フロントフォークのシール交換編（その2）
掲載日：2009年09月30日 部位別メンテナンス › フレーム＆足回り
いよいよオイルシール交換
細心の注意をはらい丁寧な作業を
今回はフロントフォークのオイルシール交換作業の2回目。フロントフォーク内部にはデリケートなパーツも数多く使われており、細心の注意をはらい丁寧な作業が必須となる。さて、作業の説明に入る前に、今回は必要なパーツと工具を説明しておこう。注意すべき点としては、アウターチューブのスライドメタルやピストンリングは単品パーツとして供給されていないことが多いということだ。よって、交換できるパーツとしてはオイルシールとダストシールの2点。そして、これらの交換作業に必要な工具として筆頭に挙げられるのは、アウターチューブに対してオイルシールをまっすぐに打ち込むためのプッシャーだ。またフォークオイルは、基本的には純正相当の粘度の製品をチョイス。間違いなく作業を完了するためにも、必要なパーツや工具は事前に用意しておこう。繰り返しになるが、必要な工具や環境が整っていない場合、この手の作業はプロに任せた方が無難だ。自信がなければ無理をしないように。
作業手順を見てみよう！
 オイルシールとダストシールは純正部品が供給されていたので新品に交換する。他の部品はあまり減っていないので再利用する。サビの出たインナーチューブは、程度の良い中古品と交換した。 |  テフロンコートされたスライダーブッシュとフォークパイプブッシュの表面のテフロンコートの具合をチェックして、テフロンが剥がれたり目立った傷がある場合は新品に交換する。 |
 フォークを復元する際はインナーチューブの内部にダンパーピストンを通す。両者は常に接触しているので、外から見える部分だけでなく、インナーチューブ内壁の汚れも落としておく。 |  アウターチューブは強そうに見えるが、実は柔らかい。走行中に跳ね石などが当たるとその部分が凹み、インナーチューブと干渉して動きが渋くなることもある。だから筒内もチェックする。 |
 ダンパーピストンを固定するソケットボルトは緩み止めを塗ってから組み付ける。ワッシャーも新品に交換。本締めする前にインナーチューブを往復させ、ピストン位置を落ち着かせる。 |  オイルシールのリップ部分に新しいフォークオイルか、ゴムと金属の潤滑を助けるメタルラバーのようなケミカルを塗布する。乾いた状態で組み付けると、リップのゴムが粘って損傷につながる。 |
 オイルシールをセットする際、インナーチューブの上端部を通す際に最もリップを傷つけやすい。そこで薄いビニールなどで端部の角を覆い、リップが引っかからないようにすると良い。 |  アウターチューブ上にオイルシールをセットしたら、オイルシールプッシャーのハンマーで水平に打ち込む。オイルシールが座面に達すれば、ハンマーを持つ手に硬い感触が伝わるので分かる。 |
- 【前の記事へ】
フロントフォークのシール交換編（その1） - 【次の記事へ】
フロントフォークのシール交換編（その3）
鈑金ハンダで鉄板のエクボ修理編 
ケミカルを活用してタンクのサビ穴を直す編（後編） 
ケミカルを活用してタンクのサビ穴を直す編（前編） 
タンクボトムに穴をあけて凹みを直す編 
タンクの凹を引っ張り出す編 
「押し出し棒」を使ってD.I.Yで楽しむ凹直し編 
パソコンでデカール製作編 
エアブラシによるタッチアップ編 
