ヤマハ SR400のブレーキパッド交換

掲載日:2017年03月22日 メンテナンス    

取材協力/DAYTONA  写真・文/モトメンテナンス編集部

作業難易度★★★★☆/参考作業時間30分

ヤマハ SR400のブレーキパッド交換

ブレーキの構造は単純だが
メンテナンスは慎重に!!

バイクにとって重要な3要素である「走る」「曲がる」「止まる」の「止まる」はブレーキ性能そのものを指す。ブレーキ性能はただ単に「良く効けば良い!!」と言うのではなく、コントロール性に富んだブレーキこそが乗りやすいバイクを決定づける。ブレーキレバーひと握りだけでガツンと効くブレーキはよく効くブレーキだが、決してコントロールしやすいものではなく、突然のハプニングで握りゴケしてしまう原因にもなる。コントロール性を左右するのもメンテナンス次第だ。

ヤマハ SR400のブレーキパッド交換

ブレーキキャリパーのピストンを押し戻すディスクブレーキセパレーターとブレーキピストンを回すキャリパーピストンプライヤー。作業性は圧倒的に良い。頼れる特殊工具だ。

ヤマハ SR400のブレーキパッド交換

デイトナから発売されているラバーシール組み付け剤はゴム製ピストンシールと金属製ピストンの摺動抵抗を減らすケミカル。これを使うとプレーキのレスポンスが良くなる。

ヤマハ SR400のブレーキパッド交換

デイトナから発売されているフロントブレーキパッドとリアブレーキシューに交換。ゴールデンパッドは純正ローターへの攻撃性が少なくコントロール性を重視した味付けだ。

ブレーキパッドの交換手順

ヤマハ SR400のブレーキパッド交換

対向ピストンではなく片押しピストンを採用したSR400のブレーキキャリパー。キャリパー本体を取り外す際には、サポートブラケットへ締め付けるガイドボルトを弛めることから始める。

ヤマハ SR400のブレーキパッド交換

ボルトの頭の直下にはネジ山があり、その先がガイドバーになっている。これが片押しキャリパーマウントボルトの特徴だ。ガイドバーに沿ってキャリパーがスライドし、パッドをローターに押し付ける。

ヤマハ SR400のブレーキパッド交換

ガイドボルトを抜き取ることでキャリパー本体はセパレートになる。今回はパッド交換なので、ブレーキホースなどは外さずそのままだ。キャリパーはブレーキホースにぶら下げて作業開始。

ヤマハ SR400のブレーキパッド交換

ブレーキレバーを慎重に握り込むことでキャリパーピストンが徐々に出てくる。出し過ぎるとピストンが抜けてしまうので、先に出てきた方を指先で押さえ、さらに数回、レバーを握って動きを確認。

ヤマハ SR400のブレーキパッド交換

ピストン側面の汚れた部分とキレイな部分の両方が見えるようになったら、ピストンプライヤーでブレーキピストンが回転するか確認してみよう。この回転がスムーズに行かないときは要注意だ。

ヤマハ SR400のブレーキパッド交換

突き出したピストン側面にブレーキ&パーツクリーナーをスプレーし、不要になった歯ブラシなどを使って汚れを溶かしながらこそぎ落す。ピストンを回しながら繰り返し清掃してみよう。

ヤマハ SR400のブレーキパッド交換

クリーニングしたらキレイなウエスで汚れを拭き取り、その後、ラバーシール組み付け剤を塗布してピストンの作動性向上を狙う。このデイトナ製ケミカルの効き味がとにかく良いのだ。

ヤマハ SR400のブレーキパッド交換

満遍なくスプレーしたら露出したピストンを指先で押し、キャリパーボディーの中に可能な限り押し込む。片側を押すと片側が出る、と言った動きは、スムーズでなければそのようにならない。

ヤマハ SR400のブレーキパッド交換

ピストンがスムーズに作動したら、セパレーターツールで2個のピストンを同時に押し戻す。メンテナンス後はピストンの作動性が圧倒的に良くなり、気持ち良く潜っていくのがわかるはずだ。

ヤマハ SR400のブレーキパッド交換

キャリパーメンテナンスを終えたらブレーキパッドの交換開始。パッドの鳴き防止やパッドをサポートブラケットに保持するリテーナー金具を紛失したり付け忘れたりしないように要注意。

ヤマハ SR400のブレーキパッド交換

ブレーキパッドは交換時期に達していた。古いパッドを取り外して周辺の汚れをパーツクリーナーで洗い流そう。パッドの厚さは7~8割使ったら、ローター保護のために交換するのがベターである。

ヤマハ SR400のブレーキパッド交換

新品パッドを開封したら、そのまま組み込んでも特に問題は無い。しかし、パッドのエッジを面取りすることで初期馴染みが早々に出るので面取りした。この面取り作業は、粗目の平ヤスリが良い。

ヤマハ SR400のブレーキパッド交換

パッドの鳴き防止やブレーキレバーを握り込んだときのレバータッチ=ビビリ感を押さえるために、ブレーキパッド裏側のピストン側面が当たる部分周辺に薄くパッドグリスを塗布する。塗りすぎに注意。

ヤマハ SR400のブレーキパッド交換

パッドグリスをしっかり塗ってしまうとそのグリスがゴミやスラッジを寄せてしまうため要注意だ。従って薄く塗布するように心掛けよう。ブレーキローターのパッド当たり面へ付着しないように注意。

ヤマハ SR400のブレーキパッド交換

キャリパーサポートに洗浄したリテーナー金具とパレーキパッドを組み込んだら、キャリパー本体を復元しよう。キャリパー本体はブレーキピストンが押し込まれていれば容易に取り付けられるはずだ。

ヤマハ SR400のブレーキパッド交換

スライドピンと一体のフローティングボルトを復元するときには、極圧性に優れたグリスを塗布しよう。ここではスーパーゾイルグリスを利用した。このガイドがカジルとブレーキ性能が一気に低下する。

ヤマハ SR400のブレーキパッド交換

ブレーキパッドを交換したり、キャリパークリーニングを実践したときには、必ずブレーキレバーをポンピングし、パッドの当たりを確認しよう。このポンピングを忘れて走り出したら超危険!! 必ず行おう!!

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