドライバー」もあるそうだ。

キャブレター専門のプロショップでは、入手しにくいパーツにダメージを与えてしまわないように、市販ドライバーをベースに「様々な形状に削って改造」し、ドライバーを使いやすくした上で作業に取り掛っている。すべて似たようなドライバーに見えても、実際にグリップを握って緩めようとしたときに、トルク感が伝わり易いものとそうでないものがはっきりわかる。中には「とあるボルト専用のドライバー」もあるそうだ。

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