エンジン作業に強いKN企画のテクニカル工具【モトメンテショッピング】

掲載日:2016年02月16日 メンテナンス    

※この記事は『モトメンテナンス vol.124』に掲載された内容を再編集したものです

パソコンやスマートフォンの活用方法として、ネットショッピングを利用している
サンメカは少なくない。膨大なサイトを巡るのは楽しいがモノが多すぎて選ぶのが大変、
そんな意見もある。当コーナーではバイクいじりに役立つ工具やアイテムを厳選して、
いつでもお得にすぐ買える!をモットーにお届けします。

SS1/32レースの
有力コンストラクターが取り扱う専用工具

兵庫県に本拠地を置くKN企画は、SS1/32マイル(約50m)ドラッグレース界の有力コンストラクターである。自社製品の開発とともにドイツのStage6、台湾のKOSOなど海外パーツメーカーの日本総代理店も務め、さらにはSS1/32レース向けにスクーターベースの並列2気筒、3気筒エンジンを製作するなど、独自性の高い活動を行っている。多くのパーツをネット経由で販売するKN企画では、それらを装着するための工具類の販売も行っている。機種別専用工具とともに、車体や足周りのベアリング用プーラーや4スト車のシリンダーヘッド工具など、スクーターやミニバイクだけでなく中型車以上のバイクでも使える汎用性の高い工具は、日常のメンテナンス作業で重宝するはずだ。

ベアリングプーラーセット

門型とスライディングハンマーの
2WAYタイプ

ホイールやクランクケース、スイングアームピボットなどに圧入されたベアリングやブッシュを抜く際にあると便利なベアリングプーラー。専用のチャックをベアリング内輪に引っかけて真っすぐ引き上げることで、叩き抜き作業で懸念されるベアリングの傾きによるハウジングへのダメージが激減する。引き抜き用ツールとして、ボルトジャッキの原理を用いる門型のフレームと、おもりの衝撃で引き抜くスライディングハンマーを装備しているのが特徴だ。

480×210×65mmのブローケースの中にパーツが整然とレイアウトされている。内輪に挿入するチャックは8、10、12、15、17、20、25、30、32mmの9サイズと豊富で、小径~大径ベアリングに対応できる。

ホイールベアリングのように、ベアリングホルダーの周囲が平坦な場面では門型(下)のプーラーが使えるが、門が立てられないクランクケース内のような場面ではスライディングハンマー(上)が便利だ。

ベアリング内径サイズに適合したチャックを挿入したら、先端がテーパー形状のボルトをねじ込む。するとアタッチメントの先端が開いて内輪に押し付けられて、ベアリングを叩かず引き抜くことができる。

ホイールベアリングを抜く場合、アクスルシャフトと同径のチャックを圧入してからテーパーボルトをねじ込み、ベアリングホルダーの平らな部分に門型フレームを立てて、センターボルトをねじ込んで引き上げる。

フライホイールプーラー

電気メンテやエンジン分解時の
必須ツール

フライホイールマグネトー点火のポイント交換の際、クランクシャフト端部に装着されたフライホイールを外す機種が多い。だがこの部分はテーパーかん合で組み付けられており、センターナットやボルト外しても簡単には抜けない。ここで活躍するのがフライホイールプーラーである。多くのフライホイールは中心部にネジが切ってあり、プーラーをねじ込むことでクランクシャフト端部を押す力が働き、その反動で手前に外れるというのがプーラーのメカニズム。この製品には十字型の本体に4カ所、別体のスリーブナットの2カ所に合計6サイズのネジが切られており、数多くのフライホイールを取り外すことができる。

ハンドルを兼用した十字部分の長さは一辺160mmと170mmで、ネジ部はM10×P1.25(正ネジ)、M14×P1.50(正ネジ)、M16×P1.50(正ネジ)、M18×P1.50(正ネジ)、M24×P1.00(正ネジ)、M27×P1.00(逆ネジ)の6サイズ。内部にネジ溝がないフライホイールやローターには使えないので、事前に確認しておこう。

ポイント確認用にフライホイールに抜き穴があるフラマグポイント車の場合、ギアプーラーで外せないこともない。だが内側のコイルをダメージを与える場合もあるので、専用のプーラーを使いたい。

ホンダ横型エンジンのフライホイールではM24×P1.00(正ネジ)プーラーがフィットする。このスリーブをねじ込み、センターボルトでクランクシャフト端部を押すと「ガコッ!」と外れる。

ヘッドメンテナンスキット

4ストロークエンジンの
ヘッドメンテ必需品

4ストロークエンジンのシリンダーヘッドのオーバーホールに際して、バルブスプリングの着脱作業は不可欠。あるいはタペットクリアランス調整を定期的に行うことで好調さを維持できる。このキットはエンジンメンテに必要な専用工具をまとめたもので、セット内容はバルブスプリングコンプレッサー、タペットアジャストレンチ、バルブコッターインストーラー、ピストンピンプーラーの4種類。エンジンいじりの効率アップを図りたいなら心強い味方となるはずだ。

弓状のバルブスプリングコンプレッサーを筆頭に、4スト用シリンダーヘッドとピストンのメンテナンスに有用な専用工具をまとめたキットは原付クラスから大型まで幅広く対応する汎用性の高さが特徴だ。樹脂製ケースのサイズは490×220×80mm。

バルブスプリングコンプレッサーは吸排気バルブを着脱する際、スプリングを縮めるための工具。スプリング上部のリテーナーの直径に適したアタッチメントを装着して、バルブを上下から挟んで使用する。コッターを吸引する磁石を併用するとさらに便利だ。

シリンダーヘッドにバルブを装着する際、スプリングを縮めながらバルブ抜け止めのコッターをセットするにはコツが必要だ。だが専用のインストーラーを使えば、リテーナーを上から押さえつけるだけでコッターがパチッ! と簡単にセットできる。

ロッカーアーム式ヘッドのバルブクリアランスは、ロックナットを保持しながらアジャストスクリューで調整するため、このレンチがあると便利。ロックナットは8、9、10mmの3サイズ。

経年変化やエンジン内部の熱の影響で、ピストンピンクリップを外してもピンが抜けない場合に重宝するピンプーラー。ピンの直径に合ったカラーをセットして、グリップ反対側のボルトを締めることで、ピンを叩くことなく引き抜くことができる。圧入タイプのピストンピンを抜く際は必須アイテムとなる。

こちらの記事もおすすめです

この記事に関連するキーワード

新着記事

タグで検索