バイクの正しい保管方法/第1回 保管法で寿命が変わる

掲載日:2018年05月15日 メンテナンス    

文/丸山淳大 写真/モトメンテナンス編集部  記事提供/モトメンテナンス編集部
※この記事は『モトメンテナンス vol.128号付録・オートバイのメンテナンスをはじめる本 Vol.3』に掲載された内容を再編集したものです。

バイクを長期保管するときは、保管方法に気を遣いたい
雨ざらし保管でバイクは駄目になってしまうぞ!!

バイクは機械なのだから乗らずに保管しておけば調子は良いまま保っておけると思う人もいるかもしれないが、実は乗らなくても各部が劣化していってしまう。例えばエンジンを始動させるためのガソリンはもちろん、オイルやブレーキフルードなどの油脂類は経年劣化で腐ってしまう。

一度、腐れば機能を果たせなくなるのはもちろん、接している金属部分にも悪影響を与えることになる。また、車体を構成する金属、樹脂、ゴムパーツの劣化も避けられない。シールなどのゴムパーツは弾力が失われ、油を保持できなくなってオイル漏れなどを発生させるし、金属は腐食して強度を保つことができなくなってしまう。

つまりバイクは乗らなくてもどんどん傷んで、劣化が進んでしまうものなのだ。その劣化進行に大きな影響となるのが、温度変化、湿気、日光の紫外線などである。特に湿気は金属の大敵である。アメリカから里帰りしてくる旧車の程度が良いのは、湿気の少ない環境にあったことが大きな理由である。つまりなるべく外気の影響を受けづらいような保管をすれば、バイクの寿命を延ばすことができるし、長期保管後にスムーズに再始動させることができるのだ。

バイクの下周りは地面からの湿気で腐食してしまうケースが多い。舗装していない砂利や泥地などに日常的に駐車する時は要注意。また、屋内であっても地面が土だったりすると下周りのダメージが進行しやすい。屋根付き駐車場に保管して外装は綺麗だと思って安心していると、実は下周りがものすごく錆びているなんて事態にも陥りかねないのだ。

長期不動のバイクが再始動困難に陥る主な原因となるのがキャブレターの詰まりである。ガソリンの劣化が進むと粘度が上がって粘りのあるガム状になり、やがて固形化したりすることで、細かいキャブレターの通路を詰まらせてしまうのだ。詰まった汚れはキャブレターを分解して専用のキャブレタークリーナーで洗浄しなければ落とすことができないので、非常にやっかいである。だからこそ事前のひと手間でキャブを詰まらせないようにしたい。

ゴム部品は劣化すると弾力が失われてヒビが入ってしまう。オイルシールが駄目になればオイル漏れの原因になるし、エンジンのマウントゴムなどが駄目になると振動が酷くなってしまう。古いバイクでは、ゴム製のウインカーステーが経年劣化で折れて配線でぶら下がってしまうなんてことも珍しくない。金属部品だったら何とか補修ができるかもしれないが、ゴム部品は基本的に新品に交換する他、手が無い。

こちらの記事もおすすめです

この記事に関連するキーワード

新着記事

タグで検索