フロントフォークのシール交換編(その3)

掲載日:2009年10月28日 部位別メンテナンスフレーム&足回り    

メンテナンス講座

フォークオイル注入でメンテ完了
最後まで気を抜かずに作業しよう

さて、フロントフォークのオイルシール交換作業もいよいよ3回目。これで作業完了となるが、最後まで気を抜かずに作業を行うことが重要だ。オイルシールプッシャーでオイルシールを無事打ち込んだら、そこで油断せずに溝の中で安定しているかを確認しておこう。折角打ち込んでもズレなどがあると、作業が台無しになってしまう。シール交換が完了したらオイル注入となるが、使用しているオイルの番手や調整基準をサービスマニュアルなどで確認しておきたい。フォークオイルは容量もしくは油面で調整するが、この数値を間違えるとセッティングに大きな影響を及ぼしてしまうので、慌てずに作業を行おう。注入後のエア抜きも忘れないように。ここまでくればあと一息、フォークスプリングを組み込み、フォークトップボルトを締めれば完成だ。3回に分けて解説したが、作業内容自体は意外とシンプルなので、必要な工具が揃っており、環境が許すなら挑戦してみてはいかがだろうか。

作業手順を見てみよう!

詳細写真

オイルシールプッシャーを取り外し、アウターチューブに刻まれたサークリップ溝が全周に渡って見えていることを確認する。その後プライヤーで縮めたサークリップを溝に収める。

  詳細写真

さらなる安全確認のため、細いマイナスドライバーでサークリップを押して、溝の中で安定していることを目視する。このチェックがOKとなったら、ダストカバーを取り付ける。

 

詳細写真

フォークオイル量は注入容量で管理する方法と油面で管理する方法がある。各部に僅かずつでもオイルが残っている可能性があるので、容量より油面で合わせてやる方が正確なことが多い。

  詳細写真

ダンパーピストンが隠れる程度のオイルを入れたら、インナーチューブをゆっくりストロークさせてフォーク各部にオイルを回す。空気混じりの“ジュコッ”という音が消えるまで動かす。

 

詳細写真

VTの場合、インナーチューブを沈めきって上端から170mmの位置までオイルを入れる。金尺などを使って、オイルで濡れる高さから油面を判断する。

  詳細写真

フォークスプリングをインナーチューブに入れる際には、巻きが密になった側を上に向けて挿入する。インナーチューブが縮んでいるとオイルが溢れることもあるので、伸び切り状態で入れる。

 

詳細写真

スプリングにフォークボルトを乗せて、ソケットを介してスプリングを押し縮めながら、インナーチューブを引き上げるように締め付ける。ネジピッチが細かく、ネジ山を傷めやすいので注意。

  詳細写真

右側アウターチューブの下部には、分割式のアクスルホルダーが装着される。このパーツには前後方向を示す矢印が記されているので、それを前方に向ける。ナットは前方を先に締める。

こちらの記事もおすすめです

この記事に関連するキーワード

新着記事

タグで検索