ブレーキパッドの交換編

掲載日:2009年06月09日 部位別メンテナンスブレーキ&ホイール    

メンテナンス講座

バイクのメンテナンスや修理をする場合、まず優先されるのがエンジンの始動など“走る”ための作業だ。その次にタイヤやチェーンなど駆動系消耗部品の交換して、これで完成! という人は多い。しかし安全のことを考えれば、走る性能より止まる性能を重視すべきだ。そこで今回は、パッド交換作業にひと手間を加えてよりメンテナンスの効果を実感できる方法をご紹介しよう。

 

サンプル車のVT250Fは、今は懐かしいインボードディスクを採用。制動力は優れるが錆びやすい鋳鉄製ブレーキローターを、ブレーキパネルの内側に取り付けたこのシステムは、実際の性能はさておき、キャリパーを外すためには絶対にフロントホイールの着脱が伴うなど、メンテナンスがしづらいのが特徴。一方、キャリパー本体はベーシックな片押しピンスライドタイプを採用しているので、対向キャリパーと比べればピストンシール、ダストシール交換とも楽に行うことができる。

作業手順を見てみよう!

80年代ビックリメカのひとつがインボードディスク。ベンチレーテッド式の鋳鉄ローターをハブ内に収めて、積極的に冷却しつつ制動力向上を図る。でも、現在まで生き延びなかったのは…。

80年代ビックリメカのひとつがインボードディスク。ベンチレーテッド式の鋳鉄ローターをハブ内に収めて、積極的に冷却しつつ制動力向上を図る。でも、現在まで生き延びなかったのは…。

  ブレーキパッドはディスクカバーに覆われて、目視で直接確認することができない。そこで、カバーを止めている3本のボルトを外して、カバーそのものを少しずらしてやる。

ブレーキパッドはディスクカバーに覆われて、目視で直接確認することができない。そこで、カバーを止めている3本のボルトを外して、カバーそのものを少しずらしてやる。

 

カバーをずらした状態を維持しながら、キャリパー後方から覗くと、パッドの側面が見えて残量が確認できる。一般的なディスクブレーキ車であれば、こんな面倒な作業は不要。一瞬でチェックできる。

カバーをずらした状態を維持しながら、キャリパー後方から覗くと、パッドの側面が見えて残量が確認できる。一般的なディスクブレーキ車であれば、こんな面倒な作業は不要。一瞬でチェックできる。

  ブレーキパッドは、パッドピンボルトによって取り付け位置が決められ、抜け防止となっている。VTのようなボルトタイプの他、Rピンを差し込んで止めるシャフトタイプもある。

ブレーキパッドは、パッドピンボルトによって取り付け位置が決められ、抜け防止となっている。VTのようなボルトタイプの他、Rピンを差し込んで止めるシャフトタイプもある。

 

外したパッドピンボルトは表面をチェック。汚れや腐食で凸凹になっていたら、表面をボンスターなどでキレイに磨いておく。このひと手間でパッドの動きが滑らかになり、ブレーキのタッチや利きも向上!

外したパッドピンボルトは表面をチェック。汚れや腐食で凸凹になっていたら、表面をボンスターなどでキレイに磨いておく。このひと手間でパッドの動きが滑らかになり、ブレーキのタッチや利きも向上!

  ローターの外側に向かってパッドを引っ張り出す。パッドの摩耗が進み、前進したキャリパーピストンが強く密着してすんなり抜けない時は、ピストンを押し戻してから抜くと良い。

ローターの外側に向かってパッドを引っ張り出す。パッドの摩耗が進み、前進したキャリパーピストンが強く密着してすんなり抜けない時は、ピストンを押し戻してから抜くと良い。

 

パッドの裏面に鳴き止めのパッドグリスを薄く塗ってから装着する。パッドが減っていた場合は、事前にピストンを押し戻しておかなくてはならない。この際ピストン側面が汚れていたら、清掃しよう。

パッドの裏面に鳴き止めのパッドグリスを薄く塗ってから装着する。パッドが減っていた場合は、事前にピストンを押し戻しておかなくてはならない。この際ピストン側面が汚れていたら、清掃しよう。

   

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