シート表皮のタッカー打ち直し編

掲載日:2009年03月25日 部位別メンテナンス外装系    

メンテナンス講座

浮いて反り返ったシートは
タッカーを打ち直して補正する

長い年月が経過したバイクのシートは、思いのほか変形してしまうことがある。ライダーを載せ続けたスポンジは押しつぶされ、シート表皮は摩擦で傷んでゆく。スポンジの弾力性が落ちる一方で、ライダーの動きに引っ張られて伸びてしまう表皮はたわみが増え、シワの量も増えてゆく。また、乗らなくても長期間放置しておくと、表皮が縮み、シートベース(多くは樹脂製)が引っ張られ、突っ張ったように反り返ってしまうことがある。

 

そのようなときは、シートの裏からシワが伸びるように表皮を引っ張り、ちょうど良いところでタッカー(大きなホチキスのようなもの)を打ち込んで留め、張りを調節することができる。素材のコンディションにもよるが、タッカーを打ち直せるようであればトライする価値はある。ちょっとした作業で、バイクのシルエットがグンと見栄え良くなるのだ。

作業手順を見てみよう!

シート先端部分は肉厚が薄くなっており、反り返りが顕著に現れ、タンクから離れてしまって少々みっともない。ライダーがまたがるといっそう反り返ってしまう。

シート先端部分は肉厚が薄くなっており、反り返りが顕著に現れ、タンクから離れてしまって少々みっともない。ライダーがまたがるといっそう反り返ってしまう。

 

シートの裏側から、先端部分の表皮を引っ張って集めてみると結構余っていることがわかる。これを裏側にまとめてしまえば、表側の反り返りもゆるくなるはず。

シートの裏側から、先端部分の表皮を引っ張って集めてみると結構余っていることがわかる。これを裏側にまとめてしまえば、表側の反り返りもゆるくなるはず。

 

古いステープル(釘)を抜き取り、反り具合を見ながら引っ張る量を決める。修正したいところ以外は手をつけず、抜き取るステープルは最小限に。

古いステープル(釘)を抜き取り、反り具合を見ながら引っ張る量を決める。修正したいところ以外は手をつけず、抜き取るステープルは最小限に。

 

タッカーで新たなステープルを打ち込む。いわば大きなホチキスだが、6~16mmのステープルが使用できるエアタッカーは1台あると便利なツール。

タッカーで新たなステープルを打ち込む。いわば大きなホチキスだが、6~16mmのステープルが使用できるエアタッカーは1台あると便利なツール。

 

安全装置付きのタッカーは、先端が対象物にしっかり当たっていないとステープルを発射できないようになっている。結構な音とショックがあるので注意。

安全装置付きのタッカーは、先端が対象物にしっかり当たっていないとステープルを発射できないようになっている。結構な音とショックがあるので注意。

 

道具さえあればサンメカでもきれいに仕上げることができる。ちょっと張りを強くしたので先端部分は低くなったかもしれないが、反り返りはかなり解消された。

道具さえあればサンメカでもきれいに仕上げることができる。ちょっと張りを強くしたので先端部分は低くなったかもしれないが、反り返りはかなり解消された。

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