リアサスリンクのメンテナンス編

掲載日:2009年05月26日 部位別メンテナンスフレーム&足回り    

メンテナンス講座

硬化したグリスの完全除去がキモ
リンク各部には適量の高性能グリスを

リアサスペンションユニットが1本のいわゆる「モノサス」が一般化したのは1980年代。初期の頃はモデルごと、メーカーごとに趣向を凝らしたユニークなものも多かったが、定期的なメンテなくして性能を発揮できないのは今も昔も変わらない。しかし、劣化したショックユニットでも大した不満を感じなかったのは、動きの渋いリンクが適当なダンパー効果を発生していたからという事例が珍しくないほど、リアサスリンクのグリス切れはサスの動きに影響する。泥のようにネバネバに変質したり、逆に乾いて残っていないようなグリスはしっかり落とし、グリスアップすることで、シートを押さえた後の跳ね返りは強烈に良くなるはずだ。

作業手順を見てみよう!

詳細写真

リンク周辺を覆った汚れやサビを取り除いたら、リンク周りのボルトナットに潤滑剤をスプレーして、ソケットレンチやメガネレンチなどでボルトをしっかりホールドして緩める。

  詳細写真

車体からリンクを取り外したら、リンクを相互に動かしてその状態を確認する。2つのリンクの片方を支えて、もう一方が自重で垂れ下がらないほど重症な例もある。写真もそれに近い状況だった。

 

詳細写真

ボルトの差し込み方向など、組み立て順序を忘れないように注意しながら構成パーツを並べる。グリスの流出を防ぐオイルシールやOリングは、潤滑不足で摺動を繰り返したため傷ついているのが大半。

  詳細写真

パーツクリーナーなどで古いグリスを洗い流す。リンク部分にグリスニップルを持つ車種でも、こうした徹底洗浄を行わないと、古い上に新しいグリスを塗る、意味のない行為になってしまう。

 

詳細写真

グリスが枯れた状態でストロークを繰り返すと、リンクロッド表面のハードクロムめっきやブッシュのコーティングが剥がれてしまう。純正部品と油圧プレスがあれば、交換した方が無難だ。

  詳細写真

耐水性、高荷重耐性に優れたグリス(リチウムグリスやウレアグリスなど)をロッドとブッシュの表面にまんべんなく塗布して全体を仮組みする。動きがスムーズならば車体に組み付ける。

 

詳細写真

リンク各部のボルトを指定のトルクで締める。今回は割愛したが、スイングアームピボットのグリスアップを並行して行うことでリアサスの作動性はさらに向上するはずだ。

 

 

こちらの記事もおすすめです

この記事に関連するキーワード

新着記事

タグで検索