メンテの幅を広げる駆動系とヘックスレンチの専用工具【モトメンテショッピング】

掲載日:2016年04月15日 メンテナンス    

※この記事は『モトメンテナンス vol.125』に掲載された内容を再編集したものです

パソコンやスマートフォンでネットショッピングを楽しんでいるサンメカは少なくない。
だが膨大なショッピングサイトを巡る中で、取捨選択に疲れちゃう、という意見もある。
このコーナーではいつでもお得にすぐ買える! をモットーに
本誌ならではの「バイクいじり」に特化した工具を厳選して紹介しよう。

日常整備から重整備まで、
工具でメンテが楽しくなる

ハンドツール一式が揃った工具セットがあれば、日常的なメンテナンスからオーバーホールまでかなりの範囲をカバーできる。だが作業内容によっては専用工具が必要になる場面もある。通勤快速として街で見かけるスクーターの駆動系メンテでは、空回りを押さえるホルダーひとつがないだけでプーリーの着脱さえできない。あるいは一般的なL字形のヘックスレンチでは、どうしても届かない場所にあるキャップボルトを外したいことがあるかもしれない。こんな時に汎用工具とはひと味違う車用工具があれば、さらにもう一歩進んだ作業をしてみようという意欲も湧くものだ。「いつか使うかも知れない」そう思って工具を探せるようになれば、バイクいじりがもっと楽しくなる。

かし丸君 #50系フルセット

チェーンメーカーならではの
質実剛健な作りが魅力

注油や張り具合の調整を定期的に行っても、いずれ交換が必要なドライブチェーン。この作業を自分で行うと、コマ数を調整するための切断やジョイントの圧入など、面倒で安全に関わる作業が連続する。そんな場面で活躍するのが、チェーンメーカーのDIDが開発したツール「かし丸君」である。これは520や530など中型車以上で多く装着される#50系シールチェーンの交換をハンドツールだけでスムーズに行える専用工具。コンパクトな手のひらサイズにもかかわらず、バイクに装着された状態のチェーンのカット作業も余裕でこなせて、判断が難しいジョイントプレートの圧入やピンのかしめ作業も特別なコツが不要で確実に行えるのが特徴だ。

かし丸君はボルトがねじ込まれたボディと、取り外しできるU 字形ホルダーをの2ピース構成で、作業に応じてボルト先端のピンを差し替えて組み変えて使用する。

装着されたチェーンのカット、または新たなチェーンのコマ数調整で切断する際は、U 字形ホルダーにチェーンをセットして、ボルト先端のカットピンを突き当てる。

ボディ根元の六角部を支えて、カットピンのボルトを19mmのメガネレンチで回す。ボディとU字形ホルダーは剛性が高いので、かしめられたピンも確実に押し抜ける。

コマ数を調整した新しいチェーンをつなぐ際は、U字形ホルダーの底部にジョイントピースをセットしてチェーンの両端をピンに差し込む。Oリングを挟んで変形させないよう注意。

ピンにプレートを乗せて、プレートホルダー越しにボルトを締め込む。プレートの圧入幅は両隣のリンクの幅を参考に。ホルダーの溝にピンの頭が触れれば適正な圧入量となる。

ジョイントプレートの圧入量が正しければ、ピン先端のカシメ量も正確に決まる。かしめ過ぎるとピン先端が割れて危険だが、かし丸君のかしめピンはガイドがあるので安心。

かしめ対象のピンをU字形ホルダーにセットして、かし丸君のピンを合わせてボルトを締める。ボルトやホルダーのガタが少なく、レンチを通したかしめ量がリニアに把握できる。

ピンがかしめ終わったところ。左のピンと比べて先端が開いているのが分かるだろう。初めてでも使い方を迷うことなく、作業ミスのリスクも小さい工具である。

MotionPro HEX-PRO ピボットヘッドヘックスレンチ(ミリ)

任意の角度に曲がるピボットで
使いやすさをアップ

一般的なL字形でもラチェットハンドルに差し込むソケットでも、先端の六角部とグリップ部分の角度が90 度になることが多いヘックスレンチ。だがキャップボルトの使用場所によっては、90度固定のグリップが不便なこともある。モーションプロのレンチはジョイント角度が任意に調節でき、真っ直ぐに伸ばせばドライバーのように早回しに使えて、90 度に曲げれば本締め可能。収納時に真っ直ぐに伸ばせばL字形よりコンパクトにまとまる利点もある。

使用頻度の高い6サイズをナイロン製の専用ポーチに収納する。レンチが抜けないよう、二つ折りのポーチの先端部分はマジックテープで留められる。

ボルト差し込む先端部分とグリップの角度は、90度の時が最も大きな力を伝えられる。だがボルトの周囲に障害物がある場合など、角度を変えた方が作業性がアップすることもある。首振りタイプのラチェットハンドルを使ったことのあるサンメカなら、角度を変えられる利点が分かるはず。

Hunter アドレスV125専用 駆動系メンテナンス工具セット

ローラーからクラッチまでこのセットでOK!

前後をプーリーに挟まれながら回転するスクーターのドライブベルトは、走行距離が増すほどにサイド部分が摩耗して幅が狭くなり、最高速が低下する。またフロントプーリー内部のローラーが変形すると変速にムラが出ることもある。スクーターの駆動系メンテにはプーリーホルダーやクラッチ分解用のサイズの大きなソケットなど、汎用工具にはない工具が必要だ。このセットは人気モデルであるスズキアドレスV125の駆動系メンテに的を絞った専用品。アドレスのフロントプーリーにはプーリーホルダーのピンを差し込む専用孔があるので、ホルダーでしっかり保持できる。

ステンレストレイにアドレスV125の駆動系整備に必要な9点の工具をまとめたメンテナンスセット。ホンダPCXやヤマハシグナスなど、機種によって工具のサイズが異なるため、専用設定となる。

リア側のクラッチアッセンブリーには、プーリーが回転する際の遠心力で開くクラッチシューがある。このシューを外すには、センターの薄いナットを外さなくてはならない。そのための34mmソケットも含まれている。

プーリーのナットは17mmで、ピン孔にホルダーを差し込む。リアのクラッチアウターも4つ穴にホルダーを差し込んで回り止めとする。

3番のプラスドライバーやT字レンチ、コンビネーションレンチなどの汎用工具も入る。こうした工具をセットすることでメンテに馴染みのないスクーターユーザーも安心して作業できる。

POSH ミリサイズ ツーリングツールセット

車載用だけでなく
日常メンテでも使える充実の品揃え

車両純正の車載工具の内容は、年式が新しくなるとほど貧弱になっているようだ。しかしツーリングや出先で不測のアクシデントに遭遇した時に、工具がなければ何の対応もできない。普段の通勤や街乗りでも信頼できる工具を携行すれば安心だがツーリングに出かける際には、ちゃんと使える工具を用意しておきたい。バイク用品メーカーであるPOSHの工具セットは、メガネレンチやソケットレンチなど緊急対応を超えるクオリティのアイテムがたっぷり入っているのが特徴だ。

巻き取りタイプのポーチはアイテムごとの専用収納スペースが確保されており、紛失防止にも有効。Bプラグ用の他にCプラグ用、Dプラグ用のセットもある。

普段からラチェットレンチに慣れていると、外出先でも便利に作業したい。アダプターをセットするとギアレンチがラチェットハンドルになるのはナイス。

8、10 、12 、14 、17mmのディープソケット5サイズと、Bタイププラグ用ソケット、エクステンションバーはギアレンチアダプターを介してセットする。

差し替え式ドライバーはプラスとマイナスに加えて軸部分の先端もソケットとして使える6in1仕様。ヘックスレンチは4、5、6mmのボールポイントが入る。

レンチ系の工具は10 、12 、14 、17 、19mmのメガネレンチとモンキーの6本を備える。このうち19mmはラチェットハンドルに変形して使うためギアレンチとなっている。

こちらの記事もおすすめです

この記事に関連するキーワード

新着記事

タグで検索